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Business 公開日: 2019.03.25

【農業技術革新:前編】データ活用とバイオ技術の相乗効果で、作物の収穫量と品質が劇的に向上

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最先端テクノロジーをフル活用することで、農業を輸出産業へ、そして食料自給を支えられる農業へと生まれ変わらせる。

 長年にわたる硬直化によってジリ貧の状態にあった組織や産業が、大きな技術開発や環境の変化を契機に、見違えるほどの変貌を遂げ新しい時代が到来することがある。イギリスで起きた産業革命や幕末の日本は、まさにそんな時代だっただろう。そして現在、日本の農業で起きている変化は、そんな大変革の時代の到来を予見するような動きが散見される。

絶滅危惧産業となった日本の農業

客観的に誰が見ても、日本の農業は産業自体が消滅に向かってまっしぐらに進んでいるように見える。
農業従事者の人口は減り続け、しかも極度の高齢化が進んでいる
 農林水産省が5年ごとに実施する農林業の実態調査「農林業センサス」2015年版によると、2015年の農業従事者の数は210万人。前回調査の2010年からの5年間で15%も減っている。しかも着実に高齢化が進んでいる。従事者の平均年齢は66.4歳と、一般企業ならば定年退職後の暮らしを送っているはずの年齢にまで高まっている。そして、50歳未満の従事者は25万1000人(全体の12%)しかおらず、これからも急激なペースで減少が続く。これは、産業の衰退というレベルの状態ではなく、従事者が誰もいなくなる一歩手前の状態にあると言えよう。

 そんな危機的現場の状況とは裏腹に、市場での日本の農産物に対する評価はすこぶる高い。中でも輸出が容易な果物や米は、その品質の高さから海外市場でも高値で取引されている。このため、日本の農産物を輸出品として育成すべきだとする意見は多い。一方で、これから先の社会を考えると、世界的な食糧不足問題は、輸入に頼っている日本にも強く影響してくる。いずれにせよ日本の農業は、産業としての再生を避けて通れない状況にある。

 こうしたことから政府は、日本の農業の現状を打破するため、農業のあり方自体を根本的に変えようと画策している。これまで、日本の農業は、既存の農業の姿をいかに保護していくかを重視した政策を中心に推し進めてきた。しかし、さすがに産業自体が消滅の危機にあることが誰の目にも明らかになり、絶体絶命のピンチを飛躍のチャンスに変える一発逆転の策を取ってきている。

 内閣府が中心となって進める戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「次世代農林水産業創造技術」では、こうした状況をテクノロジーで打破するためのプランを策定。関係各省庁と農業に関連する企業が協力して、その実現に向けた技術開発や制度の整備に取り組んでいる。同プログラムでプログラムディレクターを務める北海道大学大学院農学研究院の野口 伸氏は、「日本の農業を力強く再生するためには、農業を魅力的で、あこがれの産業へと変えていく必要があります。SIPでは、最先端の技術を駆使して、そうした明るい未来を拓いていきます」という。
戦略的イノベーション創造プログラム(SIP)「次世代農林水産業創造技術」で描く、テクノロジーで日本の農業の危機を救うためのプラン(出典:北海道大学 野口 伸氏の資料「スマート農業の今後の展望」)

多様で変化の激しい自然に対峙する農業を

 現時点での農業を見ると、作物や家畜の品種改良や効率のよい農機の開発は進んでいる。一方で現場での作業については、それぞれの農家が持つ属人的な勘と経験に頼る世界のままである。篤農家(熟練農家)は、耕地の隅々の状況、作物の些細な特徴、天候の微妙な変化を、五感を働かせて感じながら、きめ細かな目配りと手間の掛かる作業で高品質な作物を作っている。どんなに人手が足りない状況であっても、多くの手間を掛けることこそが美徳とされるのが現在の農業なのだ。もちろん、篤農家の努力は称賛できるものだ。とはいえ、これで高品質な作物を収穫できたとしても、強みを広げる策なくして日本の農業が抱える本質的な課題を解決することはできない。

 農業が、人手と熟練を求められる産業であったのには理由がある。扱う対象が個体差の大きい生き物であり、かつ多様で状況がコロコロと変化する自然環境への対応が求められることだ。工場で工業製品を生産する際には、生産の条件や手順を規格化しやすいため、決められた手順に沿って遮二無二動くことが得意な機械やコンピュータを活用して劇的な効率化を図ることができる。産業革命では、まさにこうしたコンセプトで人類にイノベーションをもたらした。ところが、これまでの農業ではこれができなかった。
食に関わる産業は、不ぞろいが当たり前な生き物と変化しやすい自然を相手にしている
 ただし近年、農業の機械化とIT化が困難だった部分を解決する技術が急激に発達してきた。人工知能(AI)やIoT(Internet of Things)、ロボットである。これらはいずれも、環境に合わせて自律的に処理や作業ができる、柔軟な技術である。さらに、遺伝子情報などに基づいた解析・判断を可能にするバイオテクノロジーの進歩もめざましく、それらの技術を合わせて活用することで、大きな効果を生み出せる可能性が高まっている。

これらの技術を活用すれば、最小限の人員でより多くの作物を栽培・収穫したり、海外市場で高い競争力を持つ高品質な作物を栽培・収穫したりできる可能性がある。「これまでハイテクとは無縁だった農業に、巨大なインパクトをもたらす多くの技術が一気に実用化してきました。こうした技術を上手活用すれば、困難な課題を掛かる日本の農業に、大きな飛躍を遂げる方向へ転じるチャンスが生まれると確信しています」。農林水産省 農林水産技術会議事務局 建機企画課長の山田広明氏はこう話す。

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