民泊をはじめとするマッチングを核としたシェアリング・サービス、必要なときに必要な場所にクルマを回してもらえる配車サービス、ドライバーなしで目的地まで行ける自動運転、全自動で実現する建設工事、効率的に付加価値の高い作物をつくる精密農業、自分の健康状態や活動を細かく記録して実現する健康管理、人工知能(AI)を使った創薬や材料開発……。


 デジタル技術を活用して実現できることは様々。そんな中にあって、より私たちに身近なところで体感できるデジタル変革の一つに、新しい顧客体験の実現がある。


 代表例はキャッシュレスだろう。ICカードやスマートフォンなどがあれば買い物できる。銀行にいって現金を引き出しておく必要がなくなるほか、買い物の際に小銭を探さなくてもいいし、そのやり取りがなくなることで決済作業にかかる時間を短縮できる。最近では海外で、生体認証を使って、スマートフォンさえなしで決済できるサービスも登場している。いわば、ウォレットレスである。何も持たなくても、自分の身体で決済できるという体験は斬新だ。


 そういった体験をもっと進化させたのがレジそのものがないレジレス、あるいは無人店舗である。商品を手にとったら、そのまま自分のバッグへ。最後にレジに並ぶ必要はなく、店を出れば自動的に決済される。もちろん、購入した商品と支払った商品に間違いはない――。2016年にAmazon Goのコンセプトムービーが公にされたときの、レジなし店舗のインパクトは相当なものだった。買い物という日常的な行為が、デジタル技術でこんな風に変わると、誰が予想していただろう。従来にはなかった、全く新しい顧客体験である。


 Amazon Goの例で言えば、レジがないだけでなく、見た目上は決済のための認証作業もない。このように、従来の顧客体験に伴っていた様々な人やモノを“消す”ことで、全く異なる体験を生み出す動きが、デジタル変革の大きな流れの一つとして加速している。


 “消す”ことで生み出す新しい顧客体験は、そのための仕組みを提供するスタートアップが続々と登場し、米国や中国を中心に拡大している。例えばレジなし店舗向けのソリューションは、Amazon Goのほかに、例えば米Zippinや米Standard Cognitionといったスタートアップが提供している。


 今後、こうした仕組みは徐々に広がっていくはず。そのうえで、さらなる利便性アップ、顧客にとってのホスピタリティ向上など、付加価値を高めていくことになる。もちろん、レジなしだけが解ではなく、様々な面からデジタル技術を生かし、さらに新しい顧客体験が生み出されていくはずだ。


 その未来の顧客体験に関して、DIGITALISTでは3月15日(金)にイベントを企画している。Sansan主催の「Sansan Innovation Project 2019」の一コマとして、未来の顧客体験についてのセッションを設ける。セッションには、ZippinのCEO(最高経営責任者)であるクリシュナ・モツクリ氏(写真)などを講師に迎える。未来の顧客体験として、どのようなものがあり得るのか、そのヒントを得るための絶好の場だ。ぜひご参加頂きたい。[申し込みは特設ページから]


本記事は、日経BP総研とSansan株式会社が共同で企画・制作した記事です。
© 2019 Nikkei Business Publications, Inc. / Sansan, Inc.