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IT・情報システム 公開日: 2021.02.01

レガシーシステムからの脱却で「2025年の壁」を乗り越えDXを進める方法

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 「2025年の崖」が迫り、レガシーシステムの刷新に悩む企業は多い。この記事では2025年の崖と、レガシーシステムに関する課題や脱却するための方法を解説する。

【画像】shutterstock

目次

迫る2025年の崖、守りのITに力を入れる企業は増加傾向に

 2021年を迎え、改めて「2025年の崖」問題が取り沙汰されてきている。まずは2025年の崖とは何なのかを解説する。
「2025年の崖」とは
経済産業省が提唱している、社内のレガシーシステムによってデジタルトランスフォーメーション(以下、DX)ができず、2025年以降に「最大12兆円/年(現在の約3倍)の経済損失が生じる可能性」がある問題を指す。

DXを妨げる「レガシーシステム」

 「レガシーシステム」とは、DXの阻害要因となる古い技術や仕組みで構成されているシステムのこと。情報システム分野では、主に技術革新による代替技術が広く普及した段階で、旧来の技術基盤により構築されているコンピューターシステムを指す。

 特に企業の基幹システムのベースとなっていたメインフレーム(汎用コンピューター)を利用して構築したシステムを指すことが多く、これらは各ベンダーの独自技術により構築された、独自仕様のシステムであることが多い。

 2025年の崖への対応を怠ると、増え続けるデータをうまく活用できずにデジタル競争に負けてしまう可能性が高い。また、サイバーセキュリティー対策の不備によるデータ流出のリスクなど、多くの弊害を招いてしまうため、早急な対応が求められている。

 現在約8割もの企業が社内にレガシーシステムを抱えており、その更新を実施・計画しているところも多く存在する。2025年の崖への懸念を受けて、今後は守りのITへのコスト投資も増加することが予想される。

レガシーシステムの解体はコストも時間もかかる

 レガシーシステムを解体してDXを実現する必要がある一方で、抜本的なレガシーシステムの解体を行い、全てを別システムに移行することはコストも時間もかかる。

 移行の際にコストやリスクを減らすためには、必要のない機能を捨ててシステムの規模と複雑さを減らすことも有効な方法だ。自社の情報資産を見直して、使われていないシステムがあれば捨てるという選択肢を検討しなければならないだろう。

鍵は、レガシーシステムを新しいシステムと連携させられるか

 レガシーシステムの一部を残す場合には、最近入れたシステムや今後追加する予定のシステムとの連携を考える必要がある。前出の経済産業省による「DXレポート~ITシステム「2025年の壁」の克服とDXの本格的な展開~」によれば、「レガシー刷新自体が自己目的化すると、DXにつながらないシステムができ上がってしまう」ことが刷新後の失敗事例として挙げられている。

 コストや時間を抑えてレガシーシステムの一部を生かす場合でも、今後導入するシステムとうまく適合できなければ、刷新後のシステムを効率的に使うことはできない。最近入れたシステムや、今後追加するシステムとの連携を考えながら、レガシーシステムを生かしていくことが望ましいのである。

一筋縄ではいかない新しいシステムとの連携

【画像】shutterstock
 しかし実情としては、そのようなシステム連携は簡単に実現できないことが多い。実際に「DXレポート~ITシステム「2025年の壁」の克服とDXの本格的な展開~」にあるアンケート調査を見ると、「レガシーシステムが足かせだと感じる理由」のうち「レガシーシステムとのデータ連携が困難」であるという声が多く寄せられている。

 そのような声が寄せられる背景には、企業が情報システムについて事業ごと、拠点ごとで個別に最適化をしてきたことが挙げられる。日本の企業は世界水準よりも早く情報システムを構築してきたことにより、多くのデータを持っているものの、会社全体での最適化が行われていないためにシステム構造が分かりづらくなっている事態が発生しているのだ。

 それゆえ、システムの連携がうまくいかずに社内にあるデータを活用しきれていないことが問題となっている。今後、情報技術革新がさらに発展して最先端のテクノロジーを導入しても、既存のデータとの連携が不十分だとそれらのシナジーは存分に発揮されないという将来が予想されるだろう。

