※ 上の写真はAppleの新本社「Apple Park」(出所:Apple)

 時価総額1兆ドル超えを達成した米Apple。格安スマートフォンを中心としてAndroid陣営に押されてはいるものの、いまだ存在感は大きい。研究開発(R&D)投資は、2017年で約1兆4000億円と膨大だ。


 Appleは何を見据えて、これほどの投資をしているのか。デジタル社会の未来を考えるとき、Appleファンでなくとも、その動きと狙いは気になるところ。以前紹介した「207社と309億ドル、M&Aの動きから見るGoogle」に続き、今回はAppleに関して、R&Dに関連した動きと、M&A投資の傾向を見てみよう。

売上高比率にすると5%に過ぎないR&D投資

 GAFAの中でも、Appleは売上高が最も大きい。2017年は2292億3400万ドルに上る。これに対しR&D投資は2017年で115億8100万ドルで、売上高比率でみると、わずか5.1%しかない。


 AppleがR&Dに消極的だというわけではないし、2014年の3.3%、2015年の3.5%、2016年の4.7%に比べれば金額は増え、しかも年々伸びている。ただ、Googleが売上高の約15%、Amazon.comが約12%、Facebookは20%以上を投じているのに比べると、比率が低い。


 あくまでも考え方の一つだが、この背景として、自力での技術開発以外に、技術開発を担う存在がある、という事情が考えられる。


 iPhoneという巨大市場を握るAppleの背後には、巨大なサプライチェーンがある。付随する技術をすべて自社で持たなくても、サプライヤーが提供してくれるわけだ。先進的な技術も、Appleの購買力を期待したサプライヤーが、自ら研究し、それを実装した製品としてAppleに納めてくる。


 こう考えると、Appleとしては、R&DにしてもM&Aにしても、より先進的かつ自社で手掛ける意味のある領域に投資を絞り込める。そうして効率的な研究開発の体制を築いていると考えてよさそうだ。


 実際、2017年のアニュアルレポートを見ると、こんなコメントがある。


「我々は、研究開発におけるフォーカスされた投資こそが、今後の成長と市場での競争力あるポジションの確保、そして新たな製品/サービス開発のために極めて重要だと確信している」


本記事は、日経BP総研とSansan株式会社が共同で企画・制作した記事です。
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