フランスの自動車メーカー「シトロエン」が「アミ・ワン・コンセプト」を発表した。クルマというより、アーバンモビリティの提案だ。クルマとアーバンモビリティ、どこが違うかというと、後者は所有でなく共用を前提としている点である。


 シトロエンではこのコンセプトを、エレクトリックカーでなく、エレクトリック・オブジェクトと呼ぶ。「スマートデバイスを活用し、ユーザーが使いたいときに使いたいだけ使えるを重視した」とシトロエンではする。車両の予約、ユーザーの特定、車両の状況の把握など、すべてデジタル技術で行う。


 シトロエンの提案がユニークなのは「5分から5年まで」という考えに基づいていることだ。「5分」とは短い距離の移動に供用されることで、「5年」とは長いタームでのリースプログラムも組まれることを意味している。


 駐車スペースの確保にはじまり、化石燃料の価格上昇、拡大する傾向にある市街地での通行税などに対応する点で、アーバンモビリティの新しい提案は消費者から歓迎される可能性が高い。


 日本(東京)でアーバンモビリティというと「タイムズ」などのカーシェアが知られている。それに対して、そもそもフランスは、より意欲的に取り組んできた。


 好例は、市内にあるステーションになら乗り捨て自由のEV「オートリブ」事業である。2011年から実用化されていて、パリ、ボルドー、リヨンといった大きな都市で、少なくない数の利用者を獲得してきた。


 実際にパリの市内を歩いていると、いたるところに充電用スタンドが立てられ、そこに専用の小型車が駐められている光景を目にしたものだ。しかしそれよりお手軽なサービスが増えたせいで、オートリブ事業は2018年で終了してしまったようだ。


 お手軽なサービスには、バイクや電動スクーターなどが含まれる。もう一つ、自動車メーカーが本格的にカーシェアリングビジネスに参入してきたことが挙げられる。ルノーは熱心だし、ここで紹介するシトロエンも同様だ。


全長2.5メートル(日本の軽自動車は3.4メートル)で全高は1.5メートル
ガラス面積が大きくルーフも一部が開くようになっている
運転席はレールを持ちスライド可能で、助手席は固定となるが、非対称のレイアウトでスペースをかせいでいる

本記事は、日経BP総研とSansan株式会社が共同で企画・制作した記事です。
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