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SaaSとは?PaaS・IaaSとの違いや代表例を徹底解説

SaaSとは?PaaS・IaaSとの違いや代表例を徹底解説

近年、私たちの生活に欠かせない存在となっている「SaaS」。単語を耳にしたことはあるものの、SaaSとは何か、具体的に何が実現できるのかについて分からない人が多いのではないでしょうか。この記事では、SaaSとは何か、具体的な代表例や導入するメリット・デメリットを交えて解説します。SaaSの全体像が理解できますので、自社で導入する際のヒントにしてください。

※本記事は2021年7月に作成されました。掲載されている内容は作成時点の情報です。

SaaS(Software as a Service)とは?

SaaSとは、「Software as a Service」の略で、一般的に「サース」や「サーズ」と呼び、インターネットを通じてソフトウエアを利用できるサービスを指します。従来のソフトウエアは、企業内のサーバーやコンピューターにインストールする必要がありましたが、SaaSの場合はサービス提供者側のサーバーでソフトウエアを稼働させるので、ユーザーはネットワーク経由でソフトウエアの機能を活用できます。

SaaSという言葉は、2006年ごろから使われるようになりましたが、ソフトウエアをインターネット経由で利用するサービスそのものは、1990年代からすでにありました。当時はASP(Application Service Provider)、直訳すると「アプリーケーションサービスの提供者」と呼ばれていました。

2018年ごろ、多くのスタートアップ企業がSaaSを提供し始めたことで、SaaSという言葉が定着しました。BtoC向けのSaaSの増加やリモートワークの推進により、認知度が一気に広まったと言えます。

SaaSの種類

SaaSは、Horizontal SaaS(ホリゾンタルサース)とVertical SaaS(バーティカルサース)の2種類に分けられます。

ホリゾンタルサースは直訳すると「水平なサース」で、マーケティングや人事、財務といった、あらゆる企業に共通する、特定の職種に必要な機能を備えています。

一方、Vertical SaaS(バーティカルサース)は直訳すると「垂直なサース」で、特定の業界に必要なあらゆる機能を備えています。例えば、製造業では商品の企画や設計の業務があるが、医療業ではカルテによる患者の容態管理を行います。業界によって必要な業務は異なるので、その業界の形態に合わせて設計されています。

SaaSの特徴

SaaSの概要を踏まえて、次は具体的な特徴を解説していきます。

特徴1. マルチデバイスによる利用

一つ目の特徴は、あらゆる端末でアクセス可能であることです。オフィスのPCはもちろん、外出先でノートPCからアクセスができたり、移動中にスマホで閲覧できたりするなど、さまざまな状況で活用できます。

従来のソフトウエアは、ソフトウエアをインスールしたサーバーに繋がっている端末しか利用できませんでした。SaaSであれば、インターネット環境さえあれば所有している端末に関係なくソフトウエアへアクセスできます。

特徴2. オンラインストレージへのデータ保存

二つ目の特徴は、ソフトウエア上で利用するデータを、オンライン上に保存できることです。サービス提供者側のサーバーに保存するので、使用する端末に関係なく、インターネットを経由してデータを保管できます。

一般的に、オンラインストレージへのデータ保存は「クラウド」をイメージするでしょう。クラウドの利用形態の一つとしてSaaSがあり、その中の機能としてデータ保存があると認識すれば問題ありません。

特徴3. 複数人での同時管理や編集操作

三つ目の特徴は、異なる端末から複数人での同時管理や編集操作が可能であることです。Wordなど各端末にインストールされたソフトウエアの場合、内容が変更される度にデータを渡す必要があり、共有や更新に手間がかかります。

SaaSを活用すれば、インターネット上でソフトウエアが使えるので、一つの管理画面を各端末から閲覧できます。変更内容もリアルタイムで更新され、複数人による同時編集も容易です。

SaaSとPaaS・IaaSの違い

SaaSと類似するものとして「PaaS」と「IaaS」があります。SaaSとの違いは、提供するサービスの範囲です。SaaS理解をより深めるためにも、それぞれ解説していきます。

