アイコンタクトは路上で最も大事な行為だ。譲り合いもアイコンタクトで行われるし、欧州ではそれ以上のコミュニケーションの手段であることが多い。


 フランスやイタリアのようなラテン系の国ではラウンドアバウト(信号のない円形の交差点)においてもアイコンタクトが重要になる。お互いの行く方向や、どちらが譲るかは眼の合図で判断する。パリの中心部にはエトワール広場やコンコルド広場など、どこが車線だかわからない巨大なラウンドアバウト(仏語だとロンポワン=円)があり、そこでも時々、超絶技巧の譲り合いを目撃することがある。


 そこで、ぶつからないためにアイコンタクトを使う。ドライバー同士だけでなく、自動車と歩行者の間でも重要だ。


 筆者はローマで、信号のない道路を歩行横断するためのテクニックを教わったことがある。それは、こちらにやってくるクルマをあえて見ないこと。「見ているな(クルマの存在を認めているな)」と思うと、イタリアのドライバーは横断歩道のないところでは歩行者がいるからといって停止したりしない(ことが多い)。そこで向かってくるクルマに後頭部を見せながら道路を横断することで、人身事故を回避するためにローマのドライバーに注意をうながすのが歩行者のテクニックなのだそうだ。


 ただし、自動運転ではどうだろう。人間がステアリングホイールを握っていないロボットカーと歩行者はうまく共存できるのだろうか。


 自動運転が認可されたときのことを考え、デジタル技術とどう折り合いをつけるか。最近英国のジャガー・ランドローバーが研究を発表した。


本記事は、日経BP総研とSansan株式会社が共同で企画・制作した記事です。
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