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公開日: 2020.05.21
「未完成なデジタルルーム」──東急コミュニティーが新オフィスをそう呼ぶ理由
デジタルツールを駆使してリモートワークを推進することによって、東急コミュニティーは柔軟な働き方と生産性の向上を実現した。

総合不動産管理サービスのリーディングカンパニーとして、業界トップクラスのマンション管理戸数、ビル・施設管理件数を誇る東急コミュニティー。働き方改革にも力を入れる同社は、柔軟な働き方を実現するための環境整備を行ってきた。
その中でも全社の営業本部としての役割を担う営業開発事業部は、オフィス移転をきっかけにリモートワークの推進やオフィスのフリーアドレス化を中心とした働き方改革プロジェクトを全社的な動きに先行して遂行。オフィス移転の際には、さまざまなテクノロジーを取り入れて「未完成なデジタルルーム」を作ったという。移転当時、執行役員 営業開発事業部長であった石原功一氏に、改革の目的や具体的な取り組み、成果について聞いた(本稿冒頭の写真は、現在は常務執行役員 ビル事業本部 第一事業部長を務める石原功一氏)。
その中でも全社の営業本部としての役割を担う営業開発事業部は、オフィス移転をきっかけにリモートワークの推進やオフィスのフリーアドレス化を中心とした働き方改革プロジェクトを全社的な動きに先行して遂行。オフィス移転の際には、さまざまなテクノロジーを取り入れて「未完成なデジタルルーム」を作ったという。移転当時、執行役員 営業開発事業部長であった石原功一氏に、改革の目的や具体的な取り組み、成果について聞いた(本稿冒頭の写真は、現在は常務執行役員 ビル事業本部 第一事業部長を務める石原功一氏)。
オフィス移転を起爆剤に、革新的な働き方改革を推進
東急コミュニティーは、2016年に在宅勤務制度、2018年にモバイルワーク制度を導入し、総務省が主催する「テレワーク先駆者百選」にも選定されるなど、社員が柔軟な働き方を選択できる環境の整備に取り組んできた。
その中でも、積極的な働き方改革に取り組んだ部門が営業開発事業部だった。建物の運営や維持管理業務の新規受託営業と、新たな市場創出を目指す同事業部が全社に先駆けて推進した改革は、単に働き方を変えるだけのものではなかった。当時、執行役員 営業開発事業部長だった石原氏は次のように話す。
「リモートワークをはじめとした働き方改革をエンジンにして、部員の意識改革を図り、ワークスタイルそのものを変えたいと考えました。今後も業績を維持・向上させていくためには、部員一人ひとりの成長を促し、自ら考えて新しい価値を生み出すような自律型の組織へと変わることが必要だと考えたからです」。
営業開発事業部は2017年の秋から、全社に先駆けて大胆な働き方改革プロジェクトを開始した。プロジェクトの核となった課題は、フリーアドレスの導入をはじめとする「オフィス改革」、膨大な紙の資料の「デジタル化」、オフィス外でも円滑なやりとりを可能にする「コミュニケーション」の三つだった。それぞれの課題についてプロジェクトチームが編成され、課題解決のための検討や研究、議論が行われた。
プロジェクトは、最初から順風満帆には進まなかった。「なぜそんなことをしなくてはいけないのか?」「それは無理だ」と改革に賛同しない社員も、管理職を中心に少なからず存在した。オフィスに来なくても、いつでもどこでも無理なく仕事ができ、生産性を高められるメリットについて説明を繰り返すとともに、頻繁にアンケートを行うことで社員の考えを聞き、疑問や不安点を一つひとつ解消することで改革への意識を高めていった。
その頃、営業開発事業部のオフィスを東京・用賀の本社内から渋谷ソラスタへと移転する話が持ち上がった。
「会社が移転する部署を募ったとき、すぐに手を挙げました。新しいオフィス、ワークスタイルを一から作り上げることができる。移転を起爆剤にして、改革を一気に進めるチャンスだと思いました」(石原氏)。
その中でも、積極的な働き方改革に取り組んだ部門が営業開発事業部だった。建物の運営や維持管理業務の新規受託営業と、新たな市場創出を目指す同事業部が全社に先駆けて推進した改革は、単に働き方を変えるだけのものではなかった。当時、執行役員 営業開発事業部長だった石原氏は次のように話す。
「リモートワークをはじめとした働き方改革をエンジンにして、部員の意識改革を図り、ワークスタイルそのものを変えたいと考えました。今後も業績を維持・向上させていくためには、部員一人ひとりの成長を促し、自ら考えて新しい価値を生み出すような自律型の組織へと変わることが必要だと考えたからです」。
営業開発事業部は2017年の秋から、全社に先駆けて大胆な働き方改革プロジェクトを開始した。プロジェクトの核となった課題は、フリーアドレスの導入をはじめとする「オフィス改革」、膨大な紙の資料の「デジタル化」、オフィス外でも円滑なやりとりを可能にする「コミュニケーション」の三つだった。それぞれの課題についてプロジェクトチームが編成され、課題解決のための検討や研究、議論が行われた。
プロジェクトは、最初から順風満帆には進まなかった。「なぜそんなことをしなくてはいけないのか?」「それは無理だ」と改革に賛同しない社員も、管理職を中心に少なからず存在した。オフィスに来なくても、いつでもどこでも無理なく仕事ができ、生産性を高められるメリットについて説明を繰り返すとともに、頻繁にアンケートを行うことで社員の考えを聞き、疑問や不安点を一つひとつ解消することで改革への意識を高めていった。
その頃、営業開発事業部のオフィスを東京・用賀の本社内から渋谷ソラスタへと移転する話が持ち上がった。
「会社が移転する部署を募ったとき、すぐに手を挙げました。新しいオフィス、ワークスタイルを一から作り上げることができる。移転を起爆剤にして、改革を一気に進めるチャンスだと思いました」(石原氏)。

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