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総務・法務 公開日: 2022.05.17

請求書をメールで送るメリットは? 注意点やシステム選びのポイントを解説

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 昨今、テレワークの普及や働き方改革によってペーパーレス化が注目されており、書類の中でも特に電子化したいと声が上がるのが請求書だ。請求書を紙で受領すると、手続きのために出社しなければならない。しかし、請求書を電子化したとしても、メールで送って大丈夫なのだろうか? 本記事はメールによる請求書送付について解説する。

【画像】Shutterstock

目次

請求書をメールで送って大丈夫?

 請求書をメールで送っても法律的に効果はあるのか不安に思う人もいるだろう。しかし、安心して欲しい。内容に不備が無ければ、請求書の法的効力は、メールでも郵送でも変わらない。

 請求書を送る上で大事なのは、相手と請求内容について合意できているかである。つまり、あらかじめ電子化された請求書のメール送付を相手が合意していれば、郵送された請求書と同じように法的効力を持つ。

 そもそも紙の請求書、電子請求書に関わらず、請求書の発行自体に法律的な義務は無い。ただし、請求書を発行しておくと、相手からの支払いが滞っている場合に、請求した事実を裁判所などに証明できる利点がある。したがって、請求書の原本と送付した事実が証明できれば、法的効力は十分にあると考えられる。メールは送信履歴が証拠として残るため、十分な証拠となり得る。

請求書を電子化するメリットとは?

【画像】Shutterstock
 ここで請求書を電子化するメリットについて解説する。

組織全体の生産性が上がる

 会社組織の形態はさまざまだが、一般的に請求書はバックオフィスだけで処理するものではない。各事業部門の担当者が取引先から受け取り、同部門の管理職が承認した後で経理部門に回ってくるのが一般的だ。つまり、請求書が紙のままだと事業部門の社員や管理職も出社せざるを得ず、テレワークが実施できない問題がある。

 請求書を電子化できれば、出社のためにかかる時間的コストや金銭的コストを低減できる。また、テレワークを完全に実施し、ワークライフバランスに配慮している企業は優秀な社員が集まりやすく、付加価値を高めやすいと考えられる。

 さらに、毎月同じ請求書を同じ取引先に送る作業を毎度人力でやるのは著しく非効率である。紙の請求書は人力でやる以外に無いが、電子化された請求書は自動化やテンプレート化しやすく、効率化が期待できる。

トレーサビリティーの確保

 紙の請求書の場合は、一旦印刷したらその後のトレーサビリティーは確保しにくい。送付したはずなのに「請求書が届いてない」と取引先から言われる可能性もある。その場合、自社のミスなのか取引先のミスなのか判断が難しい。一方、電子化された請求書ならば、請求書の改変、ダウンロード、送信などの履歴が残り、いつ誰が何の操作をしたか全て記録されるため、トレーサビリティーを確保できる。

新しい法律への対応

 2022年から改正電子帳簿保存法が施行され、また、2023年からはインボイス制度が施行される。これらの法律が施行されるとバックオフィスの事務作業が煩雑になり、業務負担が増大すると考えられる。改正電子帳簿保存法の施行に伴い、電子データで受け取った請求書を電子保存することが必須となり、紙で印刷して保存している企業の経理担当者は対応に追われるだろう。また、インボイス制度では、不適切な運用が多く見られた仕入税額控除を是正するために、課税事業者が発行する適格請求書(インボイス)に記載された税額のみを仕入税額控除の対象とする。インボイス制度の下では、適格請求書発行事業者として登録を受けた課税事業者は、交付した適格請求書や帳簿を保存することが義務付けられるため、経理・総務部門の事務作業が増えてしまうのだ。

 しかし、多くの電子請求書発行サービスはこれらの法律への対応をすでに進めており、新しい制度が施行されたときの業務の混乱とバックオフィスの負荷低減に役立つだろう。

請求書の送付をメールに変更するのに適したタイミング

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 今まで紙の請求書を郵送で送っていた取引先とのやり取りを、いきなりメールの請求書に変更するのはハードルが高いことも多い。なぜなら、慣例として紙が主流であり、電子化への対応に手間がかかってしまう可能性があるからである。以下に請求書を電子化するタイミングについて解説する。

契約更新・変更時

 例えば経済状況や物価上昇など、何らかのコストの増加があるタイミングで、料金を値上げする場合があるだろう。そのタイミングでコストの削減を理由に請求書を電子化すると了承してもらいやすいかもしれない。値下げする場合でも同じである。料金に限らず何らかの契約内容の変更がある場合に、同時に請求書の電子化を打診するのが最適だ。また、契約内容変更に限らず、契約書の有効期限が終わり更新する際にも、同時に請求書を電子化してもらいやすい傾向がある。

