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Ideas 公開日: 2022.08.05

「生活者視点」で描く、日本型MaaSの未来

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新しいビジネスモデルとして注目を集めながらも日本での事業化事例がまだ少ないMaaS(Mobility as a Service)。日本国内でMaaSのビジネスを成立させるには、どうすればよいのか。最新のマーケット事情と、日本型MaaSへの参入において必ず押さえておきたいポイントを解説する。

今回インタビューするのはMaaSのコンサルティング・ソリューション開発を行っている、MaaS Tech Japan代表取締役、日高洋祐(ひだか・ようすけ)氏。国内外のMaaSプレーヤーと積極的に交流しながら、日本国内での価値あるMaaSの実現を目指す同氏は、日本と欧州ではそもそもMaaSの描く形が異なると語る。
MaaS Tech Japan 代表取締役 日高 洋祐氏。

日本型MaaSとは

2016年冬、フィンランドでモビリティ統合サービス『Whim(ウィム)』が登場。それを筆頭に、化石燃料に依存しない交通社会の実現を目指した「フィンランド型MaaS」がヨーロッパで広がっていった。現状日本よりもヨーロッパでのMaaS導入が進んでいる状況だが、ヨーロッパの事例をそのまま日本に当てはめようとすると上手くいかない懸念がある。その理由は、ヨーロッパと日本の交通事業者の成り立ちと、自動車産業に対する考え方の違いにある。

日高氏「ヨーロッパと日本では、まず交通事業の担い手が異なります。ヨーロッパでは行政の支援を受けた公的な運営をしており、フィンランドでは3つほどの鉄道会社しかないため統合がしやすく、MaaSの普及が大きく進んだ背景があります。一方、日本の交通事業は分離していて、競争関係にある民間事業者によって運営されている点が大きな特徴です。日本は交通事業がかなり発達しており、鉄道に関しては延べ30、タクシーは1万ほどの会社が存在しています。この特性から、日本型は競争関係にある事業者同士をいかに統合するかが重要になってきます。

もうひとつ重要なポイントは、自動車産業への考え方です。ヨーロッパ(主にドイツ)ではMaaSを用いて、自家用車を大幅に削減していき、他のモビリティへ転換していく考え方を採用しています。しかし日本では、自動車産業が国の政策として位置づけられているため、自動車の数を大幅に減らしてしまうと自動車産業の経済が回らず、雇用問題にも直結します。これら2つの特徴から、日本のMaaSはヨーロッパとは別の形で描いていく必要があると考えています」

着目すべきは人口密度と交通分担率

MaaSへ新規参入したいと考えるビジネスパーソンは多い。しかし、着眼点が分からず足踏みしてしまうケースも多くあるだろう。まずはサービス展開する場所を定めるため、ターゲットとする場所にいる人の疎密とその動き、つまり「人口密度」と「交通分担率」を知る必要がある。

日高氏「東京のような人口密度と交通分担率の両方が高い状態の場所を、MaaSでより効率化された状態にしていくか、地方のような人口密度が低く深刻な移動課題がある場所の課題解決をしていくか、大きくはこの2つの方向に分けられると思います。

私は、両面に着目しています。先述の人口密度と交通分担率の両方が高いケースでいうと、2025年に開催される大阪万博に向けて、現状バラバラな大阪の鉄道会社7社を1つのプラットフォームに統合し、最適な移動手段を提案できる仕組みの構築が進んでいます。

一方、人口密度も交通分担率も低い状態の場所では、深刻な移動課題を抱えています。少ない住民のほとんどが高齢者で、廃墟だらけの『消滅可能性都市』は日本に893ほどあると言われています。そういった場所を立て直しながら、維持していくことにMaaSを活用し、シェアを拡大している企業も見受けられます」

待ったなしの「脱炭素」、活用しない手はない不動産

ビジネスの好機を逃さずしっかりと捉えるには、世のトレンドを常にチェックする必要がある。MaaSにおいては、交通・モビリティとの影響度・親和性が高く、市場も比較的大きい業界の動向を注視しておくといい。

日高氏「現在のホットトピックは『脱炭素』です。ロシアとウクライナの影響でエネルギーが世界的に足りなくなっていく懸念があり、そこにMaaSが入り込んでいく余地があると考えています。例えばドイツでは、国内全域において1カ月あたり9ユーロ(日本円で約1200~1300円)で公共交通を乗り放題にした事例があります。その結果、自家用車ではなく今あるエネルギーを最大限活用できるようになり、脱炭素につながりました。」

夏や冬の電力不足が毎年問題になっているように、日本でもエネルギー不足は無関係ではない。さらに、今後交通機関における自動車のEV化が進むとますます電力が足りなくなっていくことも懸念される。喫緊の課題であるエネルギー不足と、環境保全の両方に対してアプローチできる脱炭素をテーマとしたMaaSが構築できれば、たちまち需要が増えていくだろう。

もうひとつ、注目の分野は不動産だという。住宅や職場、宿泊先など「場所」に関する事業は「移動」との関係が深くMaaSとの組み合わせで価値を付加しやすいケースが多い。建築家の隈研吾氏やクリエイティブディレクターの佐藤可士和氏が携わる団地プロジェクトは、今ある建築資産を活用しながら町の高齢化問題にアプローチしている好例だ。

日高氏「かつての団地エリアは、今はゴーストタウン化しているケースが多いです。たくさんの人が住める場所はあるけれども、住民は高齢者しか住んでいなかったり、駅から距離があり利便性に欠ける場合がほとんど。建物をリノベーションしながら、MaaSで交通を引き直し、マイカーを持たなくても問題ない状態にすることで、再度町として機能させることが可能です。たくさんの人が住みたいと思える環境をMaaSで作り出すことができたら、おのずと若者が集まり、周辺地域の事業も活発化していくでしょう」

収益化成功のカギはサービスへの依存状態をつくること

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