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公開日: 2020.04.20
エアバス社が斬新なコンセプトの機体「Maveric」を公開
フライトが変わる――。エアバスが近未来の旅客機プロジェクトを公開。
「Maveric」飛行中のイメージ(写真提供:Airbus)
エアバス社が、広く、かつ省燃費の新世代の旅客機を提案している。同社で言うところのブレンデッド・ウイングボディーという斬新な機体で、「Maveric(マーベリック)」と名付けられている。
「従来の筒と翼、それに翼にエンジンという航空機は、確かに長い間航空機ファンの心を捉えてきましたが、そんなに遠くない将来、まったく新しい航空機がそれに取って代わるかもしれません」。
2020年のシンガポール・エアショーでお披露目されたエアバス「マーベリック」は、かつてノースロップ社が手掛けた「YB-49」に代表されるジャイアントウイングを連想させる。
ブーメランのような機体にエンジンを取り付けた形状ゆえ、ジャイアントウイングと呼ばれたYBシリーズは、ストレージの大きさを強調していた。しかし、燃費や運動性能の面で問題があり、短い試験機関を経てプロジェクトは閉じられた。
この機体は、爆弾の積載量を追究した爆撃機の提案だったので、平和のためには実現しなくて良かった。幸い、マーベリックは一般向けの提案である。
マーベリックは、形状が個性的だ。従来の航空機の機体を、上から巨大な手が圧力をかけて押しつぶしていったような形状である。海にいるフロッグフィッシュを思わせ、ユーモラスすら感じさせる。
コンセプトで終わらせないために、エアバスのプロジェクトチームは3Dプリンターで造形した翼長3メートル、機体長2メートルのモデル機体を作成。実際に無線飛行を成功させている。
「従来の筒と翼、それに翼にエンジンという航空機は、確かに長い間航空機ファンの心を捉えてきましたが、そんなに遠くない将来、まったく新しい航空機がそれに取って代わるかもしれません」。
2020年のシンガポール・エアショーでお披露目されたエアバス「マーベリック」は、かつてノースロップ社が手掛けた「YB-49」に代表されるジャイアントウイングを連想させる。
ブーメランのような機体にエンジンを取り付けた形状ゆえ、ジャイアントウイングと呼ばれたYBシリーズは、ストレージの大きさを強調していた。しかし、燃費や運動性能の面で問題があり、短い試験機関を経てプロジェクトは閉じられた。
この機体は、爆弾の積載量を追究した爆撃機の提案だったので、平和のためには実現しなくて良かった。幸い、マーベリックは一般向けの提案である。
マーベリックは、形状が個性的だ。従来の航空機の機体を、上から巨大な手が圧力をかけて押しつぶしていったような形状である。海にいるフロッグフィッシュを思わせ、ユーモラスすら感じさせる。
コンセプトで終わらせないために、エアバスのプロジェクトチームは3Dプリンターで造形した翼長3メートル、機体長2メートルのモデル機体を作成。実際に無線飛行を成功させている。
マーベリックのメリットは多岐にわたる、とエアバスの担当者は語る。省エネ(従来の機体より20%ほど燃費が良くなるそう)、キャビンの広さ、それにエンジンの搭載位置がリアになることによる騒音の低さ、といったものだ。
プロジェクトを推進している共同リーダーのアドリアン・ベルナール氏は、下記のように述べている。
「私たちには、より環境負荷を低くすることが求められていると思います。マーベリックのブレンデッド・ウイングボディーは、この面でゲームチェンジャーになるはずです。このコンセプトを突き詰めていきたいと、私たちは考えています」。
ベルナール氏が属するチームは「エアバス・アップネクスト UpNext」という研究開発部門に属しており、同社の本拠地である仏・トゥールーズで、デジタル機器を駆使して「マーベリック」を形にした。
客室も現時点ではコンピューターグラフィックスのみの提案で、どの程度広くなるのか実際の寸法は未発表だが、デジタル技術も多く採用される予定で、空の旅の快適性が目指されているのがよく分かる。
プロジェクトを推進している共同リーダーのアドリアン・ベルナール氏は、下記のように述べている。
「私たちには、より環境負荷を低くすることが求められていると思います。マーベリックのブレンデッド・ウイングボディーは、この面でゲームチェンジャーになるはずです。このコンセプトを突き詰めていきたいと、私たちは考えています」。
ベルナール氏が属するチームは「エアバス・アップネクスト UpNext」という研究開発部門に属しており、同社の本拠地である仏・トゥールーズで、デジタル機器を駆使して「マーベリック」を形にした。
客室も現時点ではコンピューターグラフィックスのみの提案で、どの程度広くなるのか実際の寸法は未発表だが、デジタル技術も多く採用される予定で、空の旅の快適性が目指されているのがよく分かる。
エアバス社も、従来の航空機と同様、英国に持つ空洞でマーベリックの空力を計測するなど、実現に前向きの模様。現時点では、ごく低速や失速の特性評価という課題があり、この先は操縦性や操縦かじ面のコントロールやモジュール構造の作り方など、さらにテストを重ねていくという。
「当初、このプロジェクトはチームの単なる“趣味”であり、開発を進めていっても、会社は得るものが何もない、と捉える人もいました。私たちは、その考え方が誤りだったと証明しようとしたのです」。
今回、エアバスの開発チームによるデモ機のフライトについて、ベルナール氏は背景を語る。成功を目指す強い意思が感じられる発言で、第三者でも応援したくなるではないか。
「当初、このプロジェクトはチームの単なる“趣味”であり、開発を進めていっても、会社は得るものが何もない、と捉える人もいました。私たちは、その考え方が誤りだったと証明しようとしたのです」。
今回、エアバスの開発チームによるデモ機のフライトについて、ベルナール氏は背景を語る。成功を目指す強い意思が感じられる発言で、第三者でも応援したくなるではないか。
小川 フミオ
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