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総務・法務 公開日: 2022.08.31

コンプライアンス遵守とは? 法令遵守との違いや対策をご紹介

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 ビジネスにおいて重要なコンプライアンス。しかし、私たちはコンプライアンスの意味を正しく理解しているだろうか。そもそもコンプライアンスはなぜ重要なのだろうか。

 知っているようで知らないことの多いコンプライアンスについて1から解説したい。

目次

【画像】Shutterstock

コンプライアンスとは?

コンプライアンスの意味

 コンプライアンスはビジネスシーンにおいては「法令遵守」と訳されることが多い。そのためコンプライアンスという言葉だけで考えてしまうと、法令さえ遵守していれば問題がないと捉えてしまうこともあるだろう

 しかし、近年はより幅広い言葉としてコンプライアンスが用いられている。コンプライアンスは法令遵守だけでなく、社会的規範や企業倫理(モラル)を守るということまで含まれるのが一般的となってきている。

 つまり、仮に法律を遵守していたとしてもコンプライアンス違反と捉えられる事例もあるということだ。現代のコンプライアンスについて正しい知識を身につける重要性が増している。

コンプライアンスと法令遵守との違いは?

 では、コンプライアンスと法令遵守はどういった点が違うのだろうか。わかりやすい例が企業の広報などによるSNSの不適切発言だ。

 SNSの不適切発言は、たったひとつの発信によって企業のイメージを著しく損ねる、もしくは特定の人・集団等に対して不快な思いをさせてしまう。しかし、発言自体は問題ではあるものの、その発言が法律を犯しているわけではない。こういった事例を目にしたことはないだろうか。

 法令遵守という点では問題はないが、企業としては看過できない問題が発生している。こうした事例もコンプライアンスの範囲となる。

コンプライアンスとCSRの違いは?

 コンプライアンスと類似の言葉としてCSRがある。CSRはCorporate Social Responsibilityの略語で日本語では「企業の社会的責任」という意味を持つ。CSRはコンプライアンスよりも倫理的観点がより強い言葉になる。

 CSRで用いられている責任という言葉は、社員や利害関係者といった人間を対象とした視点、さらには地域課題や自然環境などの視点もあり幅広い範囲を想定している。またCSR活動を実施することによって、企業イメージ向上などプラスの効果が得られる傾向がある。

コンプライアンスが必要な理由

【画像】Shutterstock
 そもそも、なぜ企業にとってコンプライアンスは必要なのだろうか。簡潔な回答としては、コンプライアンスを疎かにすると社会的信頼の喪失、経済的損失を生む可能性が大きくなるからだ。

 帝国データバンクの調査によると、粉飾や業法違反もしくは脱税などの 「コンプライアンス違反倒産」が毎年200社前後も発生している。当然のことながら、これらの倒産はコンプライアンスを要視していたならば発生しなかったであろう倒産だ。

 企業にとっては、たったひとつのコンプライアンス違反が致命傷となるのだ。また、倒産とまではいかなくともコンプライアンス違反によって大きなダメージを負うことになった企業は多い。

 こういった損失を発生しないようにすること、未然に防ぐことがコンプライアンスを必要とする大きな理由となっている。

コンプライアンス遵守が注目されるようになった理由

 企業にとって非常に重要なコンプライアンス。しかし、日本国内においてコンプライアンスがこれほどまでに重要視されるようになったのは最近のことだ。

 転機となったのが2002年に発生した「牛肉偽装事件」。雪印食品株式会社が輸入牛肉を国産と偽り、国から補助金を騙し取った事件だ。偽装が明るみとなると売り上げは激減。雪印食品株式会社は廃業を余儀なくされた。

 そのほか2002年前後には牛肉偽装事件以外にもコンプライアンスを問題とする事件が多数発生。国内でのコンプライアンス意識を高めるきっかけとなった。

 コンプライアンスの重要性が増す背景が他にもある。そのひとつが社会情勢だ。不安定な経済にストレス社会、閉塞感のある情勢の中で不祥事は娯楽のひとつとなっている。

 さらに拍車をかけるのがインターネット及びスマートフォンの普及だ。SNSなどで誰もが発信できるようになったことで問題は拡大し炎上しやすくなった。またかつてであれば企業の内々で処理できたような事案でも秘匿していくことが容易ではなくなった。

