Amzon.comが本社のある米国シアトルに、レジ無し店舗「Amazon Go」を開店したのが2018年1月。その様子を紹介した映像で、来店客が商品の陳列棚から次々に商品を選び、自分のバッグに入れて「会計もせずに」出て行ってしまうシーンに驚いた人も多かっただろう。それから、約1年が経過し、米国、中国、そして日本国内でも、コンビニエンスストアなど小売業とスタートアップを中心に、レジ無し店舗を開店する動きが活発化している。


 これらの店舗で共通していることは、AI(人工知能)、カメラ、スキャナーなどを活用し、買い物客がどの商品を手にとったか、その商品を棚に戻したのか、あるいはポケットやバッグに入れたなのかまでを認識していること。会計時に、セルフレジのように商品をスキャンする必要のない「Just Walk Out」のシステムで、決済を意識することのない「フリクションレス(手間がかからない)体験」を提供できる。

Amazon Go以降、続々登場のレジ無し店舗

 Amazon Goの第1号店開店以降、米国では、スタートアップを中心に無人店舗の開店が続いた。一例を紹介すると、AI(人工知能)を活用した小売店の無人化システムを手がけるStandard Cognitionが、2018年9月に直営店「Standard Market」をサンフランシスコ市内にオープン。同社のレジ無人化システムの「Standard Checkout」を導入し、Amazon Goと同様に、来店客が欲しい商品を手に取って店舗から出て行くだけで買い物ができるJust Walk Outを実現している。


 無人店舗のシステムを開発するスタートアップの取り組みも活発だ。サンフランシスコを拠点とするZippinも、Just Walk Outのシステムを開発し、2018年8月にはサンフランシスコに無人コンビニ1号店を開店した。


 また、サンフランシスコ郊外のマウンテン・ビューにあるInokyoは、Just Walk Outのシステムでありながら、「何もせずに店を出るのは気が引ける」という人のために、あえてスマートフォンのアプリによるスキャンを組み合わせたシステムを開発している。

中国はレジ無し店舗の先進国

 一方、中国は無人店舗の実用化において、米国よりも先行しているといえるだろう。Amazonは、2016年終わりにAmazon Goのコンセプトを発表してから1号店を開店するまでに約1年かかったが、中国での動きはずっと速かった。中国のネットショッピング最大手のアリババが、すぐさまレジ無し店舗の実用に取り組み、約半年後の2017年7月には、試験的とはいえレジ無しカフェ「TAOCAFE」を一般公開した。アリババは、その他にも無人レジのスーパー「盒馬鮮生(フーマ)」を開店し、上海や北京など中国の各都市に約65店舗を展開しているという。


 アリババに続き、同じくネットショッピング事業で中国第2位のJD.com(京東集団)は2018年1月、山東省にレジ無しスーパー1号店を開店。中国国内で約20店舗を展開しているほか、2018年8月には、インドネシアのジャカルタに「JD.ID X-Mart」をオープンしている。


 それ以外にもZhongshan BingoBox technologyも、アリペイやWeChat Payのアプリと連携したセルフレジを備えた無人コンビニの「Bingo Box」を開店。中国国内の30都市でレジ無しコンビニを300店以上を運営しているという。こうした各国の状況を以下にまとめてみた。


本記事は、日経BP総研とSansan株式会社が共同で企画・制作した記事です。
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