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Features The Dawn of DX ── デジタル変革が導く未来 公開日:2022.08.26

ペーパーレス化を進める方法とは? 必要性やメリットを徹底解説

 ペーパーレス化の動きが加速している中、その進捗具合は各社さまざまだ。導入を検討しているところもあれば、ある部門だけ普及が進まない企業もある。本記事では、ペーパーレス化の必要性やメリット、推進するにあたり、ポイントなどを解説した上で、おすすめのツールもあわせてご紹介する。

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【画像】Shutterstock

ペーパーレス化とは何か?

 ペーパーレス化とは、資料や請求書といった紙媒体の文書を電子化して保存・活用することを意味する。オンライン化が加速して業務のデジタルシフトが進む現代において、ペーパーレス化は避けて通れないだろう。ペーパーレス化を導入するにあたって、単に紙を電子化するだけにとどまらず、電子化したデータによって業務効率の向上やコスト削減を果たすのが本来の目的である。

ペーパーレス化はなぜ必要なのか?

 デジタルシフトが進む昨今ではペーパーレス化が推進され、導入を進める企業も多い。しかし、そもそもなぜ導入する必要があるのか。理由は主に以下の三つが考えられる。

業務効率や生産性の向上

 昨今のビジネスでは、業務効率や生産性の向上、コスト削減のためにDX(デジタルトランスフォーメーション)が進んでいる。ビジネスモデルを変革して成長を図るDXにおいては、業務のデジタル化が必須でありペーパーレス化もその一つである。ペーパーレス化することで情報をオンライン上に集約して利活用しやすくなる上に、紙の文書を保存していたスペースを削減したり紛失を防いでセキュリティを強化したりすることができる。

働き方改革の推進

 柔軟な働き方を推進するためにもペーパーレス化は欠かせない。近年、新型コロナウイルス感染症拡大によりテレワークの導入が一気に進んだ。テレワークの実施に伴いオフィスにある文書をオンライン環境で使うために電子化する必要が生じ、ペーパーレス化への需要が高まった。なかでもバックオフィス部門は請求書の処理や会社案内の送付など、テレワークの障害となりうる紙の文書を扱うことが多いため、電子化に手を焼いている企業も多いだろう。

環境保護

 ビジネスシーンだけでなく、環境保護の観点からもペーパーレス化の必要性が高まっている。最近では世界的にSDGsへの取り組みが進んでおり、環境負荷を抑えた消費生活が求められている。紙も木材を資源としており、リサイクル紙であったとしても本来は木材から作られていることもある。また、紙の焼却で二酸化炭素が排出されれば地球温暖化の原因になりかねない。紙の消費を抑えて地球環境を保護するためにもペーパーレス化が推進されているのだ。

ペーパーレス化の現状と課題 なぜ進まないのか?

【画像】Shutterstock
 ペーパーレス化が声高に叫ばれているが、なかなか進んでいない企業が多いのも実情である。ペーパーレス化の現状や課題として考えられる五つを述べる。

設備不足

 ペーパーレス化が進まない一つ目の理由として、設備の不足が挙げられる。ペーパーレス化をするにあたって、電子データを格納しておくクラウドストレージなどのインフラ整備や、電子署名サービスなどオンライン上で業務遂行を可能にするツールの導入、電子データの漏洩を防ぐためのセキュリティ対策が必要となる。しかし、コスト面から環境整備に必要な初期投資を行うのが難しいとしてペーパーレス化を見送っている企業もあると考えられる。

紙ルールの残存

 決裁におけるはんこ文化など、紙媒体で文書の提出や保管を行うルールが運用されていることもペーパーレス化の障害となる。不動産に関する書面など法律上電子化が認められていない書類や実務上の効率性を理由にやむをえず紙の文書を扱っている場合もあるが、ペーパーレス化により手間が発生することから導入に乗り気でない企業も多いのではないか。また、自社でペーパーレス化を導入していても、取引先で紙文書による規程があれば自社でも紙の文書による対応が迫られることもあり、完全にペーパーレス化できない事情もある。

社員の知識不足

 社員の知識不足も、ペーパーレス化導入の妨げになる。ペーパーレス化にはさまざまなITツールの導入や活用が必要となるため、一定以上のITリテラシーが求められる。しかし、ITリテラシーが高くない人にとってこれらのツールを使いこなすのは難しく感じるだろう。特に、これまで紙媒体で運用をしてきた人が役職者にいる場合はペーパーレス化を含めデジタル化に消極的な傾向もあるがゆえに、ITリテラシーが比較的高い社員が紙媒体での対応を求められ全社的にペーパーレス化の導入が進まないこともある。

