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公開日: 2021.04.28
いかに新しい経験を提供できるか——BMWのユーザーエクスペリエンス(UX)戦略を追う
BMWは、デジタライゼーションを強力に推し進める自動車メーカーだ。最近の好例は、2021年に発表されたばかりの「iX」と「i4」。ユーザーエクスペリエンスとも言われる乗員の使い勝手こそ、「自動運転時代を見据えて、クルマにおける最も重要なテーマ」と、BMWではする。その考えが端的に表れたのがiXとi4だ。

2020年11月に、BMWグループのデザインを統括するアドリアン・ファン・ホイドンク氏が、BMWの配信によるビデオに登場した。その時はまだチラ見せ状態だったiXをして「このクルマは走るリビングルームのように使えます」と述べた。
「iXは内側からデザインされたモデルといえます。私たちの考える新しいマン・マシーン・インターフェイスの在り方を体現しています。例えば、今まで通りボタンを押すのでなく、もっとシンプルかつナチュラルに操作できないか。そしてそれが使う喜びを生まないか。を考えて、デザインしています」
「iXは内側からデザインされたモデルといえます。私たちの考える新しいマン・マシーン・インターフェイスの在り方を体現しています。例えば、今まで通りボタンを押すのでなく、もっとシンプルかつナチュラルに操作できないか。そしてそれが使う喜びを生まないか。を考えて、デザインしています」

4月19日の上海モーターショーで発表された、ピュアEVのSUVであるiX
iXと、その正式デビューに先駆けて3月17日にオンラインで発表されたi4。これらの新世代ピュアEVには、12.3インチのインフォメーション用ディスプレーと14.9インチのコントロールディスプレーを組み合わせた大きな「BMWカーブドディスプレイ」が採用される。
カーブドとある通り、ドライバーに向けてモニターが湾曲したデザインにも特徴がある。そこで、今回新たに搭載された「BMWオペレーティングシステム8」なる、インフォテイメント(インフォメーションとエンターテインメントを融合したもの)の最新システムが動く。
「日を追うように複雑化する自動車の操作を、なるべく直感的に、しかもボタンやスイッチに煩わされることなく行えるように、というのが最新の考えなのです」。BMWのプレスリリースでは、今回のBMWオペレーティングシステム8のコンセプトを説明する。
注目に値するのは、「インテリジェントパーソナルアシスト」という機能だ。現在日本でも売られているBMW車に搭載されている対話型操作システムにおいては、「オーケイ、ビーエムダブリュー」の呼びかけで起動し、例えば、「暑いんだけど」と言えば「温度を1度下げます」などと答える。
今でこそ、多くのメーカーが追随している機能であるものの、着手して実現までこぎつけたのは、実はBMWが最も早かった。今回のシステムでは学習機能を強化した上で、車載AIからドライバーに向けて、より積極的な提案を行うようになるそうだ。それが、インテリジェントパーソナルアシスト。これについてはさらなる詳細情報の発表を待ちたい。
iXのダッシュボードの画像を見る限り、物理的な操作類はほとんど見当たらず、大きなモニタースクリーンがあるだけ。そのスクリーンとヘッドアップディスプレーと、それに音声で、操縦者とドライバーのコミュニケーション(つまり運転にまつわるもろもろの操作)を成立させる。
カーブドとある通り、ドライバーに向けてモニターが湾曲したデザインにも特徴がある。そこで、今回新たに搭載された「BMWオペレーティングシステム8」なる、インフォテイメント(インフォメーションとエンターテインメントを融合したもの)の最新システムが動く。
「日を追うように複雑化する自動車の操作を、なるべく直感的に、しかもボタンやスイッチに煩わされることなく行えるように、というのが最新の考えなのです」。BMWのプレスリリースでは、今回のBMWオペレーティングシステム8のコンセプトを説明する。
注目に値するのは、「インテリジェントパーソナルアシスト」という機能だ。現在日本でも売られているBMW車に搭載されている対話型操作システムにおいては、「オーケイ、ビーエムダブリュー」の呼びかけで起動し、例えば、「暑いんだけど」と言えば「温度を1度下げます」などと答える。
今でこそ、多くのメーカーが追随している機能であるものの、着手して実現までこぎつけたのは、実はBMWが最も早かった。今回のシステムでは学習機能を強化した上で、車載AIからドライバーに向けて、より積極的な提案を行うようになるそうだ。それが、インテリジェントパーソナルアシスト。これについてはさらなる詳細情報の発表を待ちたい。
iXのダッシュボードの画像を見る限り、物理的な操作類はほとんど見当たらず、大きなモニタースクリーンがあるだけ。そのスクリーンとヘッドアップディスプレーと、それに音声で、操縦者とドライバーのコミュニケーション(つまり運転にまつわるもろもろの操作)を成立させる。

新世代のiDriveはスマートフォンが何台か入っているようなインターフェイスを持つ
1970年代には、ダッシュボードをドライバーの方に向けて、運転中でもオーディオやエアコンなどの操作をしやすくする「セントラルテーマ」を採用した。エルゴノミクス(人間工学)を重視したデザインをいち早く採用した同社のヘリティッジと、現代の最新デジタル技術が合体しているのだ。
モダンデザインを端的に表現する言葉に、「フォーム・フォローズ・ファンクション」(アメリカ人建築家ルイス・サリバン)というものがある。「形態は機能に従う」と訳される。人間工学の基本となった考えでもある。ところが、だ。新しいBMW i( 「アイ」はBMW傘下の電気自動車のブランド)では「フォーム・フォローズ・エクスペリエンス」が重要だという。
そう語るのは、BMWのヘッド・オブ・デザインを務めるドマゴイ・デュケック氏。フランクフルト出身のクロアチア人であるデュケック氏は、2021年3月9日にBMW WELTというミュンヘンのBMWミュージアムがオンラインで開催した「FUTURE FORUM」に登場。そこでこれからのデザイン傾向として、今回のiXのインテリアを例に出して解説し、そこで、「いま私たちが重要と考えているのは、形態は経験に従う、というものです」と述べた。
モダンデザインを端的に表現する言葉に、「フォーム・フォローズ・ファンクション」(アメリカ人建築家ルイス・サリバン)というものがある。「形態は機能に従う」と訳される。人間工学の基本となった考えでもある。ところが、だ。新しいBMW i( 「アイ」はBMW傘下の電気自動車のブランド)では「フォーム・フォローズ・エクスペリエンス」が重要だという。
そう語るのは、BMWのヘッド・オブ・デザインを務めるドマゴイ・デュケック氏。フランクフルト出身のクロアチア人であるデュケック氏は、2021年3月9日にBMW WELTというミュンヘンのBMWミュージアムがオンラインで開催した「FUTURE FORUM」に登場。そこでこれからのデザイン傾向として、今回のiXのインテリアを例に出して解説し、そこで、「いま私たちが重要と考えているのは、形態は経験に従う、というものです」と述べた。

BMWのヘッドオブデザインを務めるドマゴイ・デュケック氏は、フォルツハイム大学でトランスポーテーションデザインを学んだ
いかにユーザーに、新しい経験を提供できるか、が新しいクルマに求められる機能とBMWでは考えているそうだ。デュケック氏によると、それがデジタル化が進んだ時代のクルマに求められることだという。
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