どうも中国のスマートフォン販売が芳しくない。中国信息通信研究院の調査報告によれば、2019年1月の中国の(スマートフォンを含む)携帯電話の出荷台数は前年比12.8%減の3404万8000台、4G機に限定しても同11.0%減の3225万台となっている。うち2Gのみ対応の機種は169万3000台となっている。中国で売れているスマートフォンのメーカーは米Appleを除けば中国メーカーで、スマートフォン市場の減少はそのまま中国スマートフォンメーカーの不調へとつながる。


 月々の動きを見ても、5月と10月を除くすべての月で10%以上の減少を記録している。5月と10月が他の月よりも良いのは、それぞれの翌月の6月18日と11月11日にネットショッピングの一大商戦期があることの影響であろう。6月18日はショッピングサイトの京東(JD)による「京東記念日」、11月11日は「独身の日」「ダブルイレブン」「双十一」と呼ばれ、阿里巴巴(Alibaba)のショッピングサイト「天猫」をはじめ、毎年各ショッピングサイトが取引総額で新記録を更新している。他にも商戦日はあるが、中国では特にこの2日がスマートフォンメーカー各社にとって大事であり、ほかの商戦期はスルーしているといえる。


 今まで中国でのスマートフォンの売り方は非常にうまく、買いたくなる動機づけがあった。振り返れば、通信事業者による広告で「1GBメモリーで1GHz CPU搭載で4インチモニター搭載!」「1000元スマホ」とキリのいい数字のスペックを大きく看板に見せたり、スマートフォンメーカーのOPPOが「5分充電2時間通話」という文言で急速充電をアピールしたり、ファーウェイやOPPOやvivoが写真クオリティの良さをポイントにフラッグシップモデルだけをアピールしたりして、とにかく、何を買えばいいかがスマホを知らない人の間でも明確だった。1000元(約16000円)前後で買えるコストパフォーマンスの高い機種を買って恥ずかしくなかったのは今や昔、3000元(約48000円)程度の機種を持つ人が珍しくなくなった。


 「毎年目に見えてより良いスマホを買いたい」と買い続けて3000元程度のスマホを買うところまでたどり着いたのはいいが、その機種は現状最高の部品を集めた中国の有名メーカーのフラッグシップだ。外国メーカーと性能で引けを取らず、様々なアプリを入れても今もきびきびと動き、それ以上の速度は出ない。


 もちろん中国人といえど様々な人がいて、いやいや1000元程度で買える機種への交換でいいよ、という堅実派もいる。筆者はOPPOの最新機種OPPO K1(日本語版はOPPO R17 NEO)という1500元程度の機種を所有しているが、これでゲームをしようが、動画を再生しようが、QRコードをスキャンしてキャッシュレス決済に使おうが、全く不満を抱くことなく動作する。さすがにさらに下の、メーカー不詳の500元もしない怪しい激安スマートフォンになれば、画面やカメラの品質が悪く、動作ももっさりして実用的ではない。とはいえそうした機種は内陸の都市だろうとお目にかかることはそうそうなく、オンラインショッピングサイトで注意深く探さないと見つからないレベルだ。つまり変なモノが好きな筆者のような人間か、リアルショップで高値で売りつけようとする悪徳業者か、あるいは激安なスマートフォンを探していてなんとなく買っちゃう消費者か、そんな人しか買うことはない。


本記事は、日経BP総研とSansan株式会社が共同で企画・制作した記事です。
© 2019 Nikkei Business Publications, Inc. / Sansan, Inc.