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Features Business 公開日:2019.04.24

「押し付けの協業」は進まない、どうすれば自分ごとにできるのか

多くの組織が取り組むオープンイノベーション。しかし、適切なパートナーを見つけ、方向性を共有し、製品やサービスにしていくことはとても難しい。オープンイノベーションの「実践」「演出」の極意を聞く。

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※ 上の写真は、牛尾 隆一氏(左)と鹿内 学氏(右)
 多くの組織が「オープンイノベーション」を掲げ、他の組織と共同で新しい商品やサービスの創出に取り組んでいる。しかし、適切なパートナーを見つけ、方向性を共有し、製品やサービスにしていくことはとても難しい。村田製作所でオープンイノベーションの推進役を務める牛尾隆一氏は、「エンジニアが“自分ごと”にしてもらうことが大事」という。また、複数の企業でデータサイエンティストとして働く鹿内学氏は「イノベーション創出には、実証実験に積極的に参加してくれる“顧客パートナー”も大事」と語る。「人を測る(ヒューマンセンシング)」に関する様々な領域の人たちが集まり交流する場所、「カンブリアナイト」の常連でもある2人に、オープンイノベーションの「実践」「演出」の極意を聞いた。

「新規事業のために外へ出ろ」、でもどこへ?

他社との協業、いわゆるオープンイノベーションの推進役をされているお二人ですが、それぞれの組織の中でどのような活動をされているのか具体的に教えていただけますか?
牛尾:私は、新事業推進部の中で「オープンイノベーション推進チーム」に所属し、新規事業を生み出すというゴールに向かって、オープンイノベーションという手法を使って、新しいことを作ることに特化しています。私自身が、というよりも社内の技術者に新しいものを生み出してもらう仕事です。

 新しいことというのは、社内で考えていてもネタやアイデアは限られます。同じバックグラウンドを持った人たちが集まっているだけでは、なかなか面白いものは出てきません。だからと言って、技術者に対して単に「外へ行け」と言われても、どこへ行けばいいのか分かりません。そこで、外部の方と出会える場作り、コネクション作りをして、専門領域とは違う人と接することで、「こういう面白い話があるのか」と自分自身で見つけてもらって、事業開発のスタートを切ってほしいと願っています。
牛尾さんが見つけて来て紹介するのではなく、技術者が「自分自身で」なのですね。
牛尾:当初は、自分でやろうとしました。でも、「こんな面白い技術がありますよ」「こんな面白い人がいますよ」と持っていっても、「じゃあ、いきましょう」と乗り気になることはまずない。他人に言われても自分事にならないんです。「自分が見つけた」というスタートを切れていないことが問題だと分かったんです。

 そこで考えました。「こういう人同士を会わしたら、当人が自分できっかけを見つけてくれるんじゃないか」という仮説までは作っておいて、何が生まれるかは分からないが、とにかくたくさん機会を作って会わせてみようかと。ほぼ毎回参加しているカンブリアナイトは、私の狙いに一番近い場所の一つとしてフルに使わせてもらっています。

鹿内:事業開発といったとき、村田製作所さんが主力のプロダクト以外に、サービスも手がけられるんですか?

牛尾:確かに電子部品の会社なので、サービスを軸にした事業は得意ではなくて、今は「できたらいいね」という段階です。ですから、外の人と会ってサービスを自ら作るというよりも、サービスに合わせた商品を開発するということが多い。ただ、自ら限定しているわけではなく、サービスを狙おうという思いもあります。ハードウエア売りだけではビジネスとしておもしろくないとき、サービスをつけてもっと大きなビジネスモデルを描きましょう、ということで企画担当者が入ってやっていこうということになっています。
村田製作所のオープンイノベーションの推進役を務める牛尾氏

イベント内での会話は「小さな発表」

鹿内さんと最初にお会いしたときは、ちょうど大学の研究者から民間に転じられたタイミングでした。その後、いくつかの企業で活動されていますね。
鹿内:自身の会社としてシンギュレイトを共同で立ち上げ、Chief Scientific Officer(CSO)として活動しています。もともとデータサイエンスが得意で、人材派遣のパーソルグループのミイダスでは、採用におけるダイレクト・リクルーティングシステムのサイエンスチームに業務委託という形で参加しています。ほかには、不動産事業を手がけるLIFULLのAI戦略室でデータサイエンスパートナーとして、技術支援をしています。

 民間に移ってすぐに新城さんと出会い、カンブリアナイトの初回に会場を提供し、登壇もさせてもらいました。今は、サービス開発をやっていますが、顧客開発のような仕事が多くて、営業的な要素も入っています。具体的には、各種センサーからのデータでオフラインのコミュニケーションを理解したいというものです。今年はデバイスも作りたいと思っています。
発表の機会は毎回あるわけではないですが、カンブリアナイトでは非登壇時にどのように活動されているのでしょう。
鹿内:私自身では、イベント内でのコミュニケーションが「小さい発表」だと思っています。今手がけていることを言葉にすることがある種のトレーニングになっていて、サービスが固まってくる感があります。

 いろいろな方と一緒に仕事したいと思って、コラボできそうな相手を「がっついて」探しています(笑)。例えば、カンブリアナイトの常連である感情分析サービスを手がけるEmpathとも仕事しています。
パーソルグループやLIFULLでデータサイエンティストとして技術支援している鹿内氏

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