※上の写真は、当時ごくわずかな台数のみが生産された「アストン・マーティンDB6マーク2ボランテ」(出所:Aston Martin)

 新しい時代がくると、古いものは消え去る運命なのか。そうはさせたくない、と考えているのが、英国のアストン・マーティンだ。テーマはクラシックカーである。最近、デジタル技術を活用して、過去のスポーツカーを電気自動車(EV)化する技術を発表した。


 まず登場したのは1970年の「アストン・マーティンDB6マーク2ボランテ」だ。オリジナルのDB6は65年から70年にかけて作られ、室内から調節できる可変ダンパーなど“ハイテク”が搭載されていた。パワーステアリングが標準装備になったのもマーク2の特徴だ。50年代から続いてきた伝統的なクルマづくりと、新しい技術との接点ともいえるモデルである。


 アストン・マーティン(厳密にはアストン・マーティン・ワークスが担当)が今回考えたのは「Heritage Electrification Concept」だ。おおざっぱに訳すると、クラシックカー電気化計画である。詳細はまだ明らかにされていないが、端的にいうと、簡略的なEV化技術だと説明されている。


EV化されたアストン・マーティンDB6マーク2ボランテの充電のイメージ

 メリットは、「どんな車両も簡単にEV化できるところ」とアストン・マーティンは説明する。そのために開発されたのが「カセット」コンセプトだ。この電気モーター(とおそらくバッテリーからなる)カセットシステムは、現在アストン・マーティンが開発中の「ラピッドE」というEVセダンからのスピンアウトだという。


 DB6マーク2ボランテがこのカセットシステムによって外部充電で走るEVになっているのと同様に、例えばDB4やDB5といった、歴史的なアストン・マーティンの名車もEV化できるのだそうだ。過去のモデルに応用する背景には、排ガス触媒を持たない歴史的な車両の走行規制が厳しくなるという現状がある。


 「私たちは、古いクルマに対する社会的および環境的なプレッシャーが高まりつつあることを理解しています。近い将来、古いスポーツカーに乗るのはごく限られた場合のみになりそうです」。アストン・マーティン・ラゴンダ(正式社名)のCEOを務めるドクター・アンドリュー・パーマーは語る。


チャージスピードなどの詳細はまだ未発表
アストン・マーティン独特の魅力的なレイアウトの計器盤

本記事は、日経BP総研とSansan株式会社が共同で企画・制作した記事です。
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