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Business 公開日: 2022.10.07

シリーズ:どうしてうちの会社のDXは進まないのですか? | 第4回:なぜうちの企業のDXは進まないのか? ~人材・スキル編~

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 本シリーズでは、社会全体のDXブームの流れの中で、二極化する日本のDXの状況をご説明するとともに、DXに苦戦する企業の課題にフォーカスし、「どうしてうちの会社のDXは進まないのですか?」と題して、DXのボトルネックについて紹介していきます。
 今回は、組織や企業の風土面におけるDXの障壁を解説いたします。

【画像】shutterstock

目次

一部の企業にとどまらずIT人材の不足は社会課題となっている

 現在、日本の企業の約6割がDXに取り組めていない状況を、本シリーズ第1回の記事でご紹介しました。DXに取り組めない大きな理由に「DXを担うIT人材の不足」が挙げられます。

 情報処理推進機構(IPA)が2021年4月22日に公表した「デジタル時代のスキル変革等に関する調査」によると、DXを推進するIT人材の過不足について調査しており、その結果IT人材が「大幅に不足している」「やや不足している」という回答が合計で9割を超えています。このことから、多くの企業でDXの推進において、「人材不足」がボトルネックになっていることがわかります。

 特に同調査では、「DXで成果が出ていない」と考えている企業の52.9%が「大幅に不足している」と回答しており、IT人材の不足は一部の企業だけでなく、国内全体での社会課題となることが予想できます。

 そこで、国では、令和4年に策定された「デジタル田園都市国家構想基本方針」において、専門的なデジタル知識・能力を有し、デジタル実装による地域の課題解決を牽引する人材を「デジタル推進人材」として、 2026年度末までに230万人の育成を目指すとしています。
参考:独立行政法人 情報処理推進機構 「デジタル時代のスキル変革等に関する調査」
https://www.ipa.go.jp/files/000090458.pdf

デジタル=ビジネスとなるDXのトレンドとDX推進企業で進む内製化

 このようなIT人材の需要の高まりの背景には、DX推進にあたって「内製化」が重要な鍵となっていることがあります。

 DXに取り組む際には従来のシステム開発と異なり、ビジネス上の現場に近い分野でのデータ解析や、AI、クラウドサービスの導入などの業務改革と同時進行で行われるソフトウェアの企画・導入に取り組むため、ビジネスの現場と伴走して活動できるIT人材が必要になります。

 また、ビジネスと直結しているため、一度作って終わりではなく、ビジネスに合わせて適時改善していくことも必要になります。従来のようにシステム会社に丸投げで開発依頼をする方法が、DX推進には適さなくなっているのです。

 実際に企業でも、DX実現に向けたシステム内製化の動きは着実に進んでいます。2020年8月にIPAにより公開された「IT人材白書2020」によると、DX推進企業におけるシステムの内製化状況は、DXに取り組む企業のうち、上流工程の内製化を進める割合が41.9%となっています。
参考:独立行政法人 情報処理推進機構 「IT人材白書2020」
https://www.ipa.go.jp/files/000085255.pdf

IT人材不足の原因はITを外部に委託するものと考えていたことが原因か?

【画像】shutterstock
 なぜ今になって多くの企業が、ICTのスキルを持つIT人材を社内に確保していかなくてはならない状況になってしまったのでしょうか?

 これまで日本では、ITはバックオフィス業務の効率化などを目的に導入されることが多く、その大部分をシステムベンダーに外注することよって、開発から保守までを委託する形式で発達してきた経緯があります。

 その結果、システムは「コスト」という視点で評価されることが多く、日本においてIT部門は企業のコア業務から外され、システム子会社化されるかアウトソーシングされることが主流となりました。その一方で、企業内にICTの知識や経験およびIT人材が蓄積されてきませんでした。

 特に2000年代はダウンサイジングやアウトソーシングが経営手法として注目されており、その時期に多くの企業がIT部門のスリム化を実施した結果、ITが空洞化してきた背景があります。これが現在になってIT人材が社会的に不足するという事態をもたらしたといっても過言ではありません。

DXによって再度見直されるIT人材の採用と育成

 このような状況の中、DXに取り組む企業では再度ICTの知識と経験をもつIT人材の採用と育成に取り組むことが早急に必要になってきています。

 特にDXを実施する責任者クラスの人材を外部から招聘し、社員として働いてもらう動きも盛んになってきています。筆者が運営しているCDO Club JapanはDXに取り組む経営執行職のコミュニティです。そのCDOの方々(最高デジタル・データ責任者)は、外部から企業に参画してDXに取り組んでいる方も多くなってきています。

 一方で、責任者クラスの人材を外部から採用するだけでなく、既存の社内の人材にデジタルスキルを習得してもらうための取り組みも盛んになりつつあります。DXに取り組んでいる企業では育成するIT人材の人数を目標値にする例や、継続的な育成のために大学と協力するなど、教育プログラムを整備する事例も増えつつあります。

 このようにDXの活動は単なるツールの導入に留まらず、人材の採用や育成にまでフォーカスして取り組むことが重要になってきています。

 次回は組織・人材以外に存在する、DXの大きなボトルネックである、データ活用環境や老朽化したシステムなどの過去のシステムインフラ面についてご紹介します。
【筆者プロフィール】
一般社団法人CDO Club Japan 理事 事務総長 水上晃 氏
大手コンサルティング会社でデジタルチーム(先端技術)責任者として活動してきた経験を活かし、次世代テクノロジーを活用した活動を実施。
主な活動は、次世代テクノロジーを活用した新規事業の企画、デジタル技術を活用した業務プロセスの改善、データ分析技術を活用した企画など。主な技術分野はIoT(モノのインターネット)、AI(人工知能)、ロボティクス、ブロックチェーン、ドローンなど。

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