スポーツ領域におけるデジタル技術やデータ活用が急速に広がっている。スポーツにおけるデータ分析としては、2011年に話題を呼んだ映画「マネーボール」が好例だろう。データ分析に基づいてメジャーリーグ球団の再建を題材にした映画である。ただ、現在のスポーツ領域におけるデジタル技術の活用方法は、もっと多岐にわたる。「新しい視聴体験」「ゲーム・マネジメント」「ファン・マーケティング」「街おこし/地方創生」「eスポーツ」といったものだ。

 比較的著名な動きである、選手のコンディション管理や、サッカーのロシア・ワールドカップで注目を浴びたビデオ・アシスタント・レフェリー(VAR)のようなコンピュータ判定支援システムは、既にかなり広範囲に導入されてきている。コンディション管理を手がけるユーフォリアは、30競技、250チーム以上を支援している。一方、VARでも利用されているソニーの「ホークアイ」も、既に25種類以上のスポーツで採用されているという。

 こうした動きを受けてか、スポーツビジネスに関するカンファレンスは増える傾向にあり、それぞれへの参加者も数多い(写真1)。テーマとして最も目立つのは、デジタル技術を活用したビジネスだ。

写真1 国内でもスポーツビジネスへの関心が高まっている
写真は2018年8月2日と3日に開催された「SPORTS X Conference 2018」の様子。

 このような「スポーツのデジタル化」には、多くの期待がある。一つにはスポーツの楽しみが増えること。プレーヤーにとっては、データを活用することでより高いレベルのパフォーマンスを達成できる。観戦者にとっては、選手のパフォーマンスそのものに加え、データを活用した分析もまた、見る楽しみの幅を広げてくれる。例えば、人気スポーツには専用のWebサイトやスマートフォン向けアプリが提供されており、選手やチームの勢いを示すデータを見ることも楽しみ方の一つになっている。

アメフト、ラグビー、サッカーなどの試合ではGPSで選手の動きを克明に捉える(Catapult Sportsが公開している動画)