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公開日: 2021.08.23
「ソフトウエアサービスの会社になる」フォルクスワーゲンCEOが語る、攻めのオンライン戦略
ソフトウエアの開発に比重を置くことを発表したフォルクスワーゲン。その狙いとは。

新たな価値創造と市場での競争に勝つために、「ソフトウエアの開発こそが基本」、そう発表したのは、ドイツのフォルクスワーゲン本社だ。
同社は、2021年6月にオンラインで「Software Offensive」(ソフトウエア攻勢といった意)なる記者発表を実施。そこで、社内にテックカンパニーまで組織し、ソフトウエア開発を積極的に、かつ迅速に行って、クルマづくりに変革を起こしていくことを明らかにした。
日本では2021年6月15日に、東京都内の会場と、同時にオンライン中継を使い、大々的に新世代の8代目「フォルクスワーゲン・ゴルフ」を発表したフォルクスワーゲン(以下VW)。
同社は、2021年6月にオンラインで「Software Offensive」(ソフトウエア攻勢といった意)なる記者発表を実施。そこで、社内にテックカンパニーまで組織し、ソフトウエア開発を積極的に、かつ迅速に行って、クルマづくりに変革を起こしていくことを明らかにした。
日本では2021年6月15日に、東京都内の会場と、同時にオンライン中継を使い、大々的に新世代の8代目「フォルクスワーゲン・ゴルフ」を発表したフォルクスワーゲン(以下VW)。

マイルドハイブリッド化とともにエンジンがダウンサイジングされたゴルフ8
このゴルフ8でも、10インチ液晶モニターを2基備えた上、10年間無償の通信ソフトウエア「We Connect」など、デジタル技術とコネクト技術を大々的に採用したのが注目的だ。

ゴルフ8 には10インチのモニターが標準で備わり、コネクティビティーが高められている
本国では、ゴルフ8とタイミングをほぼ同じくして、ピュアEVの「ID.(アイディー)」シリーズが走り出している。ハッチバックタイプのID.3、SUVのID.4 、さらにスポーティーに仕立てたID.4GTXと、ラインナップは速いペースで拡充中だ。日本にも22年以降導入計画を進めていると日本法人ではする。
VWが現時点で提供するソフトウエアにまつわるサービスは、「Volkswagen We」と総称されるもの。ベルリンなどで始まったカーシェア「We Share」は専用の電気自動車を使い、スマートフォンを介してサービスが提供される。
VWが現時点で提供するソフトウエアにまつわるサービスは、「Volkswagen We」と総称されるもの。ベルリンなどで始まったカーシェア「We Share」は専用の電気自動車を使い、スマートフォンを介してサービスが提供される。

交通規制などのリアルタイム情報も、同じ道を走る車両からの情報を統合して提供されるイメージ図
新型コロナウイルス感染症の影響でしばらく足踏み状態だったものの、「これからはイタリアやスペインでも展開します」とオンラインで登場した担当者は話していた。
「We Charge」はドイツを中心に欧州各地で展開する電気自動車の充電ネットワークサービスだ。20万基におよぶ充電器を使い、支払いはスマートフォンで済ませるなど、こちらも使いやすさを念頭に置いたソフトウエアをセリングポイントにしている。
「魅力あるハードウエアと、通信システムなどと合体したインテリジェントなソフトウエアを、VW車を特徴づける2本の柱としていきます」。オンラインで登場したマーケティング担当取締役クラウス・ツェルマー氏は語っている。
ソフトウエアというと、現在は、通信によって車両の性能を司るコンピューターをアップデートする「Over The Air(オーバージエア)」が取り沙汰される。日本のメーカーもその重要性を口にする。
とりわけVWでは、ID.シリーズに「ICAS(In-Car Application Server)」と名づけた高性能コンピューターを搭載。オーバージエアによる車両のファームウエアアップデートがより効率的に行われ、性能アップやバグの除去などが、ユーザーが寝ている間に行われるそうだ。
同時にVWのオンライン戦略はそこに留まっていない。そう言うのは、同時にオンラインで姿を見せた技術開発担当取締役のトマス・ウルブリッヒ氏だ。
「We Charge」はドイツを中心に欧州各地で展開する電気自動車の充電ネットワークサービスだ。20万基におよぶ充電器を使い、支払いはスマートフォンで済ませるなど、こちらも使いやすさを念頭に置いたソフトウエアをセリングポイントにしている。
「魅力あるハードウエアと、通信システムなどと合体したインテリジェントなソフトウエアを、VW車を特徴づける2本の柱としていきます」。オンラインで登場したマーケティング担当取締役クラウス・ツェルマー氏は語っている。
ソフトウエアというと、現在は、通信によって車両の性能を司るコンピューターをアップデートする「Over The Air(オーバージエア)」が取り沙汰される。日本のメーカーもその重要性を口にする。
とりわけVWでは、ID.シリーズに「ICAS(In-Car Application Server)」と名づけた高性能コンピューターを搭載。オーバージエアによる車両のファームウエアアップデートがより効率的に行われ、性能アップやバグの除去などが、ユーザーが寝ている間に行われるそうだ。
同時にVWのオンライン戦略はそこに留まっていない。そう言うのは、同時にオンラインで姿を見せた技術開発担当取締役のトマス・ウルブリッヒ氏だ。

オンライン中継のウルブリッヒ氏(右)とツェルマー氏(中央)
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