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新製品・サービス 公開日: 2022.09.30

熊本大学らが熊本城・崩落石材の元の位置を特定できる石垣照合システムを開発 熊本城飯田丸五階櫓の崩落石材を91%照合

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▼ ニュースのポイント
①熊本大学・信州大学・凸版印刷が熊本城・崩落石材の元の位置を特定する石垣照合システムを開発。
②同システムでは、石材の崩落前と後の詳細情報を照合して元の位置を特定。
③同システムを熊本城の飯田丸五階櫓の石垣に適用したところ、91%の石材の元の位置を特定できた。

画像処理技術で効率よく照合

 熊本大学大学院・上瀧剛教授らの研究グループは9月27日、信州大学・白井啓一郎准教授と凸版印刷との共同研究で、熊本地震で崩落した石材の元の位置を特定する画像照合システムを開発したと発表した。



 平成28年の熊本地震で崩落した熊本城の石垣の石材は、そのひとつひとつが文化財であるため、それらを元の正しい位置に戻す必要がある。しかし崩落した石材数が膨大なため、目視で特定することは困難となっていた。

作業時間を大幅削減

 今回3者が開発したのは、これらの石材を画像処理技術を用いて効率よく照合できる石垣照合システム。

 同システムでは、震災前の石垣の写真から、石材ひとつひとつの実寸スケールの輪郭データベースを作成。震災前の写真には、凸版印刷が撮影し保有していた4万枚以上の高精細な石垣写真が使用された。

 また崩落後は、石材を3次元計測した実寸スケールで正面から見た形状に変換。これら崩落前・崩落後の情報を照合することで、石材の元の位置を特定した。

 今回の石垣照合システムを、熊本城の飯田丸五階櫓の石垣に適用したところ、崩落石材370個のうち337個(91%)の元の位置を特定できた。また、一部のヒューマンエラーを取り除くこともでき、作業時間も、目視では数カ月要していたが、同システムでは1時間ほどだったという。

 同システムを用いた飯田丸五階櫓の照合結果は、熊本市の石垣復旧工事の設計に採用され、着工が予定されている。

(画像はプレスリリースより)


▼外部リンク

熊本大学・信州大学・凸版印刷 ニュースリリース
https://www.kumamoto-u.ac.jp/


▼ 法人概要
熊本大学は、7学部8研究科を有する国立大学。

法人名:国立大学法人熊本大学
学長:小川久雄
所在地:熊本市中央区黒髪2丁目39番1号


▼ 法人概要
信州大学は8学部6研究科を設置する国立大学。

法人名:国立大学法人信州大学
学長:中村 宗一郎
所在地:長野県松本市旭3-1-1


▼ 会社概要
凸版印刷は印刷テクノロジーをベースに、幅広い事業活動を展開している。

社名:凸版印刷株式会社
代表取締役:麿秀晴
所在地:東京都文京区水道1-3-3

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