社員の不安

 ペーパーレス化の導入に、社員が不安を抱えているケースもある。その大きな原因の一つは、オペレーション変更への抵抗感である。紙の文書による業務に慣れている人の場合、ペーパーレス化によって業務が煩雑になるのを恐れて移行に踏み切れないこともあるだろう。また、障害やセキュリティへの不安も原因として挙げられる。ITツール活用で話題になるセキュリティ障害や情報漏洩などの事例を目の当たりにし、電子データで情報を管理するのが危険であるイメージを持つ方々も少なくないはずだ。そうして形成されたイメージから障害や情報漏洩によるリスクを避けるべく、ペーパーレス化を躊躇しているケースもあるだろう。

工数不足

 ペーパーレス化を導入して積極的に移行を推進する意思がある場合でも、日々の業務に忙殺されて電子化を進められていないことで紙業務が残っているケースも考えられる。というのも、全ての業務をペーパーレス化するのにはかなりの時間がかかるからだ。会社のITシステムを担当する部署が多忙でペーパーレス化への対応まで回らず、現場の部署がそれぞれ電子化を担っている企業も多いだろう。しかし、現場社員には通常業務もある上にITリテラシーが不足していてツールが使いこなせていない可能性もある。その状況で情報の電子化を任せてしまえば、全社的にペーパーレス化の導入が遅れるのも無理ないと言える。

ペーパーレス化によるメリット

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 ペーパーレス化によるメリットは、紙にまつわる費用の削減など顕在的なものだけではない。多様な働き方の実現などを含め、以下に五つ列挙した。

業務効率化

 ペーパーレス化により、主に以下の二点において業務効率の向上が期待できる。

ワークフローの効率化

 申請書や稟議書を電子化すれば文書の手渡しや回覧が比較的スムーズに進む。さらに、決裁者がオフィスにいない際も申請書や稟議書の回覧や承認ができ業務の停滞を防げる。また、書類の送付をメールやクラウドストレージへのアップロードで済ませられるのもメリットだ。

文書管理の効率化

 紙で文書を整理・保管するには手間がかかり、文書が多いほど管理が複雑になり探すのも苦労するだろう。一方で、電子データであれば検索機能を用いて格納すべきフォルダや対象のデータなどをサーバー上から見つけるのが容易になる。

コスト削減

 ペーパーレス化できれば、用紙代やインク代、印紙代、郵送費など紙媒体で運用する際にかかっていた費用を大幅に削減できる。加えて、紙での文書保管が不要となり空いたスペースを有効活用したり、オフィス縮小につなげて賃料を削減したりすることも可能だ。また金銭的コストだけでなく、印刷や郵送などに要していた時間的・人的コストもカットできるので、浮いた資源を他業務に当てて生産性向上につなげることも可能になる。

情報セキュリティの強化

 ペーパーレス化により電子データ化した文書には、パスワードやアクセス権限を付与することが可能だ。パスワードの管理など、電子データの運用を厳格に行うことで情報漏洩のリスクを抑えられる。また、書類が膨大になり管理が行き届かなくなる恐れのある紙では紛失・盗難のリスクもありその発生に気づけない場合もあるだろう。対して電子データは比較的管理しやすく、紙媒体のように紛失時に情報が流出する事態を避けられるのもメリットだ。

アクセシビリティの向上

 ペーパーレス化により紙の文書などにある情報をクラウドストレージなどへ集約すれば、パソコンやスマートフォン、タブレットなどさまざまな媒体からいつでも業務に必要なデータへアクセスできるようになる。紙の書類よりも必要なデータを見つけやすいアクセスの速さも魅力だ。加えて、同一データに複数人がアクセスしたり、データの更新や共有をしたりできる。また、時間や場所にとらわれることなくデータへアクセスできることは、テレワークなど柔軟な働き方を実現するためにも必要である。

ペーパーレス化によるデメリット

 一方、ペーパーレス化にデメリットも存在する。データ消失のリスクなども含め、以下三つのデメリットを確認してほしい。

導入コスト

 先述した通り、ペーパーレス化に伴いクラウドサービスや業務効率化ツールの導入、セキュリティ対策を行う必要がある。それらをまとめて導入するとなれば費用がかかる上、継続するための料金が発生する場合もある。長い目で見たときに、発生するコストは紙媒体よりも抑えられることもあるが、中小規模の企業では導入コストが大きな負担となってしまうケースも考えられる。

視認性の低下

 電子データの場合、文書が表示される大きさは端末の画面の大きさに依存する。また、複数の文書を同時に閲覧するにも限界がある。読みづらく作業効率が低下すると感じるのであれば、文書を拡大したりモニターを用いたりするなどして工夫しなければならない。

