日本の全国各地にもCode for XXが存在します。Code for Japanとそれぞれの関係は?


 いま、北は北海道から南は沖縄まで86カ所のコミュニティがあって、我々は「Brigade(ブリゲード)」と呼んでいます。誤解しないでいただきたいんですが、それぞれに上下関係はありません。コミュニティは地域ごとに独立した団体で、Code for Japanがネットワーキングし、対等に分散しているイメージです。全体が集まる「Code for Japan Summit」は毎年ホストの都市を変えていて、今年は新潟市で開催しました。


 各地域のコミュニティは自然発生的に生まれます。活動は数人いれば始められますから。札幌市や千葉市のような政令指定都市のほか、富山県南砺市、福井県鯖江市などの地方都市にもコミュニティがあります。傾向として多いのは、ある地域で影響力が強いCode for XXがあって、その周辺に発生するケースです。例えば北陸地域では、Code for Japanより先に金沢市で「Code for Kanazawa」が立ち上がったこともあって、他の都市にもコミュニティが立ち上がりました。地域間の連携があったりして、リアルイベントに参加して触発される機会が多いからでしょう。


これまでの活動ではどのような成果がありますか。


 代表例はCode for Kanazawaのゴミ収集情報サービスや、「Code for Sapporo」の保育園マップなどです。保育園マップは全国20カ所ほどに広がっていて、「Code for Chiba」のように独自に改善を加えてより使いやすくしようとする地域もあります。


 最近では自治体や事業者と一緒にデータを作ったり、ワークショップを開催したりといった活動が多くなってきました。代表例は「GTFS」(標準的なバス情報フォーマット)です。


 ご存知のように、地方のバス路線は疲弊しています。もともと赤字路線が多い上に鉄道に比べると規模が小さい事業者が多いため、システム投資できないのが実情です。しかし、時刻表や路線図のデータがGTFSになっていないと、Googleや交通アプリから検索できませんし、多言語化にも対応できません。そこで各地のCode for XXの人たちが事業者らと一緒になってデータを変換したり、ITのアドバイスをしたりしています。


 公共交通は専門分野の知識が必要ですから、交通の情報化に精通している東京大学の伊藤昌毅先生が旗振り役となっています。Code for Japanでは、そうしたキーパーソンを各地のCode for XXに紹介するハブのような役割を果たしています。


 その流れから「Code for 公共交通」のような動きが出てきて、ほかの地域にも広げようとしているところです。必ずしもCode forの後ろにつくのは地域名でなくてもいい。課題領域そのものでもいいのです。こうした特化型のチームには、猫の殺処分をなくす活動を続ける「Code for Cat」などがあります。




次回後編は、Code for Japanの将来展望などについて聞いていく。


本記事は、日経BP総研とSansan株式会社が共同で企画・制作した記事です。
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