※ フォルクスワーゲンCEOのドクター・ヘルベルト・ディースと、マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ氏(写真提供:Volkswagen)

 自動車メーカーが異業種とコラボレーションするとしたら……。


 かつては音響メーカーがせいぜいだっただろうが、現在は、垣根がどんどん取り払われ、さまざまな業種・企業とのコラボレーションが生まれている。独フォルクスワーゲンと米マイクロソフトが発表した協業関係は好例といえよう。


 フォルクスワーゲンCEOのドクター・ヘルベルト・ディースと、マイクロソフトCEOのサティア・ナデラ氏は、2019年2月27日にベルリンで会見を開いた。場所はフォルクスワーゲン・ディジタルラブ(ラボ)である。


デジタル技術はクルマ産業を変えつつある、とするマイクロソフトのナデラCEO(写真提供:Volkswagen)

 両社の関係は、車両のコネクティビティに関するものだ。フォルクスワーゲンは「フォルクスワーゲン・オートモーティブクラウド」サービスを、欧州にとどまらず、北米と中国にも拡張していくことを目指している。そのうえでマイクロソフトは重要なパートナーになっているという。


 「私たちがいま進めているのは、フォルクスワーゲンを、ソフトウエアを核としたモビリティ・プロバイダーとして展開することです。そのための戦略的パートナーとなるマイクロソフトの存在は、プロジェクトのカギとなるものです」


 フォルクスワーゲンのドクター・ディースはそう述べている。2社はマイクロソフトのクラウドコンピューティングプラットフォーム「Azure」をベースに、組み立てた車両通信システムを構築していくそうだ。


 ドライバーのスケジュール管理やナビゲーションの設定などを車両が行う「パーソナルアシスタント」機能、車内のストリーミング機能、スマートスピーカーを使い在宅のまま車両のエアコンやナビゲーションの目的地設定をする「スマートコネクテッドホーム」機能、車載カメラを使った乗員認識機能と自動パーソナライゼーション機能……いわゆるコネクテッドカーに期待されることは枚挙にいとまがない。


 「デジタル技術は自動車産業のあらゆる面を急速に変えつつあります。生産技術からクルマそのものまでがそこに含まれます」。マイクロソフトのサティア・ナデラCEOはそう述べる。


 かねてからフォルクスワーゲンは、近い将来、従来の自動車メーカーからモビリティプロバイダーへと転換を図ることを謳っている。2018年に発表されたマイクロソフトとの関係は、その路線を強化するためのものなのだ。


 「この段階で(コネクティビティ技術の)可能性を追求しておくことは、この分野での大きな優位性につながります」。そう言うのは、ドクター・ディースである。先に触れたように、フォルクスワーゲンはこれまで欧州におけるコネクティビティの拡充に努めてきた。例えばベルリンでは「Volkswagen We」というスマートフォンを使ったサービスを展開。それを拡充し、米国や中国という大きな市場に拡げ、プロダクトとともに販売の柱に据えるのが目標だそうだ。


ベルリンで2019年から展開するコネクティビティサービス「Volkswagen We」はオートモーティブクラウドにより今後発展が見込まれている(写真提供:Volkswagen)

本記事は、日経BP総研とSansan株式会社が共同で企画・制作した記事です。
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