注意したいのが、システム内のデータ

 では既存データとの連携について、どのような課題があるのだろうか。システム連携において気を付けなければならないことの代表例が、データ項目や名称の統一性である。

 具体的には、顧客管理についてのケースを想定してほしい。顧客データに関して、多くの企業ではその情報が重複して管理されていることがある。その原因は、それぞれの社員がおのおののやり方でデータベースに顧客情報を入力してしまうことにある。例えば、株式会社Aを登録する際に、「株式会社A」「(株)A」「A」といった社員ごとにばらばらに登録した場合、すべて同じ会社を表しているのにも関わらず、データ上では別の会社と判断されてしまうのだ。

不十分なデータ整備によってさまざまな弊害が発生する

 データ項目や名称が統一されていない結果、引き起こされる問題として、正しい顧客分析ができないことが挙げられる。例えば、自社のセミナーに参加した企業がホームページから資料を取り寄せたとしよう。本来であればこの企業は顧客となる可能性が高い。にも関わらず、セミナー申し込みと資料をダウンロード時に入力する会社名の表記が異なっていると、別の企業であるとデータ上でみなされてしまうのだ。
 また、顧客獲得の機会を逃すだけでなく、同じ企業に重複してアプローチしてしまうこともありうる。システム上で別の企業と認識されれば、同じ企業に複数の資料を送るなどの事態が発生してしまうだろう。何度アプローチしてもコストがかさむ一方、リターンが大きくなるとはいえないため無駄な活動となってしまう。

 このように、同じ顧客情報でも異なる表記で管理されることは、システムを連携する際だけでなく多くの企業活動にも弊害が生じてしまう。前述のとおり異なる表記で管理されれば、データ上では別の会社だと識別してしまうので、連携の前処理として手作業で表記を変更しなければならなくなってしまうのだ。

各システムにあるデータの正規化・統合がレガシーシステムからの脱却における第一歩に

 表記揺れや欠けのあるデータの整備を行うために、まずはそれぞれのシステムで保管しているデータを正規化・統合する必要があるだろう。しかしながら、全てを人力で行うとなると膨大なコストが発生してしまう。また、データは日々たまっていくため、キリが無い作業となってしまうだろう。

 コストや手間を減らすためには、データの整備に強みを持ったツールを導入し、自動的に統合などを行うことが望ましい。ツールの中には、名寄せ機能だけでなく、情報のリッチ化や他システムとの連携など、多くの機能を持ったツールもあり、種類もさまざま。そのため、機能やコストを比較し、自社の課題に適したツールを検討するべきである。以下に検討する際の代表的な観点を挙げるので参考にしていただきたい。

名寄せ機能
 分散した顧客データを統合する際、正確に名寄せできることが望ましい。企業名やメールアドレスなどの情報を基に、半自動的に名寄せやデータの新旧判断を実施できると良いだろう。

データの正規化・リッチ化
 統合したデータについて、最新の情報へのアップデート機能を備えているとうれしい。名刺や登記情報などの外部情報から、データを最新化してくれるだけでなく、部署名や役職から、アプローチの優先順位を判別し表示してくれるツールもある。

連携システムの多様さ
 外部のSFAやCRMシステム、MAツールとの連携ができることは営業・マーケティング活動において強みとなる。自動でシステム上の顧客データをクレンジング・名寄せし一元化できると、効率的かつ高品質な営業活動が期待できる。

 顧客データの表記揺れを防ぎ正確な状態に保つために、ツールは自社に最適なものを選びたい。先に挙げた観点を重視するならば、Sansanが提供する「Sansan Data Hub」を活用したい。詳しい機能については、下記からダウンロードできる資料の中で紹介している。
 2025年の崖を迎える前にレガシーシステムをどうにか刷新したいものの、多くのコストや時間がかかることから悩んでいる企業は多い。しかし特に膨大な顧客データについては、うまく統合し整備することができれば、営業活動において強みになるだろう。ぜひこの機会に、顧客情報の管理や活用方法について、社内で見直してみてはいかがだろうか。

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