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公開日: 2018.11.19
キーワードは「スピード」「シティ」「オープンソース」、アディダスの戦略
アディダスが世界5都市でイベント「SPEEDFACTORY」を展開。その真意と、その背景にある同社のデジタル戦略について聞いた。
ロンドン、パリ、ニューヨーク、ロサンゼルス、上海、そして東京。独アディダスは、最新のシューズ製造を体験できるイベント「SPEEDFACTORY」を各地で開催した。その最後を飾ったのが、2018年9月21日(金)~23日(日)、東京・外苑前での「SPEEDFACTORY TOKYO」だ。
SPEEDFACTORYとは、アディダスが2017年にドイツ・アンスバッハと米国・アトランタに設置した製造工場を指す。最先端の3Dプリンターやコンピュータ編機、ロボットカッティングマシンなどのデジタル機器を設置してある。そこで初めて生産された高性能ランニングシューズ「AM4(adidas made for)シリーズ」の発売を記念し、工場内で使用する最新のデータキャプチャリングなどを、抽選に当選したユーザーが体験できるといった催し物だ。
SPEEDFACTORYとは、アディダスが2017年にドイツ・アンスバッハと米国・アトランタに設置した製造工場を指す。最先端の3Dプリンターやコンピュータ編機、ロボットカッティングマシンなどのデジタル機器を設置してある。そこで初めて生産された高性能ランニングシューズ「AM4(adidas made for)シリーズ」の発売を記念し、工場内で使用する最新のデータキャプチャリングなどを、抽選に当選したユーザーが体験できるといった催し物だ。
AM4シリーズの発売記念というタイミングを捉えてはいるものの、SPEEDFACTORYイベントの目的は、単なる製品のお披露目ではない。では、アディダスは何を目指してイベントを開催したのか。東京でのプロジェクトを率いた、アディダス ジャパン アクティベーションディレクターのヴァンデン ハーク レオニー氏に聞いた。そこからは、同社のデジタル技術を活用したビジネス戦略が見えてくる。
SPEEDFACTORYの体験イベント開催の目的は何ですか?
一番の目的は、弊社の重要なプロダクトの一つであるシューズの製造工場「SPEEDFACTORY」とは何かを、きちんとした形で世界のお客様に見せることです。
「SPEEDFACTORY TOKYO」では、参加者に提供する体験について「スピード」「イノベーション」「共創」という3つのコンセプトを掲げました。この3つは、将来、ニーズに合ったシューズをお客様と一緒に、かつスピーディーに作り上げることを目標に掲げる私たちにとって、大事なキーワードになります。
この3つを体験をしてもらうには、本当は最新のマシンを設置してあるドイツや米国の工場にお連れするのが一番いいのですが、さすがにそれはできません。そこで、工場で使っている機械をもっと面白く、そして消費者向けにカスタマイズした「ファンバージョン」を作って、それを移動式コンテナに乗せて東京に持ってきました。
例えば工場には、アスリートの骨格を検知・認識してあらゆる動作を計測し、そのデータをウエアなどの商品開発に生かす「アラミス」というハイテク機械があります。そのファンバージョンとして、イベントでは「キネクトウォール」を紹介しました。複数のモーションセンサーを連動させて、骨格の動きを捉える仕組みで、来場者がモニターの前に立つと、キネクトウォールで捉えた骨格が点や線で表示される仕組みになっています。隣のモニターの前に移動すると、データの解釈を表示するほか、点や線だけのビジュアルからだんだん人間らしい立体的なビジュアルに変化する映像を表示しました。
「SPEEDFACTORY TOKYO」では、参加者に提供する体験について「スピード」「イノベーション」「共創」という3つのコンセプトを掲げました。この3つは、将来、ニーズに合ったシューズをお客様と一緒に、かつスピーディーに作り上げることを目標に掲げる私たちにとって、大事なキーワードになります。
この3つを体験をしてもらうには、本当は最新のマシンを設置してあるドイツや米国の工場にお連れするのが一番いいのですが、さすがにそれはできません。そこで、工場で使っている機械をもっと面白く、そして消費者向けにカスタマイズした「ファンバージョン」を作って、それを移動式コンテナに乗せて東京に持ってきました。
例えば工場には、アスリートの骨格を検知・認識してあらゆる動作を計測し、そのデータをウエアなどの商品開発に生かす「アラミス」というハイテク機械があります。そのファンバージョンとして、イベントでは「キネクトウォール」を紹介しました。複数のモーションセンサーを連動させて、骨格の動きを捉える仕組みで、来場者がモニターの前に立つと、キネクトウォールで捉えた骨格が点や線で表示される仕組みになっています。隣のモニターの前に移動すると、データの解釈を表示するほか、点や線だけのビジュアルからだんだん人間らしい立体的なビジュアルに変化する映像を表示しました。
実際に研究開発チームが使っているデジタル機器もあります。一つは、トップアスリートのフォームなどをデータで確認できる「ランテスト」です。ランニングマシンのトレッドミルの上を走ると、キネクトセンサーが働いて、設置されたスクリーンに、速度や骨格の動き、ピッチを表示します。イベントでは、テストランが終了した数分後には、それぞれのランニングの動画がイベント用アプリ(イベントの前にスマホにダウンロードしていただいた専用アプリ)に送付されるようにしました。そこで、腕の振り方や膝の向きといった自身のランニングフォームをすぐに確認できます。
もう一つは、「フットスキャン」です。透明なガラス台の上に片方の足を乗せると、足の形状、重心の位置などを複数のレーザーで読み取り、寸法や計測データをシステムに送信します。こうしたデジタル計測によって、正確な3Dモデルのシューズを作成できます。
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