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Business 公開日: 2019.03.25

フードロス削減にAIを活用、「念のため廃棄」を減らそう

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食品加工ビジネスでも進むAI活用。生産の効率化やムダの削減に加え、社会問題であるフードロスへの対策に、AIがどのように貢献するのか。

※ 上の写真はニチレイフーズの冷凍食品「お弁当にGood! からあげチキン」の製造風景。からあげが縦向きになったり重なり合っていたりすると、X線の検査画像に濃淡が映り、硬骨との区別がつきにくい。(画像提供:ニチレイフーズ)
 食品の安全と品質管理において、わずかな可能性のためにやむを得ず「廃棄」という選択をしている場面を私たちは日常的に見ている。例えば、数ミリの金属片が混入した可能性があるために、数十万個におよぶ商品を回収して廃棄したり、食中毒の可能性を排除するために消費期限を1分でも過ぎると無条件に廃棄したりといった具合である。このような食品廃棄(フードロス)は商品の出荷後に限った話ではなく、製造段階でも相当な量が廃棄されている。今、世界的に大きな問題となっている課題の一つだ。

 このフードロス対策として、ニチレイフーズは、鶏肉加工品製造ラインにAI(人工知能)による検査を取り入れようとしている。具体的には、AIを活用したX線検査装置を導入した。包装前段階の鶏肉加工品に「硬骨」が混入していないか、AIで選別する。鶏肉加工品の廃棄量を50%削減できるという。

 ニチレイフーズはこれまでも、包装前段階の鶏肉加工品をX線で検査していた。ただ、商品は不定形で、さまざまな方向を向いており、商品同士が重なり合って検査機を通ることもある。さらに検出対象の硬骨は数ミリ程度と、かなり小さい。このような状況から、鶏肉のX線検査は、検査画像に現れる影(濃淡)が商品の重なりによるものなのか、硬骨なのか、食べられる軟骨なのかといった判別が他の食肉に比べて難しく、どうしても、実際には硬骨が含まれていない良品でも硬骨ありと誤検知されるケースは避けられない。

 誤検知を減らすために、整然と並べて検査機を通すのも一つの策だ。あるいは、誤検知の可能性を踏まえ、硬骨ありの場合に、もっと詳しく検査する方法もあるだろう。ただ、ビジネス面から考えると、生産効率を高めるためにある程度の処理速度が必要で、精度ばかり追求するわけにもいかない。そこで従来は、硬骨混入のリスク回避を優先し、検知されたものは廃棄することをルールとしてきた。

 とはいえ、硬骨が含まれていない商品の廃棄は、社会問題になっているフードロスにつながる。もちろん、経営効率の観点からも廃棄は極力減らしたい。そこで同社が考えたのが、AIによる選別プログラムを開発し、誤検知を減らすことだった。

 まず機器メーカーが鶏肉加工品を想定して、X線検査機で撮影した画像の濃淡など、さまざまな情報から識別・学習するAI選別プログラムを開発した。次に、包装前段階の鶏肉加工品を実際の製造ラインスピードに合わせてX線検査機で撮影。撮影された影の色の濃淡など、各種情報を基に「良品」「硬骨混入品」を判別できる画像情報をAIに大量学習させた。さらに、あえて硬骨を混入したり、商品を重なり合わせたりしながら、誤検知が発生しやすい状況を作って検証を重ね、検知精度の向上を図った。こうして作り上げた仕組みにより、誤検知を8割、製品廃棄削減率を5割ほど減らせると見込んでいる。
通常のX線検査機で判定した写真。硬骨の検出はできているが、からあげが重なった部分を誤検知している(画像提供:ニチレイフーズ)
今回開発したAI選別プログラムで判定した写真。硬骨のみを検知できるようになった(画像提供:ニチレイフーズ)

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