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公開日: 2022.06.16
フィンテックの展望 コロナで爆発した個人向け金融サービスの多様化、そしてさらなるイノベーションへ
キャッシュレス化の波に乗って、「金融(Finance)」と「技術(Technology)」を組み合わせた「フィンテック(FinTech)」が拡大してきている。仮想通貨をはじめ、革新的なサービスや事業は私たちの生活にどんな変化をもたらすのか。日本のフィンテックシーンのトレンドと注目事例を紹介したい。

【画像】Shutterstock
フィンテックがもたらす変化とは

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まずは企業とユーザー、それぞれのメリットを見てみたい。
例えば金融機関におけるフィンテック導入の場合、まず業務の自動化により、人的、時間的コストの削減、そして生産性の向上が見込まれる。競合他社との差別化により顧客の囲い込みを期待できる点も重要なメリットだ。
金融機関に革新的なサービスが展開されれば、ユーザー側も選択肢が増えるというメリットがある。また窓口のリモート化が実現すればわざわざ店舗に出向く時間が不要となる。そしてサービスによっては手数料の削減、もしくは無料化の恩恵を受けることになるだろう。
では具体的にどんなトレンドが起きているのか、3つの分野を見ていきたい。
例えば金融機関におけるフィンテック導入の場合、まず業務の自動化により、人的、時間的コストの削減、そして生産性の向上が見込まれる。競合他社との差別化により顧客の囲い込みを期待できる点も重要なメリットだ。
金融機関に革新的なサービスが展開されれば、ユーザー側も選択肢が増えるというメリットがある。また窓口のリモート化が実現すればわざわざ店舗に出向く時間が不要となる。そしてサービスによっては手数料の削減、もしくは無料化の恩恵を受けることになるだろう。
では具体的にどんなトレンドが起きているのか、3つの分野を見ていきたい。
(1)組み込み型金融
フィンテックの新たな潮流として注目されているのが「組み込み型金融」だ。一言で表すと「金融以外の事業を展開する企業が、自社サービスに金融サービスを組み込んで提供すること」である。
組み込み型金融と、異業種から金融業に参入したセブン銀行やローソン銀行との違いは「銀行免許を保有しているか否か」だ。組み込み型金融を利用したサービス提供に銀行免許は不要。既存の銀行が提供する情報を自社サービスに組み込んでいるのである。ここで活用されるのが「API」という情報技術だ。
APIは異なるシステム間でデータをやり取りするための技術仕様だ。組み込み型金融では、フィンテック企業は銀行から提供されたAPIなどを用いてサービスを提供する。ユーザーがフィンテック企業のアプリなどを通して行った残高照会や送金などの指示に基づき、銀行口座が操作される仕組みだ。
実例として『ヤマダNEOBANK』を見てみたい。ヤマダNEOBANKは、ヤマダホールディングス傘下のヤマダファイナンスサービスが住信SBIネット銀行の組み込み型金融「提携NEOBANKサービス」を組み込んだサービスで、ヤマダデジタル会員向けに銀行業務を提供する。ユーザーはアプリ1つでヤマダデンキでの買い物以外に、入金や出金、振り込み、そして住宅ローンなども申請可能。つまり生活に関わるお金のことがワンストップで解決でき、さらにヤマダポイントも貯まるという仕組みだ。
組み込み型金融の導入により、自社で銀行免許を取得して金融業に参入することに比べれば遥かに低コストでセキュリティーの高い銀行レベルのサービス提供が可能になる。その上、企業は顧客の囲い込みが期待できる。
同様のフィンテックが保険分野でも起きている。保険分野におけるフィンテックを「インシュアテック(保険:Insurance×テクノロジー:Technology)」と呼ぶが、保険スタートアップの『justInCase(ジャストインケース)』は、共通ポイントサービス『Ponta』を運営するロイヤリティマーケティングと提携、少額短期保険サービスを展開している。保険料をPontaポイントで支払った場合、ユーザーはポイント還元を受けることができる。公式サイトによると「ポイント加算はPontaポイントによる募集経費の削減効果等をPonta会員に還元する制度」であり、まさに情報技術によるコスト削減が目に見えた形だと言える。
組み込み型金融と、異業種から金融業に参入したセブン銀行やローソン銀行との違いは「銀行免許を保有しているか否か」だ。組み込み型金融を利用したサービス提供に銀行免許は不要。既存の銀行が提供する情報を自社サービスに組み込んでいるのである。ここで活用されるのが「API」という情報技術だ。
APIは異なるシステム間でデータをやり取りするための技術仕様だ。組み込み型金融では、フィンテック企業は銀行から提供されたAPIなどを用いてサービスを提供する。ユーザーがフィンテック企業のアプリなどを通して行った残高照会や送金などの指示に基づき、銀行口座が操作される仕組みだ。
実例として『ヤマダNEOBANK』を見てみたい。ヤマダNEOBANKは、ヤマダホールディングス傘下のヤマダファイナンスサービスが住信SBIネット銀行の組み込み型金融「提携NEOBANKサービス」を組み込んだサービスで、ヤマダデジタル会員向けに銀行業務を提供する。ユーザーはアプリ1つでヤマダデンキでの買い物以外に、入金や出金、振り込み、そして住宅ローンなども申請可能。つまり生活に関わるお金のことがワンストップで解決でき、さらにヤマダポイントも貯まるという仕組みだ。
組み込み型金融の導入により、自社で銀行免許を取得して金融業に参入することに比べれば遥かに低コストでセキュリティーの高い銀行レベルのサービス提供が可能になる。その上、企業は顧客の囲い込みが期待できる。
同様のフィンテックが保険分野でも起きている。保険分野におけるフィンテックを「インシュアテック(保険:Insurance×テクノロジー:Technology)」と呼ぶが、保険スタートアップの『justInCase(ジャストインケース)』は、共通ポイントサービス『Ponta』を運営するロイヤリティマーケティングと提携、少額短期保険サービスを展開している。保険料をPontaポイントで支払った場合、ユーザーはポイント還元を受けることができる。公式サイトによると「ポイント加算はPontaポイントによる募集経費の削減効果等をPonta会員に還元する制度」であり、まさに情報技術によるコスト削減が目に見えた形だと言える。
【参考】Pontaかんたん保険
(2)貨幣の多様化

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フィンテックによる貨幣の多様化も止まらない。特に急速に活発化した分野がブロックチェーンを基盤技術とする仮想通貨だ。
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