デジタル技術は、クルマの作り方を変え、クルマを変え、そしてクルマのショールームを変えている。日本における先駆けとなるのが、東京・千代田区の「Audi City紀尾井町」だ。


 店名に入っている「Audi City」とは、ドイツに本社を持つアウディが世界展開を始めたショールームの新しいコンセプト。「従来のロードサイド店舗とは一線を画す、これからのプレミアムカー販売のあり方を提示する都市型ショールーム」であるとアウディジャパンは説明している。


Audi City紀尾井町
Audi City紀尾井町の外観(東京都千代田区紀尾井町4-3)

 クルマの開発にデジタル技術が採用されるようになって久しい。メーカーが世界各地に複数持つ技術開発拠点でのやりとりも会議でなく、データの共有で、という具合に。


 VR(バーチャルリアリティー)技術は主にデザインの社内プレゼンテーションで使われる。スケールモデル(4分の1か、フルスケールという実物大)と並行して、デザイン評価に集まった幹部は、VRゴーグルをかけてバーチャルな新車を観るのだ。


 クルマの周囲を回るように歩き、さらにドアを開けて内部を観ることもできる。内外装のイメージがつかみやすい。今では一般的になって、自動車メーカーのデザイン部ではVRのプログラマーをどんどん増やしているほどだ。


 2020年2月7日オープンの「Audi City紀尾井町」が新しいのは、VRを顧客のために採用していることである。ショールームを訪れたゲストにとって、店頭在庫以外のクルマをリアルな感じで確認できることがメリットだ。


 顧客はVRゴーグルを装着することで、興味を持つ内外装を3Dで観ることもできる。ボディーカラー、ホイール、シートやダッシュボードの仕様を選べるのだ。


Audi City紀尾井町でのVR体験
Audi City紀尾井町でのVR体験中

 さらに背景も選択可能だ。都市、郊外、サーキットと、場所によってイメージをつかみやすくする。カブリオレモデルは幌の作動もバーチャルで体験できる。


走行シーンの選択も可能
走行シーンを選ぶことも可能(画像は海外事例)

 「今日、プレミアムブランドの製品を買う方の10人のうち9人は、事前にネットで情報を仕入れてからディーラーを訪れます。興味ある製品(車両)に関する情報を充分に持ったお客様に対応するのは、販売員にとっても負荷の多い仕事となっています」(Audi City紀尾井町担当者)


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