PaaSとは

PaaSとは「Platform as a Service」の略で、「サービスとしてのプラットフォーム」という意味です。一般的に「パース」と呼ばれ、アプリケーション開発環境をインターネット経由で提供するサービスを指します。

ウェブアプリやソフトウエアを作るための開発環境を、自社で用意する必要がないことが1番の特徴です。PaaSを活用してSaaSを提供している企業も数多く存在しています。

IaaSとは

IaaSとは「Infrastructure as a Service」の略で、「サービスとしてのインフラ」を意味し、「イアース」と呼ばれます。サーバー、ストレージなどのハードウェアやOSを、インターネットを経由して利用できます。

IaaSと似た存在として「VPS(Virtual Private Server)」があります。違いは、VPSは決められたリソースに対して一定の金額を支払い、IaaSは使ったリソースの分だけ支払う従量課金型であることです。IaaSのほうが柔軟性が高いサービスと言えます。

SaaSを導入するメリット・デメリット

ここからは、SaaSを導入するメリットとデメリットについて解説します。

SaaSのメリット

メリット1. 簡単に導入できる

サービス提供者側のサーバーにアクセスするだけなので、社内のサーバーにインストールして環境設定などをする必要がなく、専用のアカウントを作成するだけですぐに導入できます。企業で導入する場合でも、企業アカウントを作成し、それぞれの社員のアカウントを作るだけです。提供者によっては、トライアルでサービスを試用できる期間を設けている場合もあるので、使用感を確かめてから導入することもできます。

メリット2. ソフトウエアの管理が不要

ソフトウエアの管理やメンテナンスを全てサービス提供者が行うので、運用保守にコストがかかりません。ソフトウエアに関する専門的な知識も不要です。使い方が分からない場合は、カスタマーサポートに連絡していつでも相談できます。

メリット3. 常に最新の状態で使える

サービス提供者が常に不具合の調整や新しい機能を定期的に追加することで、利用者側はいつでも最新のソフトウエアを利用できます。従来のソフトウエアで新しい機能の追加や不具合の調整をするには、専任のエンジニアが必要で、最新状態を維持するためのコストが大きかったです。新しいソフトウエアを導入したくても、導入コストやデータの移し替え、操作の慣れといった移行のハードルも高いです。SaaSなら、利用者側は低コストでいつでも最新のソフトウエアを使い続けられます。

SaaSのデメリット

デメリット1. セキュリティー対策が万全なサービスを選ぶ必要がある

SaaSは、インターネットを経由して利用するという特性上、ネット環境によっては不正アクセスされる可能性があります。実際、不正アクセスによるデータ漏洩といったトラブルも起こっています。SaaSの利用を機に、通信環境の不備から不正アクセスされるケースも想定し、自社で十分なセキュリティー対策を敷くことが必要です。

デメリット2. サービス停止時に復旧が困難

メンテナンスといったサービス停止時は、一切の操作ができません。提供者側のトラブルによる急なサービス停止が起こると、ユーザーの業務に支障をきたす場合もあります。安心かつ快適に利用し続けるには、サービス提供者側の運用保守に依存してしまいます。

デメリット3. カスタマイズ性が比較的低い

サービス提供者側が全て一括で設計するので、自社のニーズに合わせた機能の追加ができません。メリットで述べたように、新しい機能が随時追加されていくが、自社によって必要であるとは限らず、欲しい機能が追加される保証はありません。自社で欲しい機能が全て揃っているサービスを探すのは、難しいかもしれません。

ニューノーマル時代に、ソフトウエアで業務効率化を推進

テレワークの推進を背景に、注目を集めているSaaS。簡単に最新のソフトウエアをあらゆる場所で、いつでも利用できることが魅力です。自社でSaaSサービスの導入を検討している方にとって、この記事が参考になれば幸いです。

3分でわかる 働き方を変えるDXSansan株式会社が提供する働き方を変えるDXサービスを紹介する資料です。

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営業DX Handbook 編集部

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