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公開日: 2019.04.16
アスパラガスやきゅうりをロボットで収穫 RaaSで初期費用を抑えて農場へ
この5月にロボットベンチャーが本格提供を始める収穫ロボット。「RaaS(ロボット・アズ・ア・サービス)」で提供される。収穫ロボットを通じて新しい仕事も生まれる。

農業ロボットベンチャー・inaho(イナホ)が開発中の収穫ロボットを提供開始する。2019年5月にはアスパラガスの収穫に対応したバージョン、7月にはきゅうりの収穫に対応したバージョンのロボットを投入、農家で利用できるようになる。
収穫ロボットはセンサーおよび画像認識技術を活用して、収穫適期の作物を自律的に判断し、アームで収穫する。白線であらかじめ設定した通りのルートを移動するため、いっそうの自動化が可能になっている。
対象とする野菜は、収穫時に人間の目視が必要な「選択収穫」型の野菜である。アスパラガスやきゅうりはその代表で、色や大きさなどを確認しながら適期の野菜を選ぶことが必要だ。inahoは近年発展が著しいAI(人工知能)とロボット技術により、従来人手が必要だったこの収穫作業を自動化できるようにした。
収穫ロボットはセンサーおよび画像認識技術を活用して、収穫適期の作物を自律的に判断し、アームで収穫する。白線であらかじめ設定した通りのルートを移動するため、いっそうの自動化が可能になっている。
対象とする野菜は、収穫時に人間の目視が必要な「選択収穫」型の野菜である。アスパラガスやきゅうりはその代表で、色や大きさなどを確認しながら適期の野菜を選ぶことが必要だ。inahoは近年発展が著しいAI(人工知能)とロボット技術により、従来人手が必要だったこの収穫作業を自動化できるようにした。
75%のアスパラガスをロボットで自動収穫
すでに複数の農家でテスト運用中。アスパラガスについては収穫すべき適期の作物のうち75%を収穫できるという。アスパラガス農家の作業時間のうち、約6割は収穫とそれに付随する作業と言われている。inahoの菱木豊共同創業者兼CEOは、「半分以上の率を占める収穫作業のうち、75%を自動化できるのはインパクトが大きい」と語る。収穫率は将来的には90%以上を目指す。

inahoの菱木豊共同創業者兼CEO(写真提供:inaho)
本格的なサービスインを前に農家にアンケートを実施しており、その結果、約150の農家の9割以上からは収穫ロボットについてポジティブな反応を得たという。菱木氏は農家と対話した感触について、「収穫作業は肉体的なペイン(苦痛)を伴う。これが軽減されることの期待は大きいと感じた」と語る。
「RaaS」モデルで導入しやすく
inahoはロボットの売り切りではなく、導入後の収穫高の15%を課金する、いわばRaaS(ロボット・アズ・ア・サービス)形式を検討している。RaaS形式を採用することで、農家にとっては初期導入費用が抑えられるので導入のハードルが低くなる。またロボットの所有権はinaho側にあるため、リリース後の機能拡張がinaho側の主導で実施しやすくなっている。「機能拡張により性能向上が見込める。その結果農家としても当社としても収益アップが見込める」(菱木氏)。
菱木氏はもともと人工知能の勉強をしており、海外の農業用ロボット、そして農家の友人などの話に着想を得ながら、収穫ロボットの開発に行き着いたという。
農業従事者の数は減少する一方だが、農業施設自体は減っていない。そのため地方では有休状態にあるビニールハウスなどの施設園芸設備を年間20万円などの低額で貸し出すケースもあるという。規模や中身にもよるが、ビニールハウスを用意する場合、2000万円から3000万円はかかるとされている。
「農業従事者は減っても、食料に対する市場のニーズが減るわけではない。この状況を逆に活用することで、新規就農者でも年間700万~800万円、さらには1000万円の利益が確保できる世界に突入している。しかし問題は労働集約的であること。人手で進めている限り限界がある。ここにロボットを適用すれば、農業はもっと『儲かる産業』になる」(菱木氏)。
菱木氏はもともと人工知能の勉強をしており、海外の農業用ロボット、そして農家の友人などの話に着想を得ながら、収穫ロボットの開発に行き着いたという。
農業従事者の数は減少する一方だが、農業施設自体は減っていない。そのため地方では有休状態にあるビニールハウスなどの施設園芸設備を年間20万円などの低額で貸し出すケースもあるという。規模や中身にもよるが、ビニールハウスを用意する場合、2000万円から3000万円はかかるとされている。
「農業従事者は減っても、食料に対する市場のニーズが減るわけではない。この状況を逆に活用することで、新規就農者でも年間700万~800万円、さらには1000万円の利益が確保できる世界に突入している。しかし問題は労働集約的であること。人手で進めている限り限界がある。ここにロボットを適用すれば、農業はもっと『儲かる産業』になる」(菱木氏)。
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