マーベリックのメリットは多岐にわたる、とエアバスの担当者は語る。省エネ(従来の機体より20%ほど燃費が良くなるそう)、キャビンの広さ、それにエンジンの搭載位置がリアになることによる騒音の低さ、といったものだ。


プロジェクトを推進している共同リーダーのアドリアン・ベルナール氏は、下記のように述べている。


「私たちには、より環境負荷を低くすることが求められていると思います。マーベリックのブレンデッド・ウイングボディーは、この面でゲームチェンジャーになるはずです。このコンセプトを突き詰めていきたいと、私たちは考えています」。


ベルナール氏が属するチームは「エアバス・アップネクスト UpNext」という研究開発部門に属しており、同社の本拠地である仏・トゥールーズで、デジタル機器を駆使して「マーベリック」を形にした。


客室も現時点ではコンピューターグラフィックスのみの提案で、どの程度広くなるのか実際の寸法は未発表だが、デジタル技術も多く採用される予定で、空の旅の快適性が目指されているのがよく分かる。


大きな樹木の下にいるようなイメージのキャビン(写真提供:Airbus)
大きな樹木の下にいるようなイメージのキャビン(写真提供:Airbus)
エコノミー席のイメージ(写真提供:Airbus)
エコノミー席のイメージ(写真提供:Airbus)
プレミアムクラスのイメージ(写真提供:Airbus)
プレミアムクラスのイメージ(写真提供:Airbus)

エアバス社も、従来の航空機と同様、英国に持つ空洞でマーベリックの空力を計測するなど、実現に前向きの模様。現時点では、ごく低速や失速の特性評価という課題があり、この先は操縦性や操縦かじ面のコントロールやモジュール構造の作り方など、さらにテストを重ねていくという。


「当初、このプロジェクトはチームの単なる“趣味”であり、開発を進めていっても、会社は得るものが何もない、と捉える人もいました。私たちは、その考え方が誤りだったと証明しようとしたのです」。


今回、エアバスの開発チームによるデモ機のフライトについて、ベルナール氏は背景を語る。成功を目指す強い意思が感じられる発言で、第三者でも応援したくなるではないか。


コンピューターによるレンダリング(写真提供:Airbus)
コンピューターによるレンダリング(写真提供:Airbus)