ChatGPT、Google Bard･･････　未来の広告はAI一色に染まるのか？

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　米OpenAIが開発したAIチャットボット「ChatGPT」。日本でもＣhatGPT旋風が巻き起こり、一気にAIが身近になったと感じている人も多いのではないか。
　本稿では、とくに広告業界におけるAI利用の予測について論じてみたい。

【画像】Shutterstock

ChatGPTが導き出すのは“それっぽい”答え

　ChatGPTにはAIのディープラーニングの一種であるRNN（Recurrent Neural Network）の技術が使われており、「生成系AI（ジェネレーティブAI：Generative AI）」の一種だ。膨大な量のデータをもとに、その規則性や出現頻度などを自動的に学習して、 “それっぽい”答えが瞬時に導き出される。

　試しに、ChatGPTを使って「コーヒーの広告に使用するコピーを10種類考えて」とリクエストしてみたところ、ものの2〜3秒で次の回答が返ってきた。

　かつてコピーライターは「1つのコピーを生み出すために、100案は考えるように」と言われて育ってきた。古くさかのぼれば発明王のエジソンだって、“To have a great idea, have a lot of them.（素晴らしいアイデアを生み出すには、たくさんのアイデアが必要だ。）”という言葉を残している。人間が自分の頭で、考えて、考えて、考え抜いた先にこそ、最高のアイデアが生まれると信じられてきたのだ。

　この定説はAIによって覆されてしまうのだろうか。AIに99個のアイデアを出してもらって、残り1個だけ自分で考えたアイデアを付け足すのは邪道なのか——。

多くのマーケターにとってAIはすでに身近になっている

　ちなみに、ChatGPTのような生成系AIが生み出せるのは、テキストだけではない。画像や音楽、動画など、多岐にわたる。予算が潤沢にあって著名なクリエイターに一任できるのであれば話は別だが、多くの企業ではマーケターがうんうんと唸りながら、あるいは「こんなものでいいか」と半ば投げやりになりながら、広告クリエイティブを自作しているケースが少なくない。常に時間に追われているマーケターがAIの手を借りたくなるのは、当然の心理だと言える。

　加えて、デジタルマーケティングの世界では、長年、「MarTech（マーテック）」と呼ばれるシステムを複数使い分けながら、データを通じて顧客行動を分析したり、テクノロジーの力を借りてメール配信の自動化を図ったりと、さまざまな業務が行われてきた。GoogleやYahoo!の運用型広告には、AIを活用した自動入札の機能が付いており、過去の入札単価の成果や運用状況に応じて、入札単価を自動で設定できるようになっている。

　要するに、マーケターにとってシステムは、パートナーであり、なくてはならないものだ。自分がいつも使用しているシステムにAIが搭載されて、いつの間にか精度が上がっていた、なんてことも、当たり前のように起きている。

　仮にシンギュラリティ（AIが人間の知能を超える技術的特異点）を恐れるマーケターしかいなかったとしたら、思うようにデータが溜まらず、AIはここまで進化できていなかっただろう。学習の効果を上げられないからだ。そうした意味でも、マーケターとAIは“今のところ”良きパートナーシップを結べていると言える。

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