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総務・法務 公開日: 2022.08.31

【コンプライアンス違反事例】企業への影響やリスク、防止・対策方法を解説

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 企業の社会的責任に対する消費者の意識は年々高まっている。企業や社員のコンプライアンス違反は、今までに築いた社会的信用を一夜にして瓦解しかねない。 そこで本記事ではコンプライアンス違反の事例と、対策方法について解説する。

【画像】Shutterstock

目次

コンプライアンス違反の事例

 コンプライアンス違反という言葉は抽象的である。実際にコンプライアンス対策をするには、どんな事例がコンプライアンス違反とみなされるのか具体的に知らなければ効果的な策は打てないだろう。そこで以下にコンプライアンス違反の事例を八つ紹介する。

個人情報の漏えい

 大手コミュニケーションアプリを運営するL社は2021年3月に、ユーザーの個人情報が中国のパートナー企業からアクセスできる状態になっていたと発表した。このパートナー企業の外への漏えいなどは確認されなかったが、L社のプライバシーポリシーには海外の企業に個人情報を委託している事実を記載しておらず、ユーザーのあずかり知らぬ間に中国企業へ個人情報が提供されていた事実に対して社会的に厳しい批判が起こった。

システムの不正利用

 大手小売系列会社のS社は2019年7月にスマートフォン決済サービスをリリースしたが、リリース翌日に複数の利用者より「身に覚えがない決済がなされている」と問い合わせがあり、何者かによる不正利用が発覚した。このサービスにはリリース当初から、二段階認証が搭載されていなかったり、パスワード変更申請の確認通知がユーザーに送信されなかったり、セキュリティの甘さが指摘されていた。S社はサービスを一時停止し、説明のための記者会見を開いたが、会見をした同社の社長が二段階認証システムの存在自体を知らなかったため社会的に大きな批判を浴びた。同サービスは同年9月に廃止されている。

粉飾決算および詐欺

【画像】Shutterstock
 神奈川県で振り袖の販売、レンタル事業を行っていたH社は、2018年の成人式の日に突然休業し、受注していた振り袖を顧客に届けないまま無断でほとんどの店舗を閉鎖した。発注していた顧客は成人式に出席できなくなり、被害者の数が多かったため  国や自治体までが動く騒動に発展した。また、H社は2016年の時点で3億2000万円の債務超過状態にあり、2017年に売上を水増しした決算書を偽造し、銀行から3500万円をだまし取っていた。H社は破産申請後に精算が完了し、倒産した。その後、同社社長は詐欺容疑で立件され懲役2年6ヶ月の実刑判決を受けている。

就職活動生へのセクハラ

 2021年、近畿地方で鉄道を運営するK社の社員がセクシャルハラスメントで懲戒解雇となった。この社員は同年1月、インターンシップ後の学生と飲み会を企画し、参加していた女子学生をホテルに誘い、肉体関係を持つなどした。その後、週刊誌の報道で事態が明るみに出て、K社は社会的批判を浴びた。K社は社内調査の後、この社員を懲戒解雇処分としている。この際、肉体関係を持った事実のみではなく、それ以前の個人的な飲み会の企画や個人のメッセージアプリで学生個人とコンタクトを取った時点からセクハラと認定された。

同僚へのセクハラ

 2018年、O県警の30代男性警部補が同じ職場の20代女性にセクハラを行ったとして懲戒処分を受けた。警部補は2015年から2016年の1年間にわたって女性に対して不快な発言をするなどの行為を複数回繰り返しており、勤務中に行うケースもあったという。その後、警部補は依願退職した。  

上司から部下へのパワハラ

 大阪府内のコンビニエンスストアを経営しているL 社が元従業員から1300万円の損害賠償を求められて提訴された。元従業員は「オーナーから日常的に暴行や暴言などのパワハラを受けている事実を本部に訴えたにもかかわらず適切な対応をしてくれなかった」と主張した。  最終的にこの裁判はL社が和解金を払って決着している。

部下から上司への逆パワハラ

 パワハラは上司から部下へのハラスメントだと認識されているが、部下から上司への逆パワハラもありえる。2009年、デパート内で飲食店を運営するO社の社員がうつ病を発症して自殺した。遺族の訴えによるとこの社員は部下から根拠のない不正行為の告発をされ、中傷ビラを撒くなどの嫌がらせをされていたという。  東京地裁は遺族の訴えを認める判決を出した。

