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公開日: 2021.03.12
Nota CEOが語る、進化する「社内の情報共有」が変えていく働き方
画像共有サービスの「Gyazo(ギャゾー)」、チーム向け情報共有サービスの「Scrapbox(スクラップボックス)」、FAQシステムの「Helpfeel(ヘルプフィール)」などを手がけるNota。同社代表取締役CEOの洛西一周氏に、ITツールを情報共有に活用することで働き方はどう変化するのかを聞いた。

ナレッジ共有を軸に、生産性向上サービスを開発
Notaは米国法人として2007年12月に創業(日本法人を2020年12月に設立)。「AIによって⼈の弱い部分を助けること」をビジョンに掲げ、AIを活用したプロダクトを開発・運営している。同社代表の洛西氏は慶應義塾大学大学院政策・メディア研究科を修了後、2007年より渡米してNotaを設立したが、高校時代から既にプロダクト開発に取り組み、日本国内でアプリ開発者として活動していたという。
「当時は『紙copi』という情報管理アプリをジャストシステムと一緒に販売していたのですが、Wordなどに押されてしまい思うように伸びませんでした。その反省を糧にグローバルで勝負したいと考えて、シリコンバレーで会社を設立した経緯があります」
当初はBtoC市場向けに「Gyazo」をリリース。ウェブサイトなどのスクリーンショットを取得すると、それが自動的にクラウドにアップロードされて瞬時に共有や検索ができるサービスだ。
「当時は『紙copi』という情報管理アプリをジャストシステムと一緒に販売していたのですが、Wordなどに押されてしまい思うように伸びませんでした。その反省を糧にグローバルで勝負したいと考えて、シリコンバレーで会社を設立した経緯があります」
当初はBtoC市場向けに「Gyazo」をリリース。ウェブサイトなどのスクリーンショットを取得すると、それが自動的にクラウドにアップロードされて瞬時に共有や検索ができるサービスだ。

「Gyazo」は海外でも多くのユーザーを獲得しているスクリーンショット共有サービス
「『Gyazo』は最初の3年で100万ユーザー、その後1000万ユーザーまで伸び、月額500円の有料化も行いました。その後、会社をさらに成長させていきたいと思ったときに、本格的にBtoB市場にも参入する必要があると考え、生産性向上のためのサービス『Scrapbox』『Helpfeel』を開発しました。
企業と個人のいずれにとっても、新しいアイデアや仕事の企画といった情報の管理は大きな課題です。情報量が加速度的に増えていく中で、それらがバラバラに管理されていてどこに何があるか分からない、共有したい情報を探せないという状況は皆さん経験されているのではないでしょうか。そういった課題を解決していきたいというのが、我々のビジョンの一つです」
企業と個人のいずれにとっても、新しいアイデアや仕事の企画といった情報の管理は大きな課題です。情報量が加速度的に増えていく中で、それらがバラバラに管理されていてどこに何があるか分からない、共有したい情報を探せないという状況は皆さん経験されているのではないでしょうか。そういった課題を解決していきたいというのが、我々のビジョンの一つです」
検索ヒット率98%を誇るFAQシステム「Helpfeel」でカスタマーサポートの問題を解決
同社の「Helpfeel」は、カスタマーサポートの問題を解決するサービス。検索ヒット率98%を誇り、現代人にとって馴染み深いキーワード検索で必要な情報を瞬時に検索できる点が特徴だ。

検索ヒット率98%を誇るFAQシステム「Helpfeel」
「オンラインのサービスで、使い方が分からない、返品したいといった場合、多くのお客様はまずFAQサイトを見ますが、全く役に立たないことも多いです。仕方なくカスタマーセンターに電話をしても全然つながらず、何十分も待ってようやくつながったと思ったら、別の部署に回されてしまう……。これがお客様にとって非常にネガティブな顧客体験であることは言うまでもありません。また、電話を受けるカスタマーサポート側のストレスも大きく、誰も得をしていない状態になっています」
こうした問題を解決するために生まれた「Helpfeel」は、前述の通り圧倒的な検索精度の高さが特徴だ。例えば、同サービスを導入するPayPayフリマのヘルプページでは、“ふぐ”まで入力すると、「届いた商品に不具合があるのでお金を返してほしい」という質問項目が表示され、それをクリックすれば返品案内のページを見ることができる。
「商品が壊れている」「お金を返してほしい」など、質問を変えた場合も、ユーザーが入力した言葉で質問の候補が表示され、適切なページに誘導される。
こうした問題を解決するために生まれた「Helpfeel」は、前述の通り圧倒的な検索精度の高さが特徴だ。例えば、同サービスを導入するPayPayフリマのヘルプページでは、“ふぐ”まで入力すると、「届いた商品に不具合があるのでお金を返してほしい」という質問項目が表示され、それをクリックすれば返品案内のページを見ることができる。
「商品が壊れている」「お金を返してほしい」など、質問を変えた場合も、ユーザーが入力した言葉で質問の候補が表示され、適切なページに誘導される。

質問の候補はユーザーが入力した言葉を使って表示される
「実は、当社の増井俊之CTOはAppleでiPhoneのフリック入力を開発した人物なんです。『Helpfeel』の検索技術も増井が発明した予測入力の技術が基になっています。予測入力では、“よろ”まで入力すると『よろしくお願いします』が候補として出てきますが、これはあらかじめ登録された辞書の情報によるものです。『Helpfeel』も同様に、ユーザーが聞きそうなことをあらかじめ辞書に全て登録したことで、高い検索精度を実現しています」
米国は国土の広さからITツール普及が進んだ側面も
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