 このようにコンプライアンスの意義は日増し強まっているのだ。今後コンプライアンスの重要性は増すことはあっても低下することはないだろう。

企業のコンプライアンス違反の現状

【画像】Shutterstock
 では実際にどのような企業がコンプライアンスに違反してしまっているのだろうか。

 毎年200件近くのコンプライアンス違反による倒産が発生しているのは先に述べた通りだ。これを業種別に見ると最も多いのがサービス業。2016年以降、業種別では毎年最多となっていて、最も多い2016年では67件も発生している。

 この他には建設業と卸売業もコンプライアンス違反による倒産が多い業種となる。また、建設業と卸売業ほどではないが、製造業と小売業も違反が多い業種だ。

 もちろん全ての業種でコンプライアンスが重要なのは言うまでもないが、これらの業種では特にコンプライアンスを徹底させる必要があるだろう。

企業のコンプライアンス違反の種類と事例

続いて具体的にどのようなコンプライアンス違反が発生しているのかについても紹介したい。

 ・雇用関連 セクシャル・ハラスメント、プライバシー侵害、雇用差別、労働災害など
 ・消費者関連 有害もしくは欠陥商品の販売、虚偽もしくは誇大広告、悪徳商法など
 ・投資関連 粉飾決算、相場操縦、利益供与、内部者取引など
 ・環境関連 自然破壊、不法投棄、環境汚染など
 ・競争関連 カルテル、企業秘密侵害、入札談合など
 ・その他 事業外での不祥事など

 このように多種多様な事例がある。件数として多いのは、粉飾決算や各種雇用関連、事業外での不祥事などが多い。

 具体的な事例については「【コンプライアンス違反事例】企業への影響やリスク、防止・対策方法を解説」にまとめているのでご覧いただきたい。

企業のコンプライアンス違反が起きる理由

 各種コンプライアンス違反はなぜ発生してしまうのか。その理由を探ると大きく三つの根本的な原因があることがわかっている。

 まず一点目としてあげられるのが知識不足だ。法律や業務に必須の情報などを知らなかったためにコンプライアンス違反を発生させてしまうというケースは多い。この場合は、知識を得ることで解決することが可能だ。そのため、比較的改善がしやすい状態と言うことができる。

 二点目はより複雑で、環境面が理由となる。そもそも長時間労働が当たり前になっていてストレスがたまりやすい環境やハラスメントが横行している環境では、コンプライアンス違反が発生しやすくなっているというケースも実は多い。この場合は知識不足の場合よりも解決が困難となる。

 また二点目に関連するが、違反の放置が三点目にあげられる。組織内で発生しているコンプライアンス違反を是正する仕組みがないことで放置されてしまっているというケースだ。この場合は違反が日常化してしまっている状態のため、より問題は深刻と言えるだろう。

 違反が日常的となると問題の深刻さを認識できなくなってしまうこともある。コンプライアンス違反は決して対岸の火事ではない。

コンプライアンス遵守の方策

【画像】Shutterstok
コンプライアンス違反が起きる理由があるように、違反を起こさないようにする施策もある。コンプライアンスを重要視している企業では大きく四つの施策を実施している傾向がある。

 一点目が企業行動規範の制定だ。社内・社外に対してコンプライアンスへの考え方や姿勢を文章として宣言する。こういった宣言をすることによって、守るべき事項を明確にすることができる。結果として、社員がコンプライアンスに対する意識を持つことにつながる。

 二点目が就業規則などの各種規定の策定だ。企業行動規範が大筋での方針や考え方だったのに対して各種規定はより具体的な内容となる。規定を策定することで社員がルールを持って働くことができるようになる。

 三点目としてコンプライアンス推進部門の設置があげられる。コンプライアンス推進部門は問題発生時の状況の把握や改善を担う。またトップへの報告もスムーズになるため問題が大きくなる前に解決することができるようになる。

 四点目がコンプライアンス教育の実施だ。社員に対して定期的にコンプライアンス研修を実施することによってコンプライアンス意識を常に高く持って業務にあたれるようになる。

 ①企業行動規範の制定、②各種規定の策定、③コンプライアンス推進部門の設置、④コンプライアンス教育の実施。この四点を実施できれば高いコンプライアンス意識を社内全体で持つことができるだろう。

コンプライアンス強化にむけて

 企業コンプライアンスの重要性が増し続けている現代。コンプライアンスを遵守するためには、取引先のチェックが欠かせないがそのチェックにも工数がかかってしまいがちではないだろうか。Sansanでは蓄積されたデータベースを活用して取引先のリスクチェックが可能だ。たった一度のコンプライアンス違反が致命傷となりかねない今、社内のコンプライアンス強化と併せてSansanのサービスを活用することも考慮に入れてみてはいかがだろうか。

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