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Business 2019.02.19

ブロックチェーンを使い、余剰電力をスムーズに融通

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節電を促すデマンドレスポンスにブロックチェーンを応用。富士通がシステムを開発。

 電気の安定供給。私たちが暮らしていくための重要なテーマの一つである。この電力のインフラにも、他の社会インフラと同様に、デジタル化が広がり始めている。その一つが、緻密な需要予測に基づくデマンドレスポンス(DR)。最近は、これにブロックチェーンを使った取引システムを組み合わせる例が出てきた。

 DRとは、電力会社(供給者)と需要家(消費者)が協力して需要家側の電力使用量を制御する取り組み。ピーク時間帯別に高くするなど料金を柔軟に変えて利用・節約を促す方法や、電力会社が節電要請に応じてくれた需要家にインセンティブを渡す方法(以下、インセンティブ型)などがある。
デマンドレスポンスとは(出所:ディマンドリスポンス推進協議会)
 インセンティブ型DRの場合、需要家とエネルギー管理に関する契約を結ぶアグリゲーターという事業者がいて、需要家と電力会社の間を仲介する。電力会社からの節電要請をいったんアグリゲーターが受け取り、それをアグリゲーターがそれぞれの契約需要家に割り当てるのが一般的だ。要請された期間に節電量を達成できれば、電力会社からアグリゲーターが報酬を受け取って需要家に配分する。ところが、需要家によっては所有する自家発電機を起動する際の発電量の不足や、電力消費量の突発的な増加により、節電量を達成できない場合がある。この場合、たとえ目標の9割を達成できていても、「失敗」として扱われ、報酬を全く受け取れないことがある。

 せっかく努力したのに、全く報酬をもらえないとなると、需要家にとっては“損”に思える。同様のことが続けば、需要家は協力に消極的になりかねない。逆に報酬を受け取れる率(成功率)が上昇すれば、需要家にとってメリットが大きくなり、新規参加者の増加も見込める。そこでDRで考えられるのが、アグリゲーター配下の需要家間で節電量を融通し合える仕組み。ただ、これまで、その仕組みはなかった。
従来のDRと需要家間で電力を融通するDRの比較(出所:富士通)
 そこで富士通と富士通研究所は、ブロックチェーン技術を応用し、アグリゲーターと契約した需要家と需要家の間で、不足・余剰電力を相互に融通する取引システムを開発した。新電力事業者のエナリスの協力で実施したシミュレーションでは、DR成功率が最大で約4割向上することを確認した。2019年度以降の実用化を目指して、実環境での検証を進める。

 需要家の間での電力融通では、多く節電できる見込みがあって電力を他に融通できる需要家が、取引システムに対し、余剰分についての「売り要求」を出す。一方、予定よりも電力を多く消費しそうな需要家は、不足分を調達するための「買い要求」を出す。これらを取引システム上で対応付けることで、電力融通を成立させる。
 システムは大まかに2つの仕組みからなる。一つは電力を買いたい需要家の「買い」をできるだけ早く確定させるための仕組み(フェーズ1)。これは、DRでは短時間で節電の可否を回答しなければならない場合に備えたもの。まずは買える分の電力だけ、迅速に購入を確定させる。もう一つは、フェーズ1で確定させた取引について、個々の売り要求と買い要求を最終的に対応付けるための仕組み(フェーズ2)である。

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