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Business 2018.12.06

「Ethical Tech」唯一のブランドとなったアップル

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Appleは唯一無二の企業になろうとしている。しかも、環境分野においてだ。

※ Appleの環境・政策・社会イニシアティブ担当バイスプレジデント、リサ・ジャクソン氏。Appleでの仕事は「ドリームジョブ」だという。
 9月12日にAppleが開催した「iPhone XS」などを発表するイベントに、同社で環境・政策・社会イニシアティブを担当するバイスプレジデント、リサ・ジャクソン氏が登壇した。

 2018年にAppleが100%再生可能エネルギーへ転換したことなどの重要なマイルストーンを紹介し、新型iPhoneのメイン基板に使われるスズがリサイクル材料で賄われていることを明かした。これにより、年間1万トンの鉱石の採掘を防ぐことができるという。

 また、最新の「iOS 12」は2013年に発売された「iPhone 5s」でも動作し、これまでよりも高速になるようにチューニングされているという。しかし、「製品を長持ちさせる」ことは、iPhoneの販売台数を積み上げて1兆ドルの時価総額を達成したAppleのビジネスとは明確に矛盾する。

 それでも、Appleは舵を切った。裏を返せば、世界で最も価値ある企業だからこそ執ることができた進路であり、そうすべきだと考えたからだった。
Appleは2018年4月、全世界のオペレーションで100%再生可能エネルギーへの転換を発表した。
2012年のiPhone 5sでも、最新のiOS 12が動作し、しかも昨年より速くなるという。長持ちという価値は、Appleにとっては諸刃の剣ではあるが、あえてそこに踏み込んだのだ。

Appleで最高にクリエイティブな仕事

 2018年2月、筆者はジャクソン氏の単独インタビューを行っている。米国でも非常に注目されている女性の一人で、オバマ政権時代には米国環境保護庁(EPA)で長官を務めた科学者だ。今の彼女の仕事は「最高にクリエイティブ」だという。

 入社にあたってティム・クックCEOからは、Apple製品を使って人々が暮らすことは地球環境を守ることと同義だ、と誘われたという。その上で、Appleでの仕事は米国以外の世界中により大きなインパクトを与えることができる「ドリームジョブ」だと語っていた。

 世界一の経済大国が気候変動に対して何をすべきかを考えることだって、サイエンティストとしての理想の仕事の一つだ。ただ、彼女は大きな後悔と悔しさを噛みしめたに違いない。トランプ政権に変わり、古巣のEPAは税金の無駄遣いをするトップによってめちゃくちゃになり、発電所や自動車の環境規制までなくなったのだから、冷静でいられるはずがない。

 そのジャクソン氏が、Appleでの業務は「夢の仕事」だと語ったのだ。

 外側のデザインだけでなく、内側の美しさをいかに磨き上げるか。そのために何をすべきか、どんな可能性があり得るのかを考える作業は、非常に柔軟な発想と、最新の素材や加工技術などにも精通していなければならない。あらゆるチームと会話し、より良いアイデアを盛りこんでいかなければならない。

 まだ切り拓かれていない道を突き進むことが、楽しくないはずがない。いまAppleで最もクリエイティブな仕事は、彼女の周りにあるのではないか。取材を通じてそう感じていた。

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