Business
公開日: 2019.02.27
デジタル遅れの業界に商機あり、「業界クラウド」の拡大
業界クラウドの仕掛け人が語る、デジタル化が途上の「現場」の実態

クラウド上のサービスを業界ごとに共同利用するための基盤を「インダストリークラウド」あるいは「業界クラウド」と呼ぶ。2019年2月に開催されたB2B Summit 2019(DNX Ventures主催)のパネルディスカッションでは、それぞれ建設業界、薬局業界向けのクラウドサービスを提供するオクト、カケハシの2社が登壇。デジタル化による業務改善が進んでいない業界で、インダストリークラウドによってデジタル化が加速する様子について話した。

今回登壇したオクト代表取締役の稲田武夫氏、カケハシ代表取締役CEOの中尾豊氏の眼からは、それぞれの業界の弱点が鮮明に見えていたようだ。オクトの稲田氏には、建設業界が「業界規模が大きく、ITに弱い」という印象を受けたという。しかも、就業者の減少が著しく、高齢化も深刻だ。人手不足が今後ますますクローズアップされるのは間違いなく、効率化が求められると感じたのである。作業現場をみると、監督者が配下の作業者をマネジメントするという点ではITのシステム開発に似ているのだが、ITでは当たり前のプロジェクト管理ツールが入っておらず、生産性改善の余地があった。
カケハシの中尾氏は武田薬品工業の出身で、MR(医薬情報担当者)の経験から、医療従事者と患者との情報格差を実感したという。また、薬局については中長期的にコモデティ化していく方向にあることも強く感じた。サービスが標準化され、特殊な技能や資格がなくても「誰でも」薬を提供できるようになる可能性がある。そのような業態になると、仮に大手ECサイト運営者が参入すれば、既存の薬局は一気に破滅的な状況に追い込まれるかもしれないと考え、薬局側の立場に立って「先に仕掛ける」という道を選んだ。まずは薬局を訪れる患者の体験を良くすることを目標と定め、400人くらいを対象に改善ポイントを探っていったという。
カケハシの中尾氏は武田薬品工業の出身で、MR(医薬情報担当者)の経験から、医療従事者と患者との情報格差を実感したという。また、薬局については中長期的にコモデティ化していく方向にあることも強く感じた。サービスが標準化され、特殊な技能や資格がなくても「誰でも」薬を提供できるようになる可能性がある。そのような業態になると、仮に大手ECサイト運営者が参入すれば、既存の薬局は一気に破滅的な状況に追い込まれるかもしれないと考え、薬局側の立場に立って「先に仕掛ける」という道を選んだ。まずは薬局を訪れる患者の体験を良くすることを目標と定め、400人くらいを対象に改善ポイントを探っていったという。
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