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公開日: 2022.03.29
クルマもネットで買う時代 ヒョンデやBMW、テスラなど各社のオンライン販売の戦略を追う
自動車の世界では、今、ゆるやかだけれども確実に、販売方法がデジタル化されている。オンライン販売を重視するブランドが増えているのだ。中には、最初から実店舗(ディーラー)を持たないメーカーまで出現。時代が変わってきている。

最新の大きな動きは、2022年2月に日本(再)上陸を発表した、韓国のリーディングメーカー「ヒョンデ(現代自動車)」だ。かつて「冬ソナ」ブームの際に超人気俳優ぺ・ヨンジュンを起用してセダン「ソナタ」を日本で売り出したことで、ある程度の知名度は確保したものの、2009年に撤退したという経緯がある。
その後、ヒョンデはさらに大きく成長。世界第4位あるいは第5位辺りに常にランクされるセールスを誇り、ピュア電気自動車や水素でモーターを回す燃料電池車など、新しい技術で頭角を現してきた。そして今回、改めて日本市場へと進出する。
「”韓国車なんて(日本車に勝てない)”と言われたのは、過去の話だと思っています。日本にまず導入する電気自動車IONIQ5(アイオニックファイブ)や燃料電池車NEXO(ネッソ)といったZEVに乗ってもらえれば、良さが分かってもらえるはずです」
今回の再上陸に当たって作られたヒョンデ・モビリティ・ジャパンでマネージングダイレクターを務める加藤成昭氏は、そう語ってくれる。たしかに、驚くほど快適に走るし、広々としたインテリアのコンセプトは斬新だし、デジタル技術の活用も意欲的。日本のメーカーはうかうかしていられない、という意見まで出ている。
ヒョンデ・モビリティ・ジャパンでは、日本市場で足場を築くには、韓国製品にネガティブなイメージを少しでも持っていない層へのアピールから始めたい、とする。そこで、スマートフォンで知られるサムスンや、家電を手がけるLG、あるいはBTS(ヒョンデは彼らのグローバルスポンサー)などを好み、韓国をポジティブに捉えている若めの層をターゲットに、その人たちが馴染みのあるオンラインで商品を購買できるようにしようというのだ。
その後、ヒョンデはさらに大きく成長。世界第4位あるいは第5位辺りに常にランクされるセールスを誇り、ピュア電気自動車や水素でモーターを回す燃料電池車など、新しい技術で頭角を現してきた。そして今回、改めて日本市場へと進出する。
「”韓国車なんて(日本車に勝てない)”と言われたのは、過去の話だと思っています。日本にまず導入する電気自動車IONIQ5(アイオニックファイブ)や燃料電池車NEXO(ネッソ)といったZEVに乗ってもらえれば、良さが分かってもらえるはずです」
今回の再上陸に当たって作られたヒョンデ・モビリティ・ジャパンでマネージングダイレクターを務める加藤成昭氏は、そう語ってくれる。たしかに、驚くほど快適に走るし、広々としたインテリアのコンセプトは斬新だし、デジタル技術の活用も意欲的。日本のメーカーはうかうかしていられない、という意見まで出ている。
ヒョンデ・モビリティ・ジャパンでは、日本市場で足場を築くには、韓国製品にネガティブなイメージを少しでも持っていない層へのアピールから始めたい、とする。そこで、スマートフォンで知られるサムスンや、家電を手がけるLG、あるいはBTS(ヒョンデは彼らのグローバルスポンサー)などを好み、韓国をポジティブに捉えている若めの層をターゲットに、その人たちが馴染みのあるオンラインで商品を購買できるようにしようというのだ。

ヒョンデ・モビリティ・ジャパンも22年5月を目指してオンライン販売のサイトを準備中(写真はIONIQ5)

ヒョンデ・モビリティ・ジャパンもオンラインで仕様を決めて成約までつなげていくという
かつて、BMWグループジャパンは、Amazonで車両を販売したことがある。2015年にEVのi3、18年にコンパクトサイズSAV(スポーツアクティビティビークル)を謳うX2を販売。大きな話題を呼んだ。
「i3は、全く新しいジャンルのクルマであり、X2は若い方をターゲットにしたクルマでした。ゆえに、トラディショナルな販売方法だけではなく、新しい販売方法によるアプローチをしました」
同社の広報担当者は上記のように説明する。この試みは社内で評価され、その後オンラインストアの開設につながったそうだ。現在、オンラインストアの運営に力が入っており、「少しずつ認知され、(販売件数が)増えてきました」という。さらに今後、「台数の少ない限定車を、オンラインのみで販売していこうと考えています」というぐらい積極的だ。
「i3は、全く新しいジャンルのクルマであり、X2は若い方をターゲットにしたクルマでした。ゆえに、トラディショナルな販売方法だけではなく、新しい販売方法によるアプローチをしました」
同社の広報担当者は上記のように説明する。この試みは社内で評価され、その後オンラインストアの開設につながったそうだ。現在、オンラインストアの運営に力が入っており、「少しずつ認知され、(販売件数が)増えてきました」という。さらに今後、「台数の少ない限定車を、オンラインのみで販売していこうと考えています」というぐらい積極的だ。

BMWではオンライン販売を積極的に行うという
日本でオンライン販売に特化してきたのは、米国のテスラだ。「スマートフォンから1分でテスラを買うことができる」という本国のフレーズは有名だ。日本では、モデルSを導入した2014年からオンラインを中心に販売を展開。2019年のモデルXから「コンテンツを充実」させ、スマートフォン上でのオンライン販売を強化してきた。
テスラの特徴は(販売店を持たないため)購買の成約へと至るプロセスが一貫してオンラインで完了できるところ。米国と日本で、オンライン上での成約率は「半数以上」と広報担当者は明かしてくれた。
テスラの特徴は(販売店を持たないため)購買の成約へと至るプロセスが一貫してオンラインで完了できるところ。米国と日本で、オンライン上での成約率は「半数以上」と広報担当者は明かしてくれた。
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