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Business 公開日: 2019.07.31

【若田光一が対談、宇宙開発の現状】 2020年代には、水星から木星までJAXA発の探査機が並ぶ

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JAXAの組織である宇宙科学研究所長の國中均氏と対談。「はやぶさ」の成功が意味は何か。そして、 日本宇宙開発の現状は?

前編からのつづき)

 地球近傍軌道(地球低軌道)を民間企業や、研究機関が使うことで、何ができるのか。どのようなイノベーションにつながるのか。宇宙航空研究開発機構(JAXA)理事・有人宇宙技術部門長で、宇宙飛行士の若田光一氏が、外部識者たちとの対談で探る。

 今回はその第5弾。JAXAの理事であり、最先端技術の研究開発を行う宇宙科学研究所の所長でもある國中均氏と、「はやぶさ」が果たした役割や、JAXAが民間企業と進めている協業プログラムについて議論した。これまでの宇宙開発について聞いた前編につづき、後編ではこれからの日本の宇宙開発について聞いた。聞き手は本誌。

宇宙で使える民間企業の技術をJAXAが目利き

國中さんは、「はやぶさ2」を打ち上げた年にその現場を離れ、宇宙探査イノベーションハブというプロジェクトのハブ長の任に就きましたね。宇宙探査イノベーションハブとは、どのような役割を持っているのでしょうか。

國中 これまでの宇宙開発とは、ちょっと距離を置いた活動です。将来、JAXAも国際宇宙探査に向けて、いろいろな技術を持っておきたい。特に、月や火星のように重力のある環境で動く、生活することを考えると、ゼロから開発するのではなく、既に地上用に開発した技術を利用することを考えた方がいい。

 JAXAの目から見て、民間企業には、宇宙で役立ちそうな技術を持っているところがいろいろとあります。そこで、JAXAと民間企業で議論をして、互いに協力できる部分を探し出して共通項を一緒に開発する。それが宇宙探査イノベーションハブです。

 そうやってできあがった技術は、すべて民間企業に渡します。これは地上で利用するものですね。その代わり、JAXAはそれらの技術を月や火星で使わせてもらいます。つまり、10年先になるかもしれませんが、その時にはJAXAが宇宙用に発注するので、それまでは地上での利活用によって収益を出し、技術蓄積をしておいてくださいという取り組みです。

 日本中の企業を駆け回って、宇宙で使いたい技術を説明しましたが、民間企業も自分が持っている技術が宇宙で使えるとは思っていません。だから、たくさん対話することが重要で、「こんな技術を持っているのですね。これは私たちがやりたいことと重なります」などと提案して、一緒に研究開発をします。

これまでにどのような取り組みの例があるのですか。

國中 例えば、世界でトップシェアを誇る、漁船用のマリンレーダー(船舶位置把握等のレーダー)を製造しているメーカーが日本にあります。現在、そのメーカーで製造しているマリンレーダーには、電波を発射するためのデバイスにマグネトロンというレガシーな技術が使われていますが、電波の周波数が広いためノイズが沢山出るという課題があります。携帯電話等の普及で電波が混雑してきているため、それを、半導体素子に置き換えて電波を発射するようにすれば、狭い帯域でも性能を安定させることが出来ます。ただし、半導体素子はマグネトロンよりも製造コストがかかります。
 そこで、私たちが持っている半導体製造技術を使って、マリンレーダーで使える半導体素子を共同で開発することにしました。そのメーカーは、半導体を利用することで周波数が安定し、寿命も伸びたマリンレーダーが製品化できる。一方、私たちはそのマリンレーダーを「はやぶさ2」のカプセル回収の際に使いたいと思っています。

 「はやぶさ2」は大気圏突入後、レーダー反射材が塗ってあるパラシュートを開いて落ちてくるので、天気が悪くても、このレーダーで見つけられます。この民間企業と共同開発したマリンレーダーは、もうすぐマーケットインされます。

 他にも、将来惑星に行って水があるかないかを調べるための、僅かな水を見つけることが出来る高感度な分析装置があります。その装置は、食材の分析に使えます。例えば、野菜などでも水の組成比を調べると、どこで作られたのかが分かるらしいのです。そういうサービスをやりたいと考えている民間企業があって、そこと一緒に、水分分析装置を作ろうとしています。

民間企業との協働で開発した技術やノウハウが一回りして、さらに日本の宇宙開発に貢献することもありそうですね。

國中 当然、それもあります。鹿島建設との協働の事例を紹介しましょう。今、建設の現場は人手不足で、オペレーターが1人でたくさんの建機を自動運転できるようにしたいと考えています。一方、私たちは月や火星の基地を、地球からリモートコントロールで建設したいと思っています。そこで、自動建設や建機の自動運転、1人のオペレーターによる複数のオペレーション技術を協働で開発し、鹿島建設は地球上で活用し、私たちは宇宙で使うという研究を進めています。

 その際に難しいのは、地球と宇宙で通信にタイムラグが発生することです。月との通信は、往復で2、3秒かかります。とはいえ、地球上でも、回線が細かったり通信対象が地球の裏側だったりすると、そのくらいのタイムラグが出てもおかしくはありません。

 そういった共通課題が解決できれば、日本が困っている人手不足の問題を解決できるし、JAXAとしても月や惑星での施設建設にも生かせます。1人で複数の建機を動かせるようなエキスパートが育成できれば、その人を筑波の宇宙センターに通わせて、地球から月や火星で施設を建設でき、宇宙開発に貢献することにもなるのです。

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