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Business 公開日: 2019.05.21

水田の水管理をスマートに、デジタルな水門で支援する美味しい米づくり

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美味しい米づくり。その達成を目指す気鋭のベンチャー企業が手がけるのは、水門の管理のデジタル化だ。

 日本有数のコメどころ、富山県。ここに本拠地を置くスマート農業分野のベンチャー企業がある。笑農和(えのわ)だ。

 笑農和が開発を進めているのは、稲作のスマート化を支援する「paditch(パディッチ)」。水田に取り付けるIoT水門デバイスと、それをコントロールするクラウドサービスおよびアプリで構成するソリューションで、2019年に新バージョンの「paditch gate 02+」 をリリースした。

 特徴的なのは、このうちのIoT水門デバイスである。従来の水門を置き換える形で、水路と水田の間に設置。これで水田の水位をコントロールする。

 水門デバイスの最大のポイントは、遠隔操作できること。農家はスマホやPCから、アプリ上で水門の開け閉めを遠隔で実行できる。これまで農家は、直接その場に行って水門を操作していた。
スマート水門「paditch gate」の水門デバイス(出所:笑農和)
水門デバイスの設置の様子。水路と水田の間に設置し、水田の水位をコントロールする。スマホなどの端末を通じて水位や水温を把握し、遠隔で水門を開閉できる。タイマー設定による自動開閉も可能(出所:笑農和)
 「稲作の水管理はいまだ手作業の世界。稲作農家の作業時間の25%はこれに費やされている」。笑農和の代表取締役を務める下村豪徳氏はこう語る。刈り取りなどは機械の導入によって効率化できるものの、「水門の開け閉めはその場に行ってやらざるを得ない作業だった」(下村氏)という。
一方で、水管理は篤農家の腕の見せどころでもある。一般的に寒暖の差が大きいほどコメの甘みが増す。そのためコメは苗を植えた後の水温調整が一つのポイントとなる。気温や地域特性などによって変わってくるが、例えば冷たい水を水田に入れるため夜間に水門を開ける場合もあれば、適温になった水を入れるために日が昇ってから水門を開けるケースもある。

 水かさ、つまり水の深さの設定についても農家それぞれにノウハウがある。浅めにするケースもあれば深めにするケースもあり、これも稲の状態や栽培環境によって最適解が変わってくる。「明文化されていないノウハウがたくさんある」(下村氏)のが、この水管理の世界だ。

従来の水管理は人手ベースで負担が大きい

笑農和の下村豪徳代表取締役(筆者撮影)
 このように、おいしい米づくりのためには、水管理にかなりの負担を伴う。水管理は生育初期から刈り取りまでの4カ月~6カ月の間に行うが、作業負担としては平均で1日6時間程度。暗い中で水門の開け閉めを行うこともある。こだわりのある農家ほど水管理に妥協したくなく、水門への道を急いで用水路に落ちてしまう事故も発生している。特に大きな用水路であれば命にも関わる、深刻な課題である。

 また、突然天気が大荒れになれば水門を調整しなければならず、その場合は雨風の中でも水門に行くことになる。特に近年は異常気象と言える現象が多発しており、天気の動向から目が離せず、心身の負担も高まっているという。

 これに重ねて問題になっているのが農業従事者の高齢化だ。稲の刈り取りなどの作業についてはすでに機械化が進んでいるものの、水管理は手作業。このため年齢を重ねると負担感はますます高まる。

 一方、若手世代の稲作農家は管理する水田の枚数が増える傾向にある。高齢農家の引退によって、若手農家に地域の水田の管理がまとめて託されるケースが増加しているからだ。もともと人手不足である上に、管理の負担増が重なって悲鳴をあげる若手農家も少なくない。

 「だからこそのスマート水門だ」と下村氏は強調する。既に前モデルの「paditch gate 02」については2018年度中に約100台のデバイスを出荷しており、面積にして33~34ヘクタール程度(東京ドーム6個分強)の水田の水管理に利用されている。「何よりものメリットは、田んぼに足を運ばなくても済むこと。導入農家にはそのメリットを実感していただいている」と下村氏は反響を語る。

 2018年11月にはイベントの「paditch summit 2018」を開催。導入ユーザーを含めて約50人が来場し、笑農和に対するフィードバックが多数寄せられたほか、来場者同士における情報交換がなされたという。

 2019年度にリリースした第2弾の「paditch gate 02+」では、先行ユーザーのフィードバックを受けて機能を強化した。最大の強化ポイントは管理精度の向上だ。アラート機能を強化して水門の状態をよりきめ細かに把握できるようにしたほか、センサーの感度を調整して実際の現場で適用しやすい仕様にした。

 「屋外は環境条件が多様なので、設置状況によってはセンサーの感度が良すぎて余計なアラートが出たり、逆に鈍くて反応しなかったりといった状況があった。こうした声を踏まえて、より適切な管理ができるように工夫した」(下村氏)。

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