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Innovators 2019.01.16

「人の創造性を100%引き出したい」──未来のサイボーグ社会を描くMELTINが目指す世界(後編)

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身体拡張、ブレインマシンインタフェース、さらには倫理まで。サイボーグ社会に向けて広がる発想。

 筋電義手やアバターロボットの技術開発を進めるMELTIN。その視線の先にあるのは、それらの技術を使って人の身体をアップデートすることが、ごく普通のこととなったサイボーグ社会だ。

 インタビューの前半では、サイボーグ社会につながっていく技術要素と、そこに向けた現時点でのMELTINの取り組みについて聞いた。後編では、この先の技術の方向性や、サイボーグ社会についてのビジョン・考えについて聞く。

「身体の模倣」を超えて「身体の拡張」を目指す

──先程、筋電義手で日常生活の9割ぐらいの動作をカバーできるということでしたが、それはどこまで高めていくつもりですか?100%に近づくほど、技術の難易度が上がり、同時にそのための開発コストも増えていくように思うのですが。

粕谷:まずは日常生活を100%カバーすることが先ですが、私たちが目指しているのはそれ以上です。私たちがサイボーグによって実現したいのは「身体の模倣や補完」を超えた「身体の拡張」だからです。

 例えば「3本めの腕」です。人間の身体は、考え方によっては、腕が2本しかない、脚が2本しかないといった制約と捉えることができます。その制約を越えて身体を拡張していくと考えると、3本めの腕があっても何もおかしくありません。
 3本めの腕も単なる一例です。6本めの指があってもいいでしょうし、羽根や尻尾、ヒレが人間の身体にあってもいい。それを意図的に動かすにはいろいろな方法があり得ます。例えば、3本めの腕の実験では、表情筋の変化を機械が読み取って操作するように実装しました。こういったやり方の工夫で、羽でも尻尾でも、自在に動かすことは原理的には可能です。

──3本めの手を動かすことの想像がつきません。もともと自分の身体ではないものを、どうやって動かせるようになるのでしょう?

粕谷:もちろん訓練が必要ですが、基本的には、赤ちゃんが次第に自分の身体を自在に操れるようになるのと同じです。最初は予期せぬ動きをすることもありますが、使っているうちに脳へのフィードバックがかかって動きがまとまってきます。

──100%以上の「身体の拡張」を目指すには、どのようなアプローチがあり得るのでしょう?筋電位や表情筋の変化のパターンを果てしなく増やしていくということですか?


粕谷:その領域を目指すには、脳と機械(マシン)を直接つなぐブレインマシンインタフェース(BMI)の技術が不可欠です。BMIを使うポイントは3つあります。脳波そのものを解析してマシンを動かすというのが一つ。もう一つは、「拡張した身体」からのフィードバックを与えて、脳をアップデートさせていくことです。脳はフィードバックを受けるとどんどん変化していきますから。それによって人類を「身体という制約」から解放し、人間の枠組みを超えていくイメージです。

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