過重労働

 2019年、大手電機メーカーP社の社員がうつ病を発症して自殺した。同社は長時間労働や持ち帰り残業などの過重労働があったとして遺族に謝罪し、解決金を支払った。労働基本監督署は持ち帰り残業については本人の意思であり、会社の責任を認めなかった。しかし、P社は独自の社内調査によって会社に責任があった事実を認めた。企業が裁判をせずに自ら持ち帰り残業を労働時間と認めるのは異例である。

コンプライアンス違反をした会社に発生する影響・リスク

【画像】Shutterstock

会社の信用が落ちて、顧客が離れてしまう

 企業がコンプライアンス違反をしたときに、最も大きな影響は企業の社会的信用やブランドイメージの低下である。特に現代はSNS社会だ。社会的影響の大きなコンプライアンス違反には「ネット炎上」が伴う場合が多い。ネット炎上はそれ自体が話題性を有し、特に不祥事そのものには興味を持っていない消費者にも不祥事への興味・関心を誘発してしまうので、社会的信用の低下が加速し顧客離れが起きてしまう場合が多い。

損害賠償請求のリスク

 特に過重労働自殺などの人命に関わる不祥事の場合、遺族から損害賠償を請求されて提訴されるリスクがある。コンプライアンス違反の影響が甚大な場合は経営が傾くほどの賠償金が課される場合がある。  

刑事訴追のリスク

 不祥事が刑法に触れる場合は、当事者が警察に逮捕され、社屋が家宅捜索などをされることもある。  例え社員が個人的に起こした不祥事でも、企業の管理がずさんだったと見なされれば企業としての管理責任が問われる可能性もある。

経営体制が一変するリスク

 コンプライアンス違反により管理責任が問われた場合には、役員の進退に必ず注目が集まる。役員が自らの地位に恋々として責任逃れをしようと見なされると余計に批判が拡大してしまうこと  が多い。強いリーダーシップを持って経営を牽引してきた経営者が辞任に追い込まれると  、企業としての勢いを失ってしまう場合がある。

コンプライアンス違反の防止・対策方法

社員への定期的周知

 コンプライアンス意識の高まりを受けて、多くの企業がコンプライアンス規定を策定している。しかし、それらを社員が知らなければ意味がない。コンプライアンス規定を策定した際には社員に対して定期的な研修や啓発などを実施する必要があるだろう。世間一般でのコンプライアンス意識の高まりを実感させるため、外部の研修業者に依頼するのもいい かもしれない。

通報窓口の設置

 コンプライアンス違反が発生した場合に内部告発ができるようにするためには、通報窓口を設置することが有効 である。  ただし、この通報窓口は社員が安心して通報できるものでなければならない。通報窓口を前にして社員の心に生じるのは「通報したら逆に異端者として排除されないだろうか」という疑念である。そのためには匿名で通報できるようにしたり、通報後のプロセスを明らかにしたりするなど、社員の心理的安全性を考慮して制度設計する必要があるだろう。

社内アンケートの実施

 通報窓口を設置して待つだけではなく、定期的に社員にアンケートを取り、コンプライアンス違反が生じていないか情報を収集すべきである。特に、以下のような項目について情報を集めるとよい。  
●    管理職に隠れて時間外労働をしていないか
●    持ち帰り残業をしていないか
●    私物のUSBメモリなどに社外秘データを入れていないか(シャドーIT)
●    コンプライアンスについて判断基準がわからないルールはないか
●    時代に合っていないルールはないか
●    精神的な疲れを感じていないか、業務について不満はないか

コンプライアンスで企業のブランドイメージを守ろう

 ここまでの解説を見てきて、コンプライアンスの重要性が理解できただろうか。しかし、コンプライアンスは社内だけに目を光らせればいい というものではない。もしも取引先の企業に反社会的な企業があれば、突然取引が停止されたり、最悪の場合倒産したりなど、自社にもとばっちりが来る可能性がある。  とはいえ、取引先の企業が反社会的な企業かどうかを自力で調査するのは大変だ。そこでおすすめなのがSansanの『リスクチェック』である。Sansanは名刺をスキャンするとその名刺の情報から自動的に反社チェックをしてくれる機能がついている。これはSansanが持つ膨大なデータベースを参照して行われる。コンプライアンスのためにも導入してみてはいかがだろうか。反社会的な企業だけではなく、マネーロンダリングや人権侵害、組織犯罪などへ関与等、あらゆるリスク把握にも役立つ。詳しくは以下の資料をご覧いただきたい。

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