Lifestyle
公開日: 2018.10.29
【デジタルな生活はいかが?】未来の食を演出しよう
豊かな食を演出するための飽くなき追求。「食メディア研究」の今と未来。
「電気の刺激で塩味を感じる」
「写真を撮るだけで栄養バランスがわかる」
「遠隔地から料理の指導をする」
こうしたテーマの研究に取り組んでいる人たちがいます。いずれも食の未来を創る研究と言っていいでしょう。最近始まったものばかりではありませんが、デジタル技術の広がりを背景として、この分野の研究も進歩しています。
情報学の分野では、生活習慣病や孤食などの社会的な課題や、「献立を考えるのが大変」といった個々の悩みや要望などの解決に向けた、食に関する様々な研究が盛り上がりを見せつつあります。既にインターネットやスマートフォンは当たり前のように生活に溶け込み、キッチンのIoT化も進んでいます。情報技術と生活とが密接に結びつくほど、食の課題に情報学的にアプローチする意義は増していくのではないでしょうか。
「食」は、私たちが生きていくうえで欠かせないものであると同時に、健康、幸せ、豊かさをもたらしてくれるものでもあります。健康管理から調理法、さらにはおいしそうに見える写真の撮り方まで、悩みや要望は、個人の食との関わり方、向き合い方によって異なります。
そんな食の未来について、様々な観点から考え、議論しているのが「食メディア研究会」です。今回は情報学の観点から食や料理に関する課題について議論し、研究する人たちのコミュニティ「食メディア研究会」の取り組みについて、委員長を務める名古屋大学の井手一郎・情報学研究科准教授に聞きました。
「写真を撮るだけで栄養バランスがわかる」
「遠隔地から料理の指導をする」
こうしたテーマの研究に取り組んでいる人たちがいます。いずれも食の未来を創る研究と言っていいでしょう。最近始まったものばかりではありませんが、デジタル技術の広がりを背景として、この分野の研究も進歩しています。
情報学の分野では、生活習慣病や孤食などの社会的な課題や、「献立を考えるのが大変」といった個々の悩みや要望などの解決に向けた、食に関する様々な研究が盛り上がりを見せつつあります。既にインターネットやスマートフォンは当たり前のように生活に溶け込み、キッチンのIoT化も進んでいます。情報技術と生活とが密接に結びつくほど、食の課題に情報学的にアプローチする意義は増していくのではないでしょうか。
「食」は、私たちが生きていくうえで欠かせないものであると同時に、健康、幸せ、豊かさをもたらしてくれるものでもあります。健康管理から調理法、さらにはおいしそうに見える写真の撮り方まで、悩みや要望は、個人の食との関わり方、向き合い方によって異なります。
そんな食の未来について、様々な観点から考え、議論しているのが「食メディア研究会」です。今回は情報学の観点から食や料理に関する課題について議論し、研究する人たちのコミュニティ「食メディア研究会」の取り組みについて、委員長を務める名古屋大学の井手一郎・情報学研究科准教授に聞きました。
── 食メディア研究会とはどういう組織ですか?
電子情報通信学会という学会内で設立された研究コミュニティで、食生活における様々な課題を、情報メディア技術によって支援・改善することを目指しています。情報学分野の研究者同士、研究成果を発表し議論と交流を深めるだけでなく、食文化や健康医学といった他分野の研究者、料理に関わる企業・行政などから講演者を招くことで、幅広い観点から「食」について学び、議論を重ねています。
── どんな研究があるのでしょうか?
ひとくくりに「食」といっても様々なフェーズがありますが、食べる前・食べているとき・食べた後に分けるとわかりやすいでしょう。
「食べる前」というのは、献立を立てて、レシピを調べ、調理するというフェーズです。例えば、栄養や嗜好など様々な情報をもとに献立の決定を手助けするシステムや、レシピ提案の手法などが検討されています。料理番組の内容を簡単に把握できるよう、映像を自動で要約するという研究もあります。また、調理に関しては、キッチンカウンターにプロジェクターで情報を投影し、アシストする技術の研究や、遠隔でコミュニケーションを取りながら一緒に料理をするための環境設計について研究している人たちもいます。
──「遠隔でコミュニケーションを取りながら料理をする」というのはどういうことでしょうか?
