注目度急上昇中のスタートアップも登壇

 Latitude59には、いま、エストニアで注目度が急上昇している スタートアップも登壇しました。ラストを飾るピッチコンテストにも登場した「Lumebot」です。主な事業はロボットを使った自動除雪サービスで、エストニアで60年以上産業構造が大きく変わっていない除雪機マーケットに焦点を当てています。市場規模はかなり大きく、現在約2000億ドルといわれています。


 駐車場などの一定のスペースがある場所にロボットを設置すると、雪が積もってくると自動的に除雪作業を始めます。もちろん、24時間の除雪が可能です。積雪量については10~15cm程度の積雪であれば対応が可能です。Lumebotによると、従来のマニュアル型の除雪機に比べて、費用を10分の1に抑えられます。


 現在は、プロトタイプとして開発済みの小型除雪機を、エストニア国内で試運転しているフェーズです。今冬には重量が250㎏の大型ロボット除雪機も稼働し、本格的にサービスを展開していく計画です。ロボットの数は2025年に2000台まで増やす考えです。これに伴って、スカンジナビア諸国や北米での展開も計画しています。もちろん、その先には日本をはじめとするアジア圏での展開も視野に入れています。


 もう1社、家庭用のソーラーパネルを取り扱うエストニアのスタートアップ企業を紹介しましょう。2016年創業のRoofit.solarです。  Roofit.solarの商品は、一般的な屋根の上に設置するパネルではなく、文字通り屋根と一体化したソーラーパネルです。ソーラーパネルというより屋根を販売していると表現した方が適切かもしれません。現在の商品ラインナップは110W、135 Wの2モデルの屋根素材、そしてそれらの取り付け工事です。


 従来のソーラーパネル付きの屋根は目立ちますし、本来の建物のデザインを損ないかねません。この点、Roofit.solarが提供するソーラーパネルは極めて薄く、見た目は伝統的な北欧建築風の金属製屋根そのものです。発電性能の面でも質が高く、設置から30年後でも85%の発電力を保証しています。デザインの美しさを損なうことなく太陽光発電を実現できるわけです。美術 館などデザイン性にこだわるような建築物には最適なのではないでしょうか。


 そして今後さらなる改善が求められる点としてはパネルの設置条件の拡大が挙げられるでしょう。現時点では金属製の屋根にしか対応しておらず、比較的古い家やタイル屋根の家には設置できません。Roofit.solarが金属屋根のみならず、世界の様々な住居形態に柔軟に対応していくことができれば、伝統と技術を融合させる次世代の太陽光発電業界の先駆けとなれるかもしれません。


本記事は、日経BP総研とSansan株式会社が共同で企画・制作した記事です。
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