不動産業界におけるIT活用が本格化してきた。スマートフォンだけで賃貸手続きが完結する新サービスのほか、AIを使った不動産推定額の評価サービス、VR(バーチャルリアリティー)技術を使った遠隔地からの物件内覧など、IT技術を活用したサービスが次々と登場。さらには、異業種がITを活用して不動産業界に新規参入したほか、海外発のITを活用した不動産サービスも日本に上陸した。2019年における「不動産テックの10大ニュース」を紹介し、変貌する不動産業界の「今」を解説する。

Amazon、楽天、OYO、大手企業が不動産事業に参入

1.Amazonが不動産事業に参入

 通販事業最大手のAmazonが、不動産事業に参入した。米国の大手不動産会社と提携して「TurnKey」という名称の不動産サービスを開始。これは、不動産の購入希望者と地元の仲介業者をつなぐサービスだ。購入希望者はAmazonのサイトに住みたい都市名などを入力すると、TurnKeyがその地域の不動産仲介業者を紹介し、両者をマッチングさせる。仲介業者に希望の物件を探してもらい、売買契約が成立すると、Amazonから購入額に応じた引っ越し特典を受けることができるという仕組みになっている。住宅購入プロセスの簡素化になると期待が寄せられている。


TurnKey
TurnKey

2.楽天市場で住宅・不動産の購入申し込みが可能に

 楽天が運用するオンラインショッピングモール「楽天市場」に、「住宅・不動産ジャンル」が新設され、住宅や不動産の購入申し込みが可能となった。出店は2店舗からスタート。日本ユニシスが運営する「MY HOME MARKET 楽天市場店」では規格住宅を取り扱っており、VRを使って内覧しながら購入の検討ができるのが特徴となっている。LIFULLの運営する「LIFULL HOME’S 楽天モール」は、アパートやマンションなどの投資物件を取り扱っている。契約が成立すると、物件価格の1%相当の「楽天スーパーポイント」が付与される。



3.インド発のホテルベンチャーが日本でサービス開始

 2018年10月に日本に上陸したインドのホテルベンチャーであるOYO Hotels & Homes(以下、OYO)が、日本でのサービスを開始したのが2019年3月。ヤフーとの合弁会社を設立し、スマートフォンだけでホテルの宿泊予約をするように部屋が借りられる日本初の賃貸サービス「OYO LIFE」を提供。敷金、礼金、手数料は無料で、家具や家電付き、公共料金も含まれているため、入居してすぐに暮らせるのが魅力だ。「旅するように暮らそう」がコンセプトで、2年契約の縛りもなく、最短1カ月から入居できるなど、日本の賃貸の常識を打ち破るサービスに衝撃が走った。ヤフーとの提携については2019年12月に解消。今後はOYOグループとして、OYO LIFEのサービス拡充を図るという。