システム障害時に業務が停滞

 オンライン上にデータを保存している場合、通信やシステムの障害によってデータを利用することができなくなる。安定したインフラが整っていなければ、業務の停滞を招きかねない。また、障害や端末の故障によってデータが消失する恐れもあるだろう。対策として、データのバックアップを行う必要がある。

ペーパーレス化の導入フロー

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 ペーパーレス化は、主に以下の四つのステップで進められる。特に、目的やその達成のためのKPI設定はあいまいにならないように注意したい。

1.導入の明確な目的を設定する

最初に、ペーパーレス化を導入して何を実現したいのかを考える必要がある。ペーパーレス化をはじめとするデジタルシフトは自社のDXを推進するために重要だが、導入することが目的となってしまい結果が伴わないケースも往々にしてある。自社が抱える課題に照らして導入の目的を設定した上で、全社的にペーパーレス化を推進していくべきだ。以下に導入の目的を例示しているので参考にしてほしい。

・迅速な情報共有による業務効率化
・紙媒体の運用に伴うコスト削減
・文書電子化の実現によるテレワーク普及

2.ペーパーレス化の対象となる文書を決める

 次に、ペーパーレス化する文書の対象範囲を決める。ペーパーレス化の対象となる文書は大きく分けて以下の二つのタイプに分類される。全ての文書をペーパーレス化する必要はないため、下記の例を参考にしながら導入の目的や各社の事情に合わせて電子化すべき文書の対象範囲や優先順位を検討してほしい。

ストック型
 社内へのノウハウ蓄積や、情報共有を目的とした文書。
文書例:提案資料、契約書、会議資料、作業手順書等
フロー型
 依頼や承認、決裁など、他者への提出が想定される文書。
文書例:見積依頼書、稟議・決裁書、総務経理系申請書、企画書等

 ただし、e-文書法をはじめとする各種規則により、現時点では電子化ができない文書も存在する。具体的には、船舶に備える手引書など緊急時にすぐ解読可能にしておくべき書類や、免許証や営業許可証など現物性の高いもの、定期借地契約や定期建物賃貸借契約書面など多くの不動産関連書類についてはe-文書法で電子化が認められていない。自社にペーパーレス化を導入する際は、電子化できない文書についても明確にしておくよう注意が必要だ。

3.ペーパーレス化する文書の関係者に協力を得る

 ペーパーレス化対象の文書を扱う関係者に対して協力を得るのが次のステップである。ペーパーレス化すれば紙媒体のときとは業務フローが変わる。フローの変更に対して関係者は業務上手間が増えないかなど不安になることもあるだろう。ペーパーレス化導入後も関係者が業務を円滑に進められるよう事前に目的や変更点、メリットデメリットなどを共有しておくべきだ。また、全社的にペーパーレス化を推進したい場合は、経営層が必要とする文書の電子化から始めるのも一つの手だ。経営層がペーパーレス化のメリットを認識すれば、トップダウン式に文書の電子化を進められる可能性もあるだろう。

4.ペーパーレス化の推進に必要な計画を立てる

 最後に、ペーパーレス化の推進するためのプランを策定する。導入の目的を果たすためには、達成すべきKPIや推進する上で必要な体制をあらかじめ定めておくことが肝心だ。以下の例も踏まえ、ペーパーレス化の成果を得るための計画を関係者と一体となって作成していこう。

・KPI設定(導入前後での工数やコスト比較)
・ペーパーレス化推進体制の整備
・ペーパーレス化導入時期
・効果測定指標の設定

ペーパーレス化に活用できるツールとは

 ペーパーレス化を推進する代表的なツールは、OCR・文書管理システム・クラウドストレージなどがある。OCRとは、「Optical Character Recognition」の略語で光学文字認識を意味する。紙に記載された文字をスキャンして認識し、オンライン上で利用できる形式として保存ができる仕組みだ。そのため、社内にある紙の文書を入力の手間なく簡単に電子化できるのがメリットである。

 文書管理システムとは、電子化された文書を保存・管理・廃棄を一元的に行えるシステムである。文書の検索や内容の更新、ワークフローの自動化などの機能がついているものが多い。

また、クラウドストレージは電子データをオンライン上で一元管理したり共有したりするためのツールだ。クラウド型文書管理システムのような機能を持ち合わせたツールも存在する。端末や場所問わずデータにアクセスできるため、テレワークにも不可欠である。

 その他、労務管理や名刺管理、電子契約などに必要なシステムを活用することもペーパーレス化推進を後押し、業務効率化や生産性向上へつなげてくれる。以下の記事にペーパーレス化の推進に役立つ具体的なツールを紹介しているのでぜひチェックしてほしい。

