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Business 公開日: 2019.04.23

「“健康のデザイン”を支援したい」――医療系AI分析とオンライン診療のMICINの目線

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オンライン診療で業績を伸ばすMICIN。並行して、人工知能(AI)を使った疾患分析なども手がける。目指しているのは罹患を避けられる「健康のデザイン」のための環境づくりだ。

 医療・ヘルスケアベンチャーで現役医師の起業が相次いでいる。多くに共通するのは、テクノロジーを活用することで、より患者に近い場所で役立つサービスを提供したいという想いだ。オンライン診療サービス「curon(クロン)」で台頭してきたMICINもそんなプレーヤーの1社である。明確なビジョンを掲げ、オンライン診療にとどまらない、幅広いサービス提供を目指している。

各種疾患の傾向と患者の状況をAIで分析、医師の判断の助けに

 今から40年と少し前、米スタンフォード大学でエキスパートシステム「Mycin」が開発された。エキスパートシステムとは人工知能(AI)の研究から生まれたもので、専門家の意思決定能力をシミュレートするように設計されている。これによりMycinはAIを用いた感染症診断支援システムとして脚光を浴びた。

 ただ当時は、Mycinは現場に根付かなかった。理由は、「AIが下した判断が間違っていた場合、誰が責任を取るのか」という問いに答えを出せなかったためだ。それから長い年月を経て、AIを医療やヘルスケアに活用しようという動きが加速してきた。背景にあるのは、診断支援や画像認識、データ解析の信頼性が高まってきたことと、医師や医療従事者のテクノロジーに対する受け取め方がポジティブになってきたことである。

 2015年に創業した医療ベンチャーのMICIN(旧社名:情報医療)は、Mycinへのオマージュから社名をつけた。事業の柱は、AIによる医療データソリューション提供とオンライン診療サービス「curon(クロン)」の2つ。MICIN の原 聖吾CEOは「これから、医療やヘルスケアの領域で、これからもっと価値を出せる時代になっていく」と話す。
MICINの原 聖吾CEO
データソリューションの例は、脳梗塞につながる因子を特定する研究(東京女子医科大学との共同研究)、産後うつの早期発見と支援策の研究(名古屋大学との共同研究)、大腸がん手術の動画解析(国立がん研究センター東病院など。扱う疾患の種類は実に広い。

 一見バラバラなこれらの研究に共通するのはMICINのAIである。脳梗塞の事例では、約1500人の軽症脳梗塞患者の画像をAIで分析し、脳梗塞の要因を探るアルゴリズムを開発している。産後うつ、大腸がんにも同様にAI解析を用いる。AI活用の目的を、原CEOはこう話す。

 「我々が注力しているのは、疾患の傾向を予測したり、どこで介入したらよいかの判断材料を得たりする部分です。例えば、妊産婦の死因のトップは自殺とされていて、産後うつはそれと大きな関係があります。症状を予測し、早めに介入できれば、十分救える余地があるわけです。

 ただ、妊産婦を診ているのは基本的に産科の医師であって、精神科の専門ではありません。少し様子がおかしいと感じても、そのときどうすればよいか判断に迷うことは珍しくありません。そんなとき、『リスクが高まっている』というアラートがあれば、専門外でも『すぐに精神科の受診を促したほうがいい』といった判断が可能になります。そこでAIによる解析が役立ちます。患者の症状に応じて、どのタイミングでどのように介入していくべきか、医師がそのヒントを得られるようにしたいと考えています」

 これらの事例はNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)やAMED(日本医療研究開発機構)の事業に採択された公的なプロジェクトだが、MICINは民間企業との協業にも積極的な姿勢を見せる。東京海上ホールディングス、NTTデータとは共同で、AIを活用した「社員の休職リスクを予測する技術」を開発。健康経営に継続的に取り組むうえで必要な、定量的な指標を創出し、対処すべき健康リスクの把握に役立てていくという。
東京海上ホールディングス、NTTデータと共同で健康経営の実現に向けて取り組む

予約受付、診察、決済までの仕組みを医療機関向けに一括提供

もう一つの事業の柱であるcuronは、オンライン診療を手がけたいクリニックとその利用者に向けたサービスで、2016年に開始した。予約、診察などオンラインでの診察に必要な機能を提供する。2019年3月時点で全国約1100件の施設で導入実績がある。

 特徴はワンストップのサービス体系や操作の簡便性にある。医師はタブレットやPC、患者は主にスマートフォン(スマホ)といった汎用的な機器を活用。予約受け付け、診察前の問診、ビデオ通話による診察、決済、処方箋の発行、薬の配送までを一元的に提供する。クリニック側の初期費用・月額固定費用を無料とすることで、飛躍的に導入件数を伸ばしてきた。

 「オンライン診療は新しい事業モデルですから、これからどの程度利用されるかは未知数です。2018年の診療報酬改定でオンライン診療に点数がつくようになったとはいえ、現状では点数は低く、月額モデルでは医療機関にとっての負担は小さくありません。私たちは“真に役立ち、利用されること”を重視して、どんどん使ってもらえるよう、導入費用を徴収しないことにしました。まず利便性を理解してもらって、オンライン診療を普及させたいという想いです」(原CEO)

 その結果、医療機関からも信頼を得られるようになってきた。ともにオンライン診療を切り開いていくパートナーとして考えてくれる医師も多く、それらの医師からの紹介案件も多くあります。
curonの利用イメージ
 実際のユースケースとしては、スマホやITに慣れ親しむ情報リテラシーの高い世代が多いようだ。平日の仕事の合間に遠隔から診療を受けられるのは、働き盛りの人々にとっては心強い。件数は多くはないものの、離島、へき地からの利用もある。通院自体が困難な場所に暮らす患者にとっては、オンライン診療による定期的な医師のフォローは気持ちの支えになる。

 スマホで診療を受けられるという患者の認識が高まり、市場が大きくなれば、医師の意識も変化していくはずだ。「オンライン診療は、今後も一層の成長を期待できる領域。他社とも共闘しながら、環境をもっと改善できるよう、貪欲に行政に働きかけていきたい」と原氏。5年前にはサービスとして成立することすら難しかったオンライン診療が現実のものとなったように、さらに5年後には違った景色が広がっているに違いない。

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