※ 上の画像は、パーソナルモビリティの利用イメージ(写真提供:WHILL)

 車いす。そう聞くと、たいていは意匠性の薄い武骨な姿を思い浮かべるのではないだろうか。そんな車いすの概念を覆したのがWHILLである。2011年、東京モーターショーにコンセプトモデルを展示したのを皮切りに “かっこいい電動車いす”を世に送り出してきた。コンセプトは、福祉用の車いすというよりも、デザイン性と操作性に優れた一人乗りの車両(パーソナルモビリティ)だ。このコンセプトが受けて、その販売先を日本のみならず、北米や欧州に広げている。


 そんな同社が2018年9月18日、海外展開の加速と、MaaS(Mobility as a Service)事業によるサービスの拡大を目指し、50億円の資金調達を完了したと発表した。目指しているのは、最適な移動手段を組み合わせて、出発地点から目的地まで一貫した移動手段を提供するサービス。例えば、タクシーと電車、バスなどを相互に連携させ、ユーザーをスムーズに目的地まで送り届ける。この一部にWHILLを入れようというわけだ。


 同社代表取締役 兼 CEOの杉江理氏に、今回の資金調達の狙いと、同社の戦略を聞いた。


MaaSを実現する場合、電車、バス、タクシーなど様々なモビリティを組み合わせることになります。その中でWHILLというパーソナルモビリティ(一人乗りの車両)はどのような位置付けになるでしょうか。


 いまは、公共交通システムとして歩道の上を走り、人を運べる車両はありません。このため、例えばバスを降りた後に目的の場所までは歩かなければならないといった場合が多々あります。ところが、高齢者を中心に、このわずか数百メートルを歩くことが難しい人が少なくありません。ここにWHILLがあれば、おおよそすべての人が動けるようになるだろうと考えています。


 目指したいのは、歩道版のウーバーといったイメージのサービスです。ウーバーに代表される配車サービスはスマートフォンで呼び出すと、車が迎えに来てくれて、行きたいところに連れていってくれますよね。それに似たサービスを歩道を低速で走るモビリティで実現しようということです。スマホアプリなどからWHILLを呼び出すと、自動的に自分がいるところまで迎えに来てくれたり、指定した目的地まで連れていってくれるたりするようになるというのが、私たちの最終ゴールです。


本記事は、日経BP総研とSansan株式会社が共同で企画・制作した記事です。
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