ペーパーレス化を推進するポイント

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 ペーパーレス化を推進するポイントは、以下の三つである。特に、導入を進めるにあたって社員が戸惑わないための配慮が必要である。

社員への周知

 ペーパーレス化を推進するためには、先にも触れた通り社員にその必要性を理解してもらうことが重要だ。ペーパーレス化は全社レベルで影響を及ぼし、業務フローも大きく変わる。そのため、経営層は社内体制までを変更するペーパーレス化にどのような意義があるのか、導入コストに対する成果はどれほど期待できるのか、ペーパーレス化の推進をどのように進めていくかなどをしっかりと認識しておくべきである。また、現場の社員もペーパーレス化に伴う目の前の業務の変更点やメリットデメリットを把握し、導入後もスムーズに業務が進められるよう備えておくことが必要だ。

段階的な導入

 ペーパーレス化の推進にあたって、一時的な工数増加や抵抗感を招く可能性もある。例えば、バックオフィス部門であれば業務フローの変更だけでなく保管していた紙文書の電子化に追われたり、紙媒体に慣れている人が業務効率低下を恐れたりなど、社員に負担を与えることもあるだろう。ペーパーレス化へのハードルを下げるためにも、段階的に導入することがポイントである。まずは業務レベルから始め、プロジェクトや部門に広げていくなど、小さな場所から進めて成果を上げることがペーパーレス化を全社に浸透させるための秘訣だ。

タブレットの活用

 最近では、ペーパーレス化のためにタブレットを導入する事例もある。タブレットはPCと同様に電子データを扱うことができる上に、機動性が高い点が魅力だ。すぐに起動できて持ち運びにも便利であるのに加え、タッチペンを用いた修正など紙媒体のメリットである直感的な操作性も併せ持つ。特に、商談など外出先で資料が必要な場合は重宝するだろう。実際に現場の営業社員などにタブレットを渡し、使用する中でペーパーレス化のメリットを実感してもらうことで推進を後押しすることにもつながるはずだ。

ペーパーレス化の成功事例2選

 実際に、ペーパーレス化を導入して成功した事例を紹介する。自社が抱える課題を念頭におきながら、各事例の目的や課題、効果などに注目してチェックしてほしい。

事例1.大和総研:900種類以上の申請書をペーパーレス化

 大和総研は当初独自のワークフローシステムを運用していたものの、対象とする業務の範囲や維持管理の体制に限界があった。ペーパーレス化がうまく行き渡っておらず、400種類の申請書を紙で扱っていたことから人的・時間的コストもかかっていた。そこで、社内の申請・決裁に関するワークフローのインフラを構築すべく、新たなワークフローシステムの導入を実施。新しいワークフローシステムを導入した後は900種類を超える申請書のペーパーレス化を実現し、月間2万5千件もの処理を可能にした。業務の精緻化・効率化だけでなく承認・決裁スピードの向上やデータ活用・連携など生産性向上の成果をもたらしている。

事例2.長野県長野市:14万枚の紙消費及びコスト300万円の削減

 長野県長野市は、庁内会議における省力化とコスト削減を目的にペーパーレス化に着手。しきりに開催される庁内会議では資料に紙を使用しており、都度膨大な量を消費していたことが背景にある。会議に必要とされる資料の印刷や配布、訂正などには多大なコストがかかる一方で、会議後は資料が活用される機会も少なくやがて廃棄されることを問題視していた。環境へ配慮するとともに省力化やコスト削減を実現するために、長野市はICTを導入してペーパーレス化を推進する。具体的なプロセスとして、目標設定に加え、ペーパーレス化対象の会議や会議システムを選定。会議には参加者に対して1台のPCを配布し、2台の大型ディスプレイを活用するなどした。さらに、文書管理システムの導入や職員の意識改革なども行うことで、78回開催したペーパーレス会議を通して14万枚の紙消費と、印刷コストを300万円削減。会議の準備時間を平均2時間から平均20分間へと短縮することに成功した。

ペーパーレス化の導入・推進に向けて

 デジタルシフトの加速や企業の競争力向上から、業務効率や生産性の向上、コスト削減、テレワークなどを実現するためにペーパーレス化の普及が急がれる。とりわけ、バックオフィス部門業務のペーパーレス化が難航している企業も多いのではないか。バックオフィス部門も含め、ペーパーレス化の導入・推進にはクラウド請求書受領サービス『Bill One』及び営業DXサービス『Sansan』がおすすめだ。バックオフィス部門の業務をデジタル化するだけでなく、デジタル業務の自動化も行い企業の成長に貢献してくれるだろう。詳細は以下の資料に記載しているのでぜひ目を通してみてほしい。

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