 契約書には請求書の送付方法について記載されている場合があり、その条文を変えないまま電子化してしまうのは好ましくない。また、契約書に請求書の電子化について記述されていない場合であっても、これを機に記載することをおすすめする。そのほうが確実な合意の証拠が残るからである。

法律や制度の改正

 先述した電子帳簿保存法の改正やインボイス制度の施行など、国の法律が改正され会計の方法が変わる場合には、取引先も電子化を了承しやすい傾向がある。

 これらの法律は定期的に改正されていくので、今後も改正や施行をよい機会として電子化に着手するのが最適と言える。

請求書をメールで送るときの注意点

 請求書をメールで送る際にはいくつか注意するべき点がある。以下にそれを解説する。

セキュリティーを確保する

 メールで送る際にはプロトコルやメールクライアントのセキュリティーレベルを確認するべきである。メールの中には暗号化をせず送信するプロトコルがあり、そのようなプロトコルを利用していると傍受やなりすましの危険がある。

 ITツールの利用に不慣れな取引先の場合は、ファイル転送サービスなどに請求書をアップロードし、取引先にはダウンロードリンクだけを送るほうがよいだろう。自社が通信を暗号化していても、取引先がメールサーバーから受信する際に暗号化していない場合、危険性が高いからである。この方法であればダウンロードの履歴が残り、自社でファイルの削除も可能なので安全性が高い。

押印について確認する

 必ずしも請求書に押印の法的義務は無い。請求書に押印するのはあくまでも通俗的な慣習であり、押印されてなくても法的には通用する。しかし、取引先の社内の規定により押印が無いと受領できない場合がある。

 その場合は電子印鑑を利用するとよいだろう。電子印鑑とは、印影を模した画像データを電子化された請求書に貼り付け、擬似的に押印したように見せる方法である。ただの画像データではなく本人が押印したと証明できる機能が付いているものもあるためセキュリティー面でも安全だ。

ファイル名は分かりやすく付ける

 取引先に送る請求書にはわかりやすいファイル名を付けよう。ときどきファイル名に無頓着な人がいるが、請求書作成システムからダウンロードしたままのファイル名だと何のファイルなのかが分からず、相手からすると不親切に感じ印象が悪い。したがって「請求書_宛名_内容_発行日」など一目見て内容が分かる名前を付けるべきだ。例えば「請求書_株式会社○○御中_システム利用料金_20211125.pdf」などである。

請求業務のシステム選びのポイント

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 電子化された請求書は必要事項さえ書いていればWordやExcelで作成し、PDFに変換してもかまわない。しかし、毎回作るのは手間のため、請求書発行システムを利用するのが一般的である。以下に、システム選びのポイントを解説する。

適用範囲

 請求書発行システムはサービスによって搭載されている機能が異なる。請求書作成や送付だけではなく、入金管理や集計レポート機能も付いているものもある。自社の業務上の課題に合わせて最適な機能を搭載したサービスを選ぶべきである。

郵送サービスの有無

 請求書発行システムの中には、紙に請求書を印刷して郵送してくれるオプションが付いているものがある。このようなサービスを選ぶと郵送で送る請求書とメールで送る請求書を一元的に管理できるので便利である。紙の請求書にこだわる取引先がいる場合は選択肢の一つに入れるとよいだろう。

連携機能の有無

 請求書発行システムの中には、他のクラウドサービスと連携できるものがある。例えば会計ソフトと連携して請求書から自動で伝票を作成し仕訳まで行ってくれるサービスや、ワークフローシステムと連携できるサービスもある。このような連携は効率化に寄与するので、自社のどのシステムと連携したいかを考えて選ぶべきである。

サポート体制

請求書発行システムの運営業者が、どこまでサポートしてくれるかも選ぶポイントである。サポートしてくれるのは自社のみなのか、それとも取引先もサポートしてくれるのか、どこまでが無償でどこからが有償なのか、しっかりと確認してから選ぼう。

取引先が紙の請求書を送ってくる場合は?

 こちらから送る請求書は電子化できても、取引先が紙の請求書を送ってきてしまう場合はどうすればよいのだろうか。受領を拒否するわけにもいかず、結局ペーパーレス化が進まない可能性もある。そのような場合には「Bill One」がおすすめだ。「Bill One」は取引先から送られてきた紙の請求書をスキャンして電子化し、電子化された請求書データを送ってくれるサービスである。「Bill One」を利用すれば取引先の都合で自社のペーパーレス化が遅れる懸念が低減されるだろう。詳しくは以下の資料をご覧いただきたい。

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