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公開日: 2023.01.27
AIカメラで無人撮影、自動編集。ローカルスポーツの映像化で地域活性を目指す
次世代AIカメラ「Pixellot(ピクセロット)」を事業の中核に据え、地域に根付くさまざまなスポーツの撮影・配信によるコンテンツ化を通して、地域活性を推進しているNTTSportict(NTTスポルティクト)。
今回はNTTSportict 取締役 ビジネス開発部長の白井良平氏を迎え、サービス開発を行うに至った背景や地方TV局との協業の事例、地域活性の未来などを伺った。

NTTSportict 白井良平氏
放送されないから観られない、だから資金がない
「ローカルスポーツはとにかく映像化されて、地元の人が観られる機会を作ることが第1ステップ」と言う白井氏。国内のスポーツのクラブチームは、有名な一部のビッグクラブを除いて、概ね資金が潤沢ではない。白井氏は、その原因となるスポーツ界の課題感をこう表現する。
白井氏「プロ野球、Jリーグと日本のプロスポーツの歴史が刻まれてきましたが、日本のスポーツ界全体で見ると『どうやってスポーツそのものをビジネスにするか』という議論はあまり進んでこなかったように思います」
競技の中央協会や大手配信サービスが放映権を獲得して利益を得る一方で、地域のスポーツチームは複数の収益源を持てずにいるのが現状だ。とりわけ、アマチュアスポーツのチームは顕著だという。
白井氏「アマチュアスポーツはプロとは違うとはいえ、あまりに運営が手弁当過ぎて、人材も資金も不足しています。メディアが取り上げないから、人気も高まらない。人気が高まらないから、メディアも取り上げない。地元の人ですら、地域のアマチュアスポーツを映像で観たことがないのが現状です」
その課題を解決する一助となり得るのが、NTTSportictの主要事業である AIスポーツ映像ソリューション『STADIUM TUBE(スタジアムチューブ)』だ。
白井氏「プロ野球、Jリーグと日本のプロスポーツの歴史が刻まれてきましたが、日本のスポーツ界全体で見ると『どうやってスポーツそのものをビジネスにするか』という議論はあまり進んでこなかったように思います」
競技の中央協会や大手配信サービスが放映権を獲得して利益を得る一方で、地域のスポーツチームは複数の収益源を持てずにいるのが現状だ。とりわけ、アマチュアスポーツのチームは顕著だという。
白井氏「アマチュアスポーツはプロとは違うとはいえ、あまりに運営が手弁当過ぎて、人材も資金も不足しています。メディアが取り上げないから、人気も高まらない。人気が高まらないから、メディアも取り上げない。地元の人ですら、地域のアマチュアスポーツを映像で観たことがないのが現状です」
その課題を解決する一助となり得るのが、NTTSportictの主要事業である AIスポーツ映像ソリューション『STADIUM TUBE(スタジアムチューブ)』だ。
無人撮影、自動編集で低価格を実現。配信のハードルを下げる
STADIUM TUBEの中核をなすのは、AIカメラ『Pixellot(ピクセロット)』。イスラエルの企業が製造・販売しており、「カメラマン不在、完全無人の状態でスポーツの現場をいかに撮影するか。それだけを考えて設計されたカメラ(白井氏)」だという。

AIカメラ「Pixellot」。左は可搬式の「Pixellot Air」
Pixellotには4つの高解像度カメラが備わっているが、会場ではコート中央に固定されていて角度を変えたりはしない。この4眼カメラは常に一定の方向を向き、撮影された映像はまるで超広角レンズで撮影した一枚絵のように合成される。
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