Features Business 公開日:2019.01.31
「データビジネス」へと変貌するフードビジネス
CES2019で、にわかに活気づき始めた食関連の製品とサービス。食関連のビジネスも「データの時代」に突入する。

「2000年以降のデジタルの時代、2010年以降のコネクテッドの時代を経て、今後はデータの時代を迎える」。これは、CES2019に先駆けて行われたプレス向けイベントで、主催者のCTA(Consumer Technology Association)が示した技術トレンドだ。ユーザーが保有するデバイスが単にインターネットや周辺の機器につながるだけでなく、人工知能(AI)と結びつくことにより、収集されたデータが分析されてユーザーの役に立つ形でフィードバックされるようになる。

主催者CTAは、2020年以降「データの時代」が到来すると予測
レシピと家電の連携でユーザーの挙動を知る
CES2019では、食まわりのイノベーション「フードテック」領域で「コネクテッドからデータ」への進化を予感させられた。ここ数年、インターネットに接続された調理家電や音声コマンドで操作が可能な製品が出展されたが、それを発展させたかたちで、ユーザーデータに基づいた新しい体験、新しいサービスが展開されることが期待できる。
ユーザーの挙動を知る手段として有望視されているのがレシピサービスである。レシピサービスを使い込めば使いこむほどユーザーの挙動や好みが分かるようになり、そこからユーザーの趣味嗜好に合わせたミールキットの販売が可能になる。レシピだけでは「見た」ことが分かるだけで実際に調理したかどうかは分からないが、調理家電と連動させることで実際に「調理した」ことが分かるようになり、ユーザー情報の精度が上がる。その情報に合わせてユーザー好みの食材を提案しようというわけだ。
最初のステップとして、レシピと家電を連動させる取り組みが盛んになっている。CES2019の展示会場では、レシピ開発企業と大手家電メーカーとの連携を見ることができた。例えば大手家電メーカーの米Whirlpoolは、買収したレシピアプリ開発企業Yummlyを全面に押し出し、Whirlpool傘下のブランドKitchenAid製の調理家電がレシピの進行に合わせて自動的にコントロールされるという内容をアピールしていた。
ユーザーの挙動を知る手段として有望視されているのがレシピサービスである。レシピサービスを使い込めば使いこむほどユーザーの挙動や好みが分かるようになり、そこからユーザーの趣味嗜好に合わせたミールキットの販売が可能になる。レシピだけでは「見た」ことが分かるだけで実際に調理したかどうかは分からないが、調理家電と連動させることで実際に「調理した」ことが分かるようになり、ユーザー情報の精度が上がる。その情報に合わせてユーザー好みの食材を提案しようというわけだ。
最初のステップとして、レシピと家電を連動させる取り組みが盛んになっている。CES2019の展示会場では、レシピ開発企業と大手家電メーカーとの連携を見ることができた。例えば大手家電メーカーの米Whirlpoolは、買収したレシピアプリ開発企業Yummlyを全面に押し出し、Whirlpool傘下のブランドKitchenAid製の調理家電がレシピの進行に合わせて自動的にコントロールされるという内容をアピールしていた。

Whirlpoolは、同社傘下のKitchenAid製の調理家電がレシピの進行に合わせて動作することをアピール
中国Haierが買収した米GE Appliancesは、Haierブース内でスタートアップ企業の米Hestan Smart Cookingと共同で、アプリと家電を連携させた調理を実演した。Hestanは、動画付きのレシピアプリと温度調節が可能な調理家電を提供している。このほかHaierブース内では、GE Appliances製家電と複数のレシピアプリとの連携例が紹介されていた。連携先のスタートアップ企業には米Innitや米SideChefなどがある。Haierも独自の連携サービスを展開しており、価値あるユーザー体験の発見に向けて試行錯誤中という印象だ。

米GE Appliancesと米Hestan Smart Cookingは、アプリと家電を連携させた調理を実演