新電力のみんな電力が2018年2月に発表した「ブロックチェーンを活用したP2P電力取引プラットフォームの開発」は、再生可能エネルギーの普及拡大社会を見据えた新たな電力サービスとして注目を浴びた。一方で、ビットコインなど暗号通貨のベースとなっているブロックチェーンを、金融分野以外で活用する事例としても話題になった。はたして、どのようにブロックチェーンを使ってエネルギー供給を実現しようとしているのだろうか? その先に見据えた新市場とはどういったものなのか?


 2016年の電力小売りの自由化により、地域によって決められていた電力会社ではなく、新たに参入した電力会社と住宅や事業所が電力供給を契約できるようになった。また、自由化以前は電源構成を選ぶこともできなかったので、どんなに環境意識が高く、自分は地球にやさしい電気しか使いたくないと思っていても、地域で一括して電力供給を受けるしか選択肢はなかったのだ。それが、太陽光や風力など再生可能エネルギーによる電力を供給する会社も選択できるようになった。


 こうした背景から、電力供給の仕組みは、従来の大規模集約型モデルから、企業や個人、自治体などが電力の生産者となり、それらの電力を共有して利用する分散型モデルにシフトしている。この動向は、再エネ発電コストの低下や、電力システムのデジタル化などにより、今後もさらに加速していくと予想される。

再エネ購入への関心が高まる企業需要家

 「普段なにも気にせずに使っている電気にも、生産者がいることを理解してもらいたい。それによって、電気の生産者の価値を、電力を買う人にわかってもらえたらおもしろいと思う」。みんな電力専務取締役の三宅成也氏は、同社設立の趣旨をこう語る。


 「コンセントの向こうが火力発電所だけでなく、太陽光発電や風力発電などもっといろいろな種類の発電設備にもつながっていると実感できれば、電気を使うことが楽しくなるのではないか。私たちは、電気の生産者を選んで応援できる“顔の見える電力”のサービスを目指している」(三宅氏)


本記事は、日経BP総研とSansan株式会社が共同で企画・制作した記事です。
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