Lifestyle
公開日: 2021.09.28
各社の発表から探る、欧米自動車メーカーのEV事情
欧米の自動車メーカーのEV化が加速している。

9月に発売が予定されているJeepの新型Grand Cherokee 4xe
7月には、最も電動化と遠くにあるように思えたジープが「2025年までに全てのモデルレンジにおいてフル電動化された4xeモデルを投入し、全世界で販売される7割のジープを電動車にする」と発表。筆者を含めて、世界中のジャーナリストを驚かせた。そんな欧米のメーカーの最前線をここで紹介しよう。
まずは、先に触れたとおり、ジープ。日本でも人気が高いラングラーという伝統的なゴツいスタイルのモデルに、電気モーターを組み合わせた「4xe(フォーバイイー)」モデルは米国で発売して、好調な売れ行きなのだそう。
まずは、先に触れたとおり、ジープ。日本でも人気が高いラングラーという伝統的なゴツいスタイルのモデルに、電気モーターを組み合わせた「4xe(フォーバイイー)」モデルは米国で発売して、好調な売れ行きなのだそう。

JeepはプラグインハイブリッドとピュアEVを4xeと命名
「ジープを電動化すれば、オンロードでの運転の楽しさや効率性はそのままに、オフロードでも静かなまま、高い走破性を楽しんでいただけます」と、ステランティスグループにおいてジープブランドのCEOを務めるクリスチャン・ムニエ氏は語っているほど。
日本でも、2020年に導入された「レネゲード4xe(フォーバイイー)」なるモデルで、ジープの言いたいことが感じられる。このシステムは、前輪はエンジンとモーターのハイブリッドシステムで、後輪はモーターで駆動する、電動化された4WDだ。
日本でも、2020年に導入された「レネゲード4xe(フォーバイイー)」なるモデルで、ジープの言いたいことが感じられる。このシステムは、前輪はエンジンとモーターのハイブリッドシステムで、後輪はモーターで駆動する、電動化された4WDだ。

日本で販売されているJeep Renegade 4xe
レネゲード4xeを運転すると、発進がスムーズで、かつ加速が早く、スムーズな動きが新鮮だ。日本で初めてジャーナリスト向けの試乗会が開かれたとき説明されたのが、「悪路では、出力が微妙にコントロールできるモーターが向いている」(広報担当者)ということ。ジープが電動化と向いている理由なのだ。
オンラインでの記者会見に先立って、ジープでは「Jeep Life Electrified」と題したビデオを公開。そこでは、電動化のスケジュールと、それに伴って、ユーザーとして期待できることが続々とプレゼンされている。
240ボルトの太陽光発電チャージング・ステーションを北米のオフロードの要所要所に設置するのが、2021年7月。2025年7月には、人体認証システムによるドライバ−の特定化とパーソナライゼーションプログラム(ドライバーの好みの設定にすぐ変えられる)の実施が目指されている。
さらに、ピア・トゥー・ピア充電(可能性としてはフリーウェイにロボットアームを設置して自動で充電するシステム)。2030年7月には、オフロードでの自動運転化の実用化が視野に入っている。
ビデオの映像では、トレッキングを楽しむカップルと、無人のジープが並走し、あらかじめ定めたミーティングポイントで、人間と車両が落ち合う。最後は自動運転で家路に着く、というストーリーだ。
ジープが属するステランティスグループは、2021年7月9日にオンラインで、これから2030年あたりまでの電動化戦略について語った。フィアットやアルファロメオなど14のブランドを有する同グループは、パワートレインの共用化をより強く推し進めるという。
動力源であるパワートレインとしては3タイプのEDM(エレクトリックドライブモジュール)を開発し、それぞれがモーター、ギアボックス、インバーターから構成。いずれのEDMもコンパクトで柔軟性が高く、拡張も容易で、かつ、全てのEDMが、前輪駆動、後輪駆動、AWD、4xeに対応するそうだ。
アイコン的なクルマのEV化という点では、ジープに先立って2021年6月30日、仏ルノーグループが、自動車デザイン史に残る「R5」(1972〜1984年)を現代的に解釈してピュアEV化した「5」をデビューさせると発表した。このクルマの要点は、小型であると同時に、廉価であることなのだそう。
「(2019年発表のコンパクトなEVハッチバックである)ゾエでつちかった経験も、小さなピュアEVの開発に多いに役立っています」。ルノーのルカ・デメオCEOは、そう付け加えた。
オンラインでの記者会見に先立って、ジープでは「Jeep Life Electrified」と題したビデオを公開。そこでは、電動化のスケジュールと、それに伴って、ユーザーとして期待できることが続々とプレゼンされている。
240ボルトの太陽光発電チャージング・ステーションを北米のオフロードの要所要所に設置するのが、2021年7月。2025年7月には、人体認証システムによるドライバ−の特定化とパーソナライゼーションプログラム(ドライバーの好みの設定にすぐ変えられる)の実施が目指されている。
さらに、ピア・トゥー・ピア充電(可能性としてはフリーウェイにロボットアームを設置して自動で充電するシステム)。2030年7月には、オフロードでの自動運転化の実用化が視野に入っている。
ビデオの映像では、トレッキングを楽しむカップルと、無人のジープが並走し、あらかじめ定めたミーティングポイントで、人間と車両が落ち合う。最後は自動運転で家路に着く、というストーリーだ。
ジープが属するステランティスグループは、2021年7月9日にオンラインで、これから2030年あたりまでの電動化戦略について語った。フィアットやアルファロメオなど14のブランドを有する同グループは、パワートレインの共用化をより強く推し進めるという。
動力源であるパワートレインとしては3タイプのEDM(エレクトリックドライブモジュール)を開発し、それぞれがモーター、ギアボックス、インバーターから構成。いずれのEDMもコンパクトで柔軟性が高く、拡張も容易で、かつ、全てのEDMが、前輪駆動、後輪駆動、AWD、4xeに対応するそうだ。
アイコン的なクルマのEV化という点では、ジープに先立って2021年6月30日、仏ルノーグループが、自動車デザイン史に残る「R5」(1972〜1984年)を現代的に解釈してピュアEV化した「5」をデビューさせると発表した。このクルマの要点は、小型であると同時に、廉価であることなのだそう。
「(2019年発表のコンパクトなEVハッチバックである)ゾエでつちかった経験も、小さなピュアEVの開発に多いに役立っています」。ルノーのルカ・デメオCEOは、そう付け加えた。

「eWays」と名づけたオンライン記者会見に登場したルノーのLuca de Meo CEO
デメオCEOは、2025年までに欧州で販売されるルノー車の50%を電動化(ハイブリッド含む)、さらに2030年にはその割合を90%に引き上げるとした。最近の報道によると、欧州委員会は2021年7月に、2035年には、ハイブリッドを含めて化石燃料を持つクルマの販売の禁止(提案)を発表したので、この計画はさらに進むかもしれない。
ルノーのデジタル戦略は、先述の5で触れたように、「買いやすい」ことに注目したところに特徴がある。「EV化しても価格が高くては普及しないので、多くの人にとってアクセシブル(買いやすい)なことが大事です」とデメオCEOは言う。
ルノーのデジタル戦略は、先述の5で触れたように、「買いやすい」ことに注目したところに特徴がある。「EV化しても価格が高くては普及しないので、多くの人にとってアクセシブル(買いやすい)なことが大事です」とデメオCEOは言う。

ピュアEV「ルノー5」のスタイリングは1972年発売のベストセラーR5をイメージ
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