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Business 公開日: 2019.04.26

地球を救え!JAXAら30以上の組織が「宇宙食」プロジェクト

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JAXAが日本企業と共に立ち上げた宇宙食プロジェクト「Space Food X」。宇宙食を通じて我々の食卓をより豊かにすることを目指すプロジェクトだ。

 最高の極限空間、宇宙。近年、この宇宙を舞台にしたビジネスが活性化しつつある。国内外の様々な機関や企業が、2030年から2040年頃をターゲットに、月面宇宙基地の建設や火星の有人探査といった挑戦的な目標を掲げている。

 そんな中、JAXA(宇宙航空研究開発機構)らが、宇宙で人が生活する時代を見据えて「Space Food X」プロジェクトを立ち上げた。宇宙での食料の生産・供給を実現しようとする取り組みで、2019年3月にプロジェクトの開始を宣言。構成組織である「Space Food X イニシアチブ」には30以上の国内企業、大学、研究機関、有識者が名を連ねる。

 「難易度の高い目標に挑戦することで見えてくるものが必ずある。このプロジェクトは、いわば食分野におけるF1レースだ」

 プロジェクトの企画運営を担うJAXAの菊池優太氏(新事業促進部事業開発グループJ-SPARCプロデューサー)はこう話す。プロジェクトの企画運営はJAXAのほかベンチャーキャピタルのリアルテックファンド、経営コンサルティング会社のシグマクシスの計3組織が共同で担う。

 「食には栄養、衛生、生産、環境、そして楽しみといった多様な側面がある。プロジェクトを通じて、宇宙という極限空間における食を考え実現する。これを通じて、地上における食の問題の解決策を見いだしていく」と語る菊池氏。Space Food Xが狙う「宇宙食」の姿と地球へのインパクトを聞いた。

宇宙食はすでに私たちの食に影響を与えていた

宇宙食というと面白そうですが、一般生活とはつながりが弱いというイメージがあります。

菊池 実は宇宙食の技術は、私たちが日常で食べているものに大きなインパクトを与えてきました。例えば米NASA(アメリカ航空宇宙局)の「アポロ計画」で宇宙飛行士に配られた食品にはフリーズドライやレトルトの技術が適用されました。その成果はいま市場に出回っている食料品に生かされています。NASAには「フードラボ」という組織があり、ここで宇宙食の研究開発や製造を手がけています。

 最近、「HACCP(ハサップ)」という衛生管理についての認証制度が話題になっていますよね。日本では2018年の食品衛生法の改正により、食品事業者は原則としてHACCPに基づいた衛生管理が義務化されました。このHACCPもアポロ計画から派生したものです。

 宇宙飛行士は宇宙空間という極限の世界で、最高のパフォーマンスを出さなければなりません。もしクルーの一人が、食品が原因で体調を崩して活動できなくなったとしたら、とてつもなく大きな損失になります。そのため宇宙食は有人宇宙活動の当初から徹底的に管理され、そこで長期保存や衛生管理のノウハウが蓄積されてきました。それが巡り巡って、地球に住んでいる私たちも恩恵を受けているというわけです。

宇宙食には、どのくらいのバリエーションがあるのでしょうか。

菊池 無重力の閉鎖空間なので制限はありますが、日本では食品メーカーをはじめとした関係者の努力により、バリエーションが豊富になってきました。過去には野口聡一さんが宇宙食ラーメンの「スペース・ラム (Space Ram)」を2005年のミッションでスペースシャトルに持ち込みました。こちらはJAXAと日清食品の共同開発です。

 米露日など15カ国が共同で運営する国際宇宙ステーションでは、各国の宇宙飛行士が入れ替わり滞在して活動しています。彼らへの標準食としては約300種類のメニューが用意されています。その中から選ばれるメニューが、宇宙飛行士が滞在する間の食事の85%を占めています。残りの15%は「ボーナス食」という位置づけで宇宙飛行士一人ひとりが選択できるようになっています。

 日本人の宇宙飛行士は、日本で開発された日本の宇宙食をボーナス食として宇宙に持ち込んでいます。JAXAでは「宇宙日本食」という認証制度を設けていて、これに基づいて18の企業や団体が33種類の宇宙食を作っています。宇宙ステーション内で宇宙飛行士同士が宇宙食を交換することもあり、宇宙日本食は海外の宇宙飛行士にも好評だそうです。

 食には、生命維持や健康維持のためのものというだけでなく、楽しみであったりコミュニケーションの機会であったりと、文化的な意味合いもあります。実際、宇宙飛行士の話を聞くと、極限の世界で重要なミッションをこなす中、食事の時間はリラックスできるプライベートな時間であり、また他のクルーと気軽なコミュニケーションをとるための時間でもあるといいます。

 そこから考えると、宇宙食だからこそ、単に栄養を満たすというだけでなく、味やバリエーション、見た目、食べ方に工夫を施す必要があります。宇宙飛行士がミッションをクリアするための重要な要素と言ってもいいでしょう。

2040年、月面基地の宇宙食とは?

宇宙空間に人が長期的に住む場合の食は、どのようになるのでしょうか。

菊池 Space Food Xプロジェクトでは宇宙での食料生産・供給を幅広い観点から実現しようとしていますが、メインのターゲットとして「2040年に月面に基地が建設され、常時1000人が滞在する」という姿を想定しています。その際の食卓のイメージが次の図です。
2040年の月面基地における食卓のイメージ(画像提供:Space Food X)

どんなテクノロジーが使われると想定していますか。

菊池 いくつかありますが、ひとつは植物工場です。現在も地球に植物工場がありますが、宇宙空間においては新鮮で栄養価の高い野菜をより早期に育てることが求められるようになるでしょう。

 タンパク質も欠かせませんが、ここには培養肉などの技術が適用されると見ています。

 3Dフードプリンターも重要なツールとなります。個人のバイタルデータや過去の栄養摂取記録に基づいて、その日最もふさわしい食事を推奨し、その場で製造するようになると考えられているからです。現在、宇宙ステーションにいる宇宙飛行士については、地球の医師がリモートで一人ひとりの健康をチェックしていますが、通信帯域は非常に貴重ですので、宇宙側で健康管理が完結すればそれに越したことはありません。フードテックとパーソナルヘルスの融合は、とても期待度が高い分野です。

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