例えば「遠く離れて生活する孫に、祖父母が料理を教える」というイメージです。昔は三世代が同じ家に住んでいたり、近所に住んでいたりというのが一般的で、食事やその支度を通じて家庭の味の伝達がスムーズに行われてきました。しかし最近では核家族化が進み、二世代間での食の共有はあっても三世代間での共有が行われにくくなっているという課題があります。
そこで、テレビ電話のような手段で離れた場所にいる相手に料理を教えられるシステムがあれば、祖父母が孫に料理を教え、家庭の味を伝える手助けになるのではないでしょうか。料理を教えるという目的をつくることで、交流のきっかけが生まれるという効果もあるでしょう。この研究ではその際に、どういう工夫をすれば、離れたキッチン同士でもうまくコミュニケーションを取り、料理を一緒に作れるのかということを検討しています。
── なるほど。一人暮らしの若者が離れて暮らす親に料理を教わるというシーンも考えられそうですね。
はい。遠隔コミュニケーションで、一人暮らしの食事についての課題を解決しようという研究もあります。現代の食の課題の一つに、一人で食事をとる「孤食」が増えていることが挙げられます。そこで、そういう人同士がオンラインでつながって一緒に食事をする、「共食」のためのコミュニケーション方法について検討しています。ここでは、どうすれば食べながらのコミュニケーションを活性化させられるのか、食べ物はコミュニケーションの活性化にどう影響を与えているのか、ということが研究のテーマになっています。
「食べているとき」における研究としては他にも、食べている物を実際より大きく見せると満腹感を感じやすくなる、音を聞きながらものを食べると食感が変わって感じられる、といったバーチャルリアリティの分野で研究を行っている人たちもいます。微弱な電流によって塩味や苦味を再現できる「電気味覚フォーク」を開発している人もいますね。
── 電気で塩味が再現できるんですか。減塩に役立ちそうです。
はい、そういう使い方が検討されていると思います。最後に「食べた後」について。これは主に、食事前に撮影した画像や映像を、記録したり加工したりネットに投稿したり、という用途に関連した研究ですね。
例えば、レシピ動画の作成を自動化する研究というのがあります。ネットに投稿されているレシピに、料理手順を撮影した映像がついていたらわかりやすいですよね。しかし、調理中の映像そのままでは長すぎて見るのが大変ですし、素人がいちいち編集するのもかなりの手間です。そこで、調理中の映像をレシピの文章に合わせて適当に編集し、自動的に短いビデオにまとめられたら便利なのではないか、という発想です。
それから、これは私の研究室で取り組んでいるテーマの一つですが、魅力的な料理写真、いわゆる“インスタ映え”する写真の撮影を支援する研究もあります。インスタグラムやレシピ投稿サイト、飲食店のレビューサイトなどに料理の写真を投稿する人の多くは「なるべくおいしそうに撮りたい」という需要を持っていると思います。同じ料理でも撮る角度によって魅力的に見えたり見えなかったりしますし、料理の種類や器が変われば魅力的に見える角度も変わります。そんな料理写真の“魅力度”を計算し、「この写真の魅力度は0.8です」「これは0.1」ですというように評価をつけて比べられるようにしたり、「もう少しこっちに回した方が綺麗に撮れますよ」「その位置で撮ると魅力度が高いです」というアドバイスをくれたりするアプリがあったら便利ではないでしょうか。
電子情報通信学会という学会内で設立された研究コミュニティで、食生活における様々な課題を、情報メディア技術によって支援・改善することを目指しています。情報学分野の研究者同士、研究成果を発表し議論と交流を深めるだけでなく、食文化や健康医学といった他分野の研究者、料理に関わる企業・行政などから講演者を招くことで、幅広い観点から「食」について学び、議論を重ねています。
── どんな研究があるのでしょうか?
ひとくくりに「食」といっても様々なフェーズがありますが、食べる前・食べているとき・食べた後に分けるとわかりやすいでしょう。
「食べる前」というのは、献立を立てて、レシピを調べ、調理するというフェーズです。例えば、栄養や嗜好など様々な情報をもとに献立の決定を手助けするシステムや、レシピ提案の手法などが検討されています。料理番組の内容を簡単に把握できるよう、映像を自動で要約するという研究もあります。また、調理に関しては、キッチンカウンターにプロジェクターで情報を投影し、アシストする技術の研究や、遠隔でコミュニケーションを取りながら一緒に料理をするための環境設計について研究している人たちもいます。
──「遠隔でコミュニケーションを取りながら料理をする」というのはどういうことでしょうか?
例えば「遠く離れて生活する孫に、祖父母が料理を教える」というイメージです。昔は三世代が同じ家に住んでいたり、近所に住んでいたりというのが一般的で、食事やその支度を通じて家庭の味の伝達がスムーズに行われてきました。しかし最近では核家族化が進み、二世代間での食の共有はあっても三世代間での共有が行われにくくなっているという課題があります。
そこで、テレビ電話のような手段で離れた場所にいる相手に料理を教えられるシステムがあれば、祖父母が孫に料理を教え、家庭の味を伝える手助けになるのではないでしょうか。料理を教えるという目的をつくることで、交流のきっかけが生まれるという効果もあるでしょう。この研究ではその際に、どういう工夫をすれば、離れたキッチン同士でもうまくコミュニケーションを取り、料理を一緒に作れるのかということを検討しています。
── なるほど。一人暮らしの若者が離れて暮らす親に料理を教わるというシーンも考えられそうですね。
はい。遠隔コミュニケーションで、一人暮らしの食事についての課題を解決しようという研究もあります。現代の食の課題の一つに、一人で食事をとる「孤食」が増えていることが挙げられます。そこで、そういう人同士がオンラインでつながって一緒に食事をする、「共食」のためのコミュニケーション方法について検討しています。ここでは、どうすれば食べながらのコミュニケーションを活性化させられるのか、食べ物はコミュニケーションの活性化にどう影響を与えているのか、ということが研究のテーマになっています。
「食べているとき」における研究としては他にも、食べている物を実際より大きく見せると満腹感を感じやすくなる、音を聞きながらものを食べると食感が変わって感じられる、といったバーチャルリアリティの分野で研究を行っている人たちもいます。微弱な電流によって塩味や苦味を再現できる「電気味覚フォーク」を開発している人もいますね。
── 電気で塩味が再現できるんですか。減塩に役立ちそうです。
はい、そういう使い方が検討されていると思います。最後に「食べた後」について。これは主に、食事前に撮影した画像や映像を、記録したり加工したりネットに投稿したり、という用途に関連した研究ですね。
例えば、レシピ動画の作成を自動化する研究というのがあります。ネットに投稿されているレシピに、料理手順を撮影した映像がついていたらわかりやすいですよね。しかし、調理中の映像そのままでは長すぎて見るのが大変ですし、素人がいちいち編集するのもかなりの手間です。そこで、調理中の映像をレシピの文章に合わせて適当に編集し、自動的に短いビデオにまとめられたら便利なのではないか、という発想です。
それから、これは私の研究室で取り組んでいるテーマの一つですが、魅力的な料理写真、いわゆる“インスタ映え”する写真の撮影を支援する研究もあります。インスタグラムやレシピ投稿サイト、飲食店のレビューサイトなどに料理の写真を投稿する人の多くは「なるべくおいしそうに撮りたい」という需要を持っていると思います。同じ料理でも撮る角度によって魅力的に見えたり見えなかったりしますし、料理の種類や器が変われば魅力的に見える角度も変わります。そんな料理写真の“魅力度”を計算し、「この写真の魅力度は0.8です」「これは0.1」ですというように評価をつけて比べられるようにしたり、「もう少しこっちに回した方が綺麗に撮れますよ」「その位置で撮ると魅力度が高いです」というアドバイスをくれたりするアプリがあったら便利ではないでしょうか。
撮影角度によって魅力度は全く異なる。写真は同一のカレーライスを角度を変えて撮影したもの。それぞれの魅力度を判定した。魅力度は左から、0.04、0.05、0.96で、斜め上からの撮影のほうが効果的なことがわかる
画像を使ったものでは、料理写真から栄養バランスを推定する研究が非常に関心を集めています。料理の画像から、その中にどんな材料が含まれているかを推定し、栄養バランスを計算するという技術で、実際にそういうサービスも始まっています。生活習慣病の予防や食事療法など、食生活の管理に対する需要は高まっていますが、毎日何を食べたのか一つひとつ入力したり、栄養価を計算したりするのは面倒ですよね。それを、写真を撮るだけでおおよその値を計算できるようにすることでハードルを大幅に下げようという取り組みです。
注目されている分野だけあって技術的にもかなりレベルが上がっており、炒め物のように食材がゴチャっと混ざった写真から「ここはお肉」「これはピーマン」ということまで細かくわかるくらいに精度が上がっています。人工知能学会の全国大会や、内閣府が開催する人工知能戦略会議など、様々な場でコンテストが開かれ、高度な競争がなされています。
── 本当にいろいろな研究があるんですね。こういう研究は最近増えてきたものなのでしょうか。
情報学の分野から、料理や食に対してアプローチする試みは、実は50年くらい前から細々と行われています。アメリカでは1960年代に家庭内情報処理システムを自宅に実装した技術者がいます。空調や時計の集中制御、家計簿作成などに使っていたらしいのですが、将来的には献立設計や料理レシピに基づく食材の計算や購入リストの作成、食材の在庫管理などをやろうとしていたようです。
注目されている分野だけあって技術的にもかなりレベルが上がっており、炒め物のように食材がゴチャっと混ざった写真から「ここはお肉」「これはピーマン」ということまで細かくわかるくらいに精度が上がっています。人工知能学会の全国大会や、内閣府が開催する人工知能戦略会議など、様々な場でコンテストが開かれ、高度な競争がなされています。
── 本当にいろいろな研究があるんですね。こういう研究は最近増えてきたものなのでしょうか。
情報学の分野から、料理や食に対してアプローチする試みは、実は50年くらい前から細々と行われています。アメリカでは1960年代に家庭内情報処理システムを自宅に実装した技術者がいます。空調や時計の集中制御、家計簿作成などに使っていたらしいのですが、将来的には献立設計や料理レシピに基づく食材の計算や購入リストの作成、食材の在庫管理などをやろうとしていたようです。
── 最近の便利なスマホアプリみたいですが、コンセプト自体はそんなに昔からあったんですね。
1969年にアメリカの高級デパートが発行したクリスマス用贈答カタログには「Kitchen Computer」と称する1万600ドルもする高額商品が掲載されています。要は調理台のついたコンピューターで、宣伝文句には料理レシピの保存と献立設計、家計簿との連携ができるなどと書かれていましたが、その価格と2週間のプログラミング講習付きと言うハードルのせいか、実際の販売実績はなかったようです。
日本でも1970年に都立農林高校の武藤八恵子先生が、献立設計システムを提案しています。料理レシピや食品標準成分表のデータ、各食材の月別小売価格がデータベース化されていて、様々な条件を設定するとそれに合致する主菜を検索し、適切な副菜と組み合わせて一つの献立として出力されるようになっています。
その後、80年代に入るとAIブームが到来し、AIによる料理レシピの解析や書き換えといった研究が盛んに行われるようになりました。90年代に入ってAIブームが下火になるのと入れ違いに、今度はマルチメディア技術への注目が高まり、料理画像・映像を用いた研究が行われるようになります。また、インターネットが一般化したことで、レシピなどの料理情報を紹介するサービスが登場します。国内の事例としては1998年のCookpadがそうですね。これによって料理レシピ中のテキスト情報や料理画像を認識・解析する研究も盛んになりました。私が食に関する研究をするようになったのもこの頃です。
── 井手先生ご自身はどういうきっかけで食メディア研究を始めたのでしょうか。
最初は、私自身が始めたのではなく、後輩の指導で携わったのが始まりでした。当時は博士課程の学生として、画像情報とテキスト情報を組み合わせたマルチメディア情報処理の研究に携わっていたのですが、修士課程学生の指導を行う際に「漫画」と「料理」、どちらがいいかと尋ねたところ、後者を選んだことがきっかけになりました。どちらも言語情報と画像と、両方セットでないとわかりにくく、マルチメディアコンテンツとしてちょうどいいなと思って提案したのですが、彼女が前者を選んでいたら今頃コミック工学の研究をしていたかもしれません。
はじめのうちは料理番組の映像と副読本のテキストを自動的に対応させる手法について研究していましたが、そこから徐々に範囲を広げて、現在では映像に限らず料理に関わる様々な研究に取り組んでいます。
1969年にアメリカの高級デパートが発行したクリスマス用贈答カタログには「Kitchen Computer」と称する1万600ドルもする高額商品が掲載されています。要は調理台のついたコンピューターで、宣伝文句には料理レシピの保存と献立設計、家計簿との連携ができるなどと書かれていましたが、その価格と2週間のプログラミング講習付きと言うハードルのせいか、実際の販売実績はなかったようです。
日本でも1970年に都立農林高校の武藤八恵子先生が、献立設計システムを提案しています。料理レシピや食品標準成分表のデータ、各食材の月別小売価格がデータベース化されていて、様々な条件を設定するとそれに合致する主菜を検索し、適切な副菜と組み合わせて一つの献立として出力されるようになっています。
その後、80年代に入るとAIブームが到来し、AIによる料理レシピの解析や書き換えといった研究が盛んに行われるようになりました。90年代に入ってAIブームが下火になるのと入れ違いに、今度はマルチメディア技術への注目が高まり、料理画像・映像を用いた研究が行われるようになります。また、インターネットが一般化したことで、レシピなどの料理情報を紹介するサービスが登場します。国内の事例としては1998年のCookpadがそうですね。これによって料理レシピ中のテキスト情報や料理画像を認識・解析する研究も盛んになりました。私が食に関する研究をするようになったのもこの頃です。
── 井手先生ご自身はどういうきっかけで食メディア研究を始めたのでしょうか。
最初は、私自身が始めたのではなく、後輩の指導で携わったのが始まりでした。当時は博士課程の学生として、画像情報とテキスト情報を組み合わせたマルチメディア情報処理の研究に携わっていたのですが、修士課程学生の指導を行う際に「漫画」と「料理」、どちらがいいかと尋ねたところ、後者を選んだことがきっかけになりました。どちらも言語情報と画像と、両方セットでないとわかりにくく、マルチメディアコンテンツとしてちょうどいいなと思って提案したのですが、彼女が前者を選んでいたら今頃コミック工学の研究をしていたかもしれません。
はじめのうちは料理番組の映像と副読本のテキストを自動的に対応させる手法について研究していましたが、そこから徐々に範囲を広げて、現在では映像に限らず料理に関わる様々な研究に取り組んでいます。
マルチメディア調理支援インタフェース「Happy Cooking」。料理番組の映像とテキストを自動的に対応づけする。写真上がレシピ選択・閲覧モード、下が調理支援モード。
研究を始めた頃は、「調理支援の研究をしています」と言うと、怪訝な顔をされることもありましたが、2006年に食メディア研究会の前身である料理メディア研究会が設立され、研究コミュニティが確立されていき、さらにCookpadのようなWeb上の食メディアコンテンツが盛り上がってくると、そんなことを言う人はすっかりいなくなりました。食メディア研究会というコミュニティは、情報交換や議論の場としてだけでなく、互いに味方になったり、興味を持ってくれた若手をサポートしたりして分野を盛り上げていく役割もあると思います。最近は、海外でも、食に関する情報学研究があちこちで立ち上がっていて、我々も国際ワークショップを開くなど活動の幅を広げています。
著者:平松 紘実
科学する料理研究家。食・科学ライター。科学をわかりやすく楽しく伝えたいと考え、大学在学中に、料理のコツを科学で解説するブログを始める。2011年よりライター、科学する料理研究家として本格的に活動を開始。2013年には初のレシピ本『「おいしい」を科学して、レシピにしました。」を刊行。
オフィシャルWebサイト「Official web site」
科学する料理研究家。食・科学ライター。科学をわかりやすく楽しく伝えたいと考え、大学在学中に、料理のコツを科学で解説するブログを始める。2011年よりライター、科学する料理研究家として本格的に活動を開始。2013年には初のレシピ本『「おいしい」を科学して、レシピにしました。」を刊行。
オフィシャルWebサイト「Official web site」
本記事は、日経BP総研とSansan株式会社が共同で企画・制作した記事です。
© 2019 Nikkei Business Publications, Inc. / Sansan, Inc.
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