「大人はすげえ楽しいよ!」好きを基準に次の世代へ背中を見せる

実際に参加された方同士のコラボレーションも生まれていますか?


新城:まだ公表はされていませんが、各所でコラボレーションが生まれ始めています。ただ、僕たちの課題でもあるんですが、60人、80人で飲みながらのディスカッションなので、どこで何が起こっているかを把握しきれていないんです。


 もちろん、参加者同士でどんどん勝手にやっていただきたい。けれど、もしかしたら自分たちが少し介入すれば、もっと前進するプロジェクトもあるかもしれない。僕らが取りこぼすことで、プロジェクトがフワっと消えているならもったいないので、最後のトンっていう一押しをしていきたいと思っています。


 カンブリアナイトは、足りないものを持ち寄る場所です。楽しさだけじゃなく、ここで人が繋がりあうことでサービスがどんどん増えていってほしいし、後押しになるなら、僕らのネットワークも活用してもらいたい。


 これからは、カンブリアナイト自体を実験場として、未来の萌芽が芽生える瞬間を見える化し、ちゃんと種火まで燃やせるような仕組みを考えていきたいと思っています。


各所で様々なサービスが生まれていくといいですよね。


新城:そうですね。そういう意味では、カンブリアナイトのオープンソース化も考えています。カンブリアナイトは、2カ月に一度東京で開催しています。去年からは3カ月に一度、関西でも開催しています。今後は、「みえる・わかる・できる・かわる」のフレームワークを活用して色んな人たちが、自分企画の「俺カンブリアナイト」を好きな場所で開催してくれるようになったら面白いと思うんです。


 そのため、カンブリアサイクル自体も、クリエイティブコモンズで自由に改変できるライセンスにしています。


 僕たちは、ヒューマンセンシングを軸に「みえる・わかる・できる・かわる」のカンブリアサイクルを回していますが、このフレームワークは中心を差し替えれば他でも使えます。飲食店経営や建築領域でやってみてもいい。自分が好きなもの、関心があるものを種に、そこから周りの人たちを巻き込んでいくことができるのだと思うのです。


ジャンルを問わず俺カンブリアナイト。


 これからの時代は、自律分散型で、みんなが自分の好きをきっかけに、社会にコミットする時代を迎えていくと信じています。ですので、自分の世界を変える第一歩を生み出す、人と共にそれを進められるようになることが大切なんじゃないでしょうか。


 自分でプロジェクトを立ち上げ、仕事自体を作ることもそう。副業が解禁されても、頼まれた仕事をハイパフォーマンスでできる人と、ゼロから自分で仕事を作れる人とでは、その動きが全然違うものになると思います。


 このカンブリアサイクルは自分でプロジェクトを起こしてみるツールとしても使ってほしいです。自分の関心がある分野をサイクルの真ん中に置き、どういう形でプロジェクト化するか、どう社会に影響を与えるチームを作るかを可視化して考えられる。このサイクルが活用されれば、社会も僕らも想像できないような、多様な動きが生まれるんじゃないかなと期待しています。


好きをきっかけに、仕事もサービスも広がる時代。ワクワクしますね。


新城:そう、そのワクワク感が大事なんですよ。僕たち大人のワクワク感は、次の世代、子供たちが見ています。上の娘が大学生のころ様々な社会活動をしていたんですが、共通の知人から「娘さんが色々な活動をしているのは、お父さんの仕事の仕方が面白そうだと思ったからだ、と言っていましたよ」と言われて大号泣したことがありました。子供たちは何も言わなくても、僕たち大人のことをちゃんと見ています。


 僕たちは、大人はすげえ楽しいよ!というのを次の世代に見せていかないといけない。彼ら、彼女らの生き方自体もそうあって欲しいなら、なおさら見せていく必要がある。


 だから、カンブリアナイトで、アホみたいにお酒を飲んで、青臭い話をして、自分の好きを軸に未来を変えていく活動をワクワクしながら試してみる。そして、その思い描いた未来を現実の形にしていく。それってとても大切